第18話 第一回 王国会議
ーブレランド王国 王城 会議室ー
「今回、皆様にお集まりいただいた理由はご存知かと思いますが、この国に近くのダンジョンのことです。
このダンジョンは報告によると国境線を越え僅かなところにあり、所有権の主張は容易であると言えます。
危険な点は、長く見積もったとしてもこのダンジョンは発生してから1年もたっていないという点でしょう。なのにも関わらず、このダンジョンの犠牲者は4桁にのぼります。」
「4桁!?そんなにいるのか?
というかいつの間にそのような数が入ったんだ?そんなに被害者が出ればかなりの話題になる筈だぞ?」
「ご存知にならなかった理由は、例のチンピラ貴族が隠蔽し、秘密裏に事を進めていました。そして、関係者には悪質な口止めを行い、自らの手中に納めようとしたからです。」
「全く忌々しい… まあいい。取り敢えずダンジョンの掌握について考えるか…」
「あっ、その事につきましては、私に報告すべきことがあります。
例のチンピラ貴族とのダンジョン攻略に参加していて、唯一の生き残りのカルロスという者からの報告によりますと、侵入した兵士が時間がたつにつれ不調を訴え、チンピラ貴族も同じような症状を訴えたため、比較的速やかに撤退の指示が出たそうです。しかし、一度閉めたあと、閉じ込められていないことを確認していた筈の扉が開かず、攻略部隊の、カルロス以外が死に絶えました。それに対して注意しなくてはなりません。」
「毒か?」
「恐らく。カルロスがDMとの会話…というよりも一方的な宣言だった によると彼はDMによって特別に命を助けられたらしいです。 そして彼は、結論からいいますと、ルールを作るからそれを守れ、破ったら侵略する と伝えられたとのことです。」
「一応そのルールとやらを確認はさせるか。まあ、律儀に守る必要も無いだろうがな。所詮は虚仮威しだろう。
勇者たちに攻略させよう。あの者たちは確かスキル 毒耐性 がある筈だ。それに実力も申し分無い。」
「しかし、万が一勇者たちに何かが起こっては不味くないか? 彼らは数十年ぶりのこの世界出身の勇者であろう?」
「その時はまた召喚すればよかろう。 王よ、よろしいですか?」
「うむ。よきに計らえ。」
「わかりました。至急手配します。」
会議が終わり、会議室から次々に退出していく大臣をはじめとする国の重鎮達。
「まったく。若いDMが調子に乗りおって。」
王以外に誰も居なくなった会議室に声が響いたこの瞬間、田中のダンジョンへの攻略が決定した。
豆知識
ここら辺の国々は金銭的、名誉的な野心はありますが、領土的野心は少なく、国と国の間にどちらにも属さない土地(金にならない)があるのは彼らにとっては普通のことです。
チンピラ貴族ことティーン親子はその悪名が国のトップまで広まっており、一切の敬意は払われません。




