新入生お祝いパーティー
お祝いパーティーは伝統
ご機嫌よう。エフティーア・ドゥロパロスです。ギア様の瞳の色の可愛らしいデザインのドレスに身を包み、ギア様の髪の色の可愛らしいデザインの髪飾りをつけ、侍女さん達のお化粧のおかげで別人のように可愛くなりました。早速ギア様の元へ行きます。
「ギア様!」
「ティア!…やっぱり、すごく似合ってる。可愛い」
ギア様は私の額に軽くキスをします。かなり恥ずかしいです…。
「ギア様こそ、正装がとてもよくお似合いです」
「そうか?俺のお姫様に気に入って貰えたなら恐悦至極だな」
「もう、ギア様ったら大仰なんですから」
「おや、俺は本気だよ?」
ギア様は本当に、私をからかうのがお好きなんですから。困ってしまいます。
「さあ、麗しのお姫様。俺にエスコートをさせていただけますか?」
「もちろん、喜んで」
こうして私達は、新入生お祝いパーティーに参加しました。
「わあ!入学式の時と比べて、ずいぶん豪華で煌びやかですね!」
「お祝いパーティーだからな。早速、一曲踊っていただけますか?」
「もちろんです!」
ギア様のリードに任せつつ、いつもの意趣返しとしてちょっとだけ難しいステップを踏みます。
くるくると軽やかに踊り、私の意趣返しに気付いたのか可笑しそうに笑っているギア様に思わず私も笑ってしまいます。
他にダンスを踊っていた方々もギア様のリードの上手さに感激したのかギア様に見惚れてしまい、いつのまにか私達だけが踊っていました。
しかしよく耳をすませてみれば、賞賛の声はギア様だけでなく、私にも向けられていました。
ギア様のリードが上手いだけなのですが…どうやら皆さんは片方だけが上手くても真に美しいダンスは踊れないと思っているようです。
私はただ好き勝手にギア様への意趣返しとして踊っているだけなのですが…それを上手に受け、次に繋げてくれるギア様のおかげでなんとかなっているというのにです。
ああ…やっぱりギア様は素敵な方です。やはり、私などよりよほどよい相手がいると思うのですが…。
「楽しんでくれているか?俺のお姫様」
「はい、とても!」
「ふふ。まさかティアがこんなにお転婆なダンスを踊るとはな?」
「ふふ。ギア様のリードあってこそです」
「おや、嬉しいことをいう。…ああ、もう終わりか。もう一曲…といわず、二、三曲お付き合い願えますか?」
「もちろんです!」
そんなこんなで、素敵なお祝いパーティーは終わりました。楽しかったです!
一際輝いていたのはもちろんギアとティア