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とんでもない方に捕まった

シンデレラストーリー?

「エフティーア・ドゥロパロス伯爵令嬢」


「?はい、王太子殿下」


「この俺、マギア・オルコス・プロセフヒが婚約を申し込む」


「…え」


「俺の婚約者になってくれ」


王太子殿下のその言葉に他のご令嬢が悲鳴を上げて倒れる。


…これは一体、なにがどうなっているのでしょうか?


はじめまして、ご機嫌よう。私、伯爵令嬢のエフティーア・ドゥロパロスと申します。十二歳ですの。今日はこのプロセフヒ王国の第一王子である、マギア・オルコス・プロセフヒ殿下の婚約者を決めるためのお茶会に参加していますわ。お茶会に参加するのは伯爵家以上の家格の歳が王太子殿下に近い令嬢。私も王太子殿下と同い年ということで呼ばれました。選ぶのはもちろん王太子殿下。


王太子殿下はとても美しく、肩より少し上に切ったプラチナブロンドの髪が綺麗で、翡翠色の瞳が蠱惑的、薄い唇が弧を描くとご令嬢方が悲鳴を上げて倒れるほど素敵な方ですわ。


そんな王太子殿下に、まさか私が選ばれるはずはないと高を括っていましたの。私、ストロベリーブロントのウェーブのかかった髪と、赤い瞳しか取り柄のない、顔だけ見れば地味な子供ですし、体も子供体型ですし…いえ、実際子供なのですけれども、ここに集まったご令嬢方はみんな顔立ちもよく私と違ってスタイルも良くて…。


それがどうして、こんなことに?


「えっと、あの、理由をお教えいただけますか…?」


「話が楽しかった」


「え?」


「どのご令嬢も俺のご機嫌をとることばかり気にして、まるで腹の探り合いだった。ただ、貴女一人が本音で話しをしてくれた。そんな貴女に興味が湧いた。話しをする中で、貴女に惹かれる俺がいた。どうか、この手を取ってほしい」


王太子殿下の瞳は真剣です。私の答えは…。


「…私など、伯爵令嬢ですし、なんの取り柄もありません。どうぞ他の美しく家格の高いご令嬢をお選びください」


「…そうか。ならば仕方あるまい」


よかった。諦めてくれた。どうか私風情が王太子殿下を振ったことで不敬罪に問われませんように!


「貴女のご両親に話を通そう」


「…え?」


「ドゥロパロス伯爵家は野心家だと聞く。きっと貴女のご両親も兄君も、よろこんで貴女を差し出すだろう」


「お、王太子殿下…?」


「俺は、基本的にあまりなにに関しても興味がない。そのせいか、興味を持つものに対しては執着がすごくてね。貴女もはやく諦めて、大人しく俺の婚約者になった方がいい」


待って。私、とんでもない方に気に入られたのでは?


「これからよろしく。俺のティア」


「…っ!」


その瞳に射抜かれて知る。…私、この方からは逃げられませんわ。

早々に逃げ場を塞がれます

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