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37話:『称号:変態悪魔』


「……何で面会謝絶になってるんだ?」

「あーれー? 電話かけても出ないしー……」

「もしかして、ここの方への面会ですか?」

「はいー! 綺麗な看護士さんー! そうですそうですー! いや、僕は貴女に出会うためにここへ……ガハッ!!」

「もしかしてとはどういうことですか……?」

「はい……ここの人は夜な夜な入院している女性の下に夜這いに……しかも、その守備範囲は広く、幼児から熟女まで。しかも、1日に何十人と……、この病院に入院している女性は全員毒牙にかかったとか……さらには女医までも手にかけているようです……。それに今朝はパンツ一枚で街中をうろつき、出会う女性全てを……。あぁ……私も今日夜勤だから襲われるのかしら……私には心に決めた人が……」

「「…………」」

「で……貴方たちは、ここのレイプ魔とどんな関係なんですか?」

「ああ、間違えました。ここの人とは知り合いじゃないです。面会に来たのは、この隣でした」

「そ、そう、リールちゃんに会いに来たんだったーいやー、間違えた間違えた」

「そうですよねー、変態悪魔の知り合いかと思っちゃいましたよー。ちなみにその隣のリールって子も昨日毒牙にかかったらしいですよ……夜中、泣き喚く声が院内を響いたらしいです……可哀そうに……それでは、今から看護士達で対策会議があるんで、失礼しますね」


「…………」

「どうするの……?」

「とりあえず……リールに会おうか」

「賛成賛成ー!!」


――――


「あ、シュウと変な奴、良く来たな!! ほら、そこに座れ!!」


 リールは笑顔で2人を迎えた。


「元気になったようだな」

「おー、リールちゃん相変わらず可愛いーー!! カケルって呼んでくれたらもっといいー!」

「私はいつも元気だぞ! それにしても……全くうるさいやつだな」

「おお、怪訝な顔をするリールちゃん、GOOD!」

「それで和手どうしたんだ?」

「それが今日朝出かけたと思ったら、パンツ1枚で帰ってきて、それからずっと出てこないんだ」

「……朱利と何かあったか……」


 うーん、と考えだすシュウ。


「和、和手…………その場で見たかった!!!! うわはははははは!!!! ガッ!!」


 バカ笑いし出したカケルをシュウが止めた。


「まぁ和手のことなら、大丈夫だ。噂なんてのは四十九日、っていうしな」

「ちょ、ちょっとシュウ、和手どれだけ入院する計算だよー……」

「和手……大丈夫なのか?」


 リールは心配した顔で訪ねた。


「ああ、1日もすれば復活する」

「和手を良く知ってるから分かるんだ。ほっておいたらすぐ復活するさー」

「そ、そうか……。あ、そうだ! お菓子は持ってきてくれたのか!?」

「…………」

「ん? お菓子って何のこと? 持ってきてなッガ!!」


 空気を読まないカケルをシュウが止めた。


「お菓子って……あの?」


 シュウにも心当たりはなかったが、機転を利かせてカマをかけてみた。


「そうだ! 昨日和手が約束してくれたやつだ! お前達が高級お菓子をたくさん買って来てくれるって言ってたからな!!」

「……なるほど……お菓子は今宅配中なんだ。そのうち届くと思う」


 和手もやるようになったな……。とか思いつつ、昨日の分はこっちが悪かったので、仕方ないかと出費は痛いが諦めた。――しかし、結局はレイカのクレジットカードで全てカバーされることとなる。レイカ涙目。かと思いきや、それを経費で落とすという小汚い手を使って回避したとかしてないとか……。


「そうか! お前達もいい奴だな! それで、聞きたいことがあるだが……その……あのだな……しゅ、朱利っていうのは何なんだ……?」


 リールはもごもごしながら聞いた。


「和手の幼馴染で、リールちゃんに負けず劣らず、外見は、可愛いよー!! いや、リールちゃんには負けるかな!? リールちゃんが一番だよぉおお!!」


 カケルはどんどんテンションが高くなって、止まらず褒め続けた。


「そ、そうなのか……」


 リールもシュウもカケルの発言の後半以降は完全にスルーしている。現在進行形で。


「どうしたんだ?」

「いや、なんでもない……」

「ふむ……? ……それで他にも和手とは約束したことはあるのか?」

「ああ! そうだった!! 和手と結婚の約束をしたぞ!!」

「「えええ!!!???」」


 2人は声を荒げて驚く。


「朴念仁かと思ったら……プレイボーイなのか……? 俺の知らないところで色々と手を出しているのか……? ……ん、これは伝記がより面白くなりそうだ……ふふふ……」

「和、和手の奴……朱利ちゃんが居ながら、俺のリールちゃんに……あいつばっかり、あいつばっかり……うう……」


 2人はブツブツモードに入った。


「しかしな、初夜は婦長に取られてしまったんだ」

「「!!!!!!!!」」


「……俺は和手が分からなくなってきた」

「……俺もだよー……」





 二人も帰り、その夜、リールの部屋


トントン


「どうぞ〜」


ガラガラッ


 誰かが入ってきたようだが、返事はないし、足音もしない。


「……ん? 誰?」

「何も喋るな、もう問題を起さないでくれ。俺はVSで今日のことを忘れることにした」

「む、その声は和手か? ……わ、わかった……」


 和手は忍者のように入ってきたかと思うと、直ぐに出て行った。







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