4話:ゲコッ
晩御飯にTVを見ていると、今度は臨時ニュースが割り込んできた
前の件があったので急に心臓が高鳴ってきた。
「臨時ニュースをお伝えします」
唾をごくりと飲む。
「先ほど国会で新たに決定事項が出ました、こちらをどうぞ」
とニュースキャスターが言うと画面が変わった。
映ったのは史上最年少で総理大臣となった、堂々とした振る舞いで好感がある青年だった。さらに、若者からの支持率を得るには十分すぎる顔立ちだった。――主に女性の。
そんな国のトップはハキハキとした声で言い切った。
「戦争を行うことによって平和を実現する、擬似戦争機構の設立を全面的に協力することにする!! 名づけて"蛙"!!」
……意味がわからなかった。
画面が再び戻って、ニュースキャスターが長々と説明を開始し出した。
今回は"熱血"ではなく、"冷血"な雰囲気を出している人だった。一言で簡単に説明すると、"擬似戦争を管理する機関"のこで、全面的に協力とは、主に資金面を指しているらしい。
そして"蛙"の説明を始めた。
「推測ですが、擬似戦争機構、擬似機構、ぎじきこう、ぎじこう、げっこう、ゲコッ、"蛙"。ということだと思われます」
冷血ニュースキャスターが真顔で説明する様には苦笑するしかなかった。しかしすぐに真顔になり――国の行く末を心配した。
たかが高校一年生に心配させるってどうなのよ……。って考えていると、より不安になった。
そして国の力というものが凄いのか国のトップが凄いのか、ものの数日で設立された。
そこからは物凄い速さで展開していった。
設立されるとすぐに国がゲーム開発に大金を投資をはじめ、ゲーム企業は国の犬となった。
しかし、ゲームに国がお金を使うなど、しかも金額が桁違い。それは前代未聞で世論は反対一色になり署名活動も始まる程だった。
『税金をゲームに使うなど、言語道断だー!』といった具合だ。
これではすぐに国のトップは辞めさせられ、騒ぎは終わるかと思っていた。しかし
――設立から一週間後、アメリカが日本と同じように開発に投資を始めた。