第22話 念願の仲間
ちょうどいい鴨がちょうどよくやって来た。
早速俺はスキル 変身 の実験をしようとしたが、それよりも反転ポーションと特製ダイヤモンド弾丸の実験が最優先だ。
目先の欲に目を奪われ本来の目的を忘れてはならない。
という訳でまずは敵情視察と洒落込もう。
勇者パーティーは男2女3の混合パーティーで、一部かなりの違和感を感じるが、見た感じの役職のバランスも悪くない。
まず勇者。勇者の代名詞のような格好をしている、10代後半の男性。
次に重戦士。体格が大きく、丈夫そうな盾と鎧を装備していて、正に盾役といった感じ。恐らく30代前半の、男性。
三人目は魔術師。でもどこかに聖職者っぽい雰囲気があるから回復役も兼ねているのだろう。10代後半の女性。
四人目は斥候。探索や素早さを生かした戦いをするだろう。同じく10代後半の女性。
五人目は…恐らく荷物持ちの奴隷だろう。10代前半の女性で、あれはよくある獣人という奴だろう。犬っぽい耳が頭から生えてる。明らかに無理な量の荷物を持たせられ、遅れると罵声を浴びせられ、手をあげられる。はっきり言って見るに堪えなく、気分が悪くなる。
俺は奴隷を助けることにした。彼女だけを奥まで召喚し、交渉しうまくいったら仲間に引き込む。上手くいかなくても荷物持ちがいなくなれば攻略に支障をきたせるだろう。
「召喚召喚…ポチッとな」
「きゃあ!なっ何が…」
ひどく驚いた様子だ。まあ無理もない。次は交渉だが…
〈ボッチのDMが寂しそうにこちらを見ている。仲間になってあげますか? yes/no〉
とあるゲームの真似をしてみた。名前は忘れたけど。
「えっ?何?」
〈ボッチのDMは誘惑を使った。今なら人並み以上の衣食住が保証される。仲間になってあげますか? yes/no〉
追加で物で釣る。
彼女の目に希望と欲望と興味の光が宿る。そういうのがあまりよくわからない俺でもわかるってことはそれだけ酷い扱いを受けていたのだろう。
それと何かそわそわしてる。こういうゲームっぽいやつ好きなのかな?
〈ボッチのDMは目をうるうるさせながら上目遣いでこちらを見てきた。仲間になってあげますよね? yes/はい/是非/OK/勿論〉
「拒否権無くなった!」
いい突っ込みが入った。彼女がいれば楽しく生活が出来そうだ。…上目遣いは恥ずかしかったがな…
〈今ならもれなく勇者たちに復讐できます。ボッチのDMの仲間になってあげますよね? yes/はい/是非/OK/勿論〉
彼女の顔が悪戯心いっぱいの笑顔になった。
「はい!是非!勿論!」
なんと3重で返事がきた。
となると彼女を奴隷から解放しなくては。この世界の奴隷は 主人奴隷隷属魔法 通称 奴隷魔法による効果によって奴隷となる。
奴隷は主人を殺せない 主人の命令に従うよう強制的に体が動く というもので、その扱いも悪い。本来、その解除は他人には不可能だが、俺になら出来る。
「俺の魔力を生け贄に、 魔法消去 を発動!ありとあらゆる魔法の効果を無効にして消滅させる!俺が無効にするのは、奴隷魔法!」
主人公に遊が必ず入るシリーズのアニメっぽく言ってみた。結構はまってたのが懐かしい。
「よし、成功だ。これで正式に俺の仲間だ。というわけで、名前を教えてくれる?」
「はい、私の名前はメルフィーと言います。」
「これからよろしくね、メルフィー。さて、まずはご飯かな?好きなのを選ぶといい。」
《メルフィーに対してDM権限 召喚 を与えますか? yes/no》
yesと唱えメルフィーに権限を与える。それと同時に使い方も頭のなかにインプットしてくれるので、俺がわざわざ教える必用はない。
メルフィーはありがとうとジェスチャーしながら召喚したご飯を必死に掻き込んでる。よほど満足に食べさせて貰えなかったのだろう。
あいつら本当に勇者なのか?
勇気ある者であればどんな奴でも勇者になれるのか?
まあいい。新しくメルフィーが仲間になったことで多少計画を変更せねばならない。




