第12話 冒険者になろう 後編
絡まれるのかなと考えてはいたが、本当に絡まれるとは思わなかった。 急遽、スキル 完全看破 を獲得し彼のステータスを確認した。 その結果十分今の俺のステータスでぼこぼこに出来るようなので早速戦おうと思ったが、まだ攻撃する名目がないので、もう少しだけお話をしてから実力行使と行こう。
「あの、冒険者って何歳からなれるのですか?」
取り敢えず彼を無視して受付嬢に確認する。
「はい、15歳以上という決まりが有ります。ですから貴方は登録が可能です。」
スキル 完全看破 が発動して俺に 鑑定 が使用されたことを伝えた。
完全看破 では全ての個人情報が確認できたが 鑑定 を人間に使用する場合は名前と性別、年齢しか見えない。
結局俺は問題なく冒険者になれる。
「だそうだが? それにそもそも冒険者として生活出来ると確信してるから登録しに来たんだ。 心配ご無用だよ」
「ほーう じゃあテストしてやる…よ!」
いきなり長剣を振り下ろし攻撃してきたが完全看破を獲得した俺には通用しない。 ほんの少しだけ服を切らせつつその攻撃を避けて周りから聞こえてくる悲鳴を聞き流し、例の魔力銃を取り出し四肢を撃ち抜こうとした時にササエルが警告してきた。
《このまま戦闘になっても勝てますが、勝ったときにレベルアップします。 するとDPによるステータス増加がその分できなくなり無駄になってしまいます。 まず全ステータスを5,000まで上げ、そして手加減するべきです。 さらにスキル 成長速度上昇 と 成長率上昇 、 銃使いLV1 の獲得を推奨します。》
俺はササエルに従った上で反撃に移った。 まず利き手を撃ち抜き、相手の武器を落とさせた。 そしてそのまま残りの四肢を撃ち抜いた。 この間僅か2秒、ステータスに頼った早業である。 ポーションがある世界だからよかったものの、本当なら一生寝たきりだ。 まあ実行犯?の俺が言うのもなんだけどね。
床で唸っている…チンピラでいいか、チンピラに
「これでいいかい?テストとやらはこの ピー (大問題になりかねない不適切な表現なので伏せさせて貰いました。)。」
答えるどころではないチンピラの懐から慰謝料として有り金を貰う。 ササエルによると正当な理由がある場合は強制的な徴収が可能との事。 彼の有り金は1億円もあったから…貴族かな? トラブルの予感がするが今は無視だ。 俺が現金を徴収するのを見た受付嬢が、
「お待ち下さい、確かに彼が一方的に襲いかかり貴方の服を切りましたがそれは高くても10万円でしょう。 全額、1億円も持っていくのは幾らなんでもあんまりです!」
鑑定 を使って俺の服の価値を大体把握したようだ。 俺の服はササエル謹製でそれなりに特殊効果をつけている。
「ああ、普通ならな。 だがこの服は俺が昔商人に騙されて7,000万円で買わされたものでね。 その利息を含めて1億円位だから正当な金額なんだよ。」
真っ赤な嘘だがここにはそれが嘘だと証明できる人がいないので問題ない。
「そうですか…わかりました。 そういう事にしておきます。 冒険者登録ですが、必要事項の記入は…終わってますね。 では先ほどDランクのティーンを鎧袖一触に倒した事を考慮して本来Gランクからスタートのところ、Eランクとして登録を…しました。これが冒険者用身分証明カード略して冒険者カードです。 あと、細かい規定は入り口横の掲示板に書いてあるので読んどいて下さい。」
軽く会釈した俺は真っ直ぐ帰ることにした。今日は疲れたし悪い予感がする。DMはどこからでもダンジョンに帰還のみだか瞬間移動ができる。 誰もいないのを確認して…帰還する!
ーそのほんの少し後、ギルド内にてー
たまたま息子の様子を見に来た父親は息子の惨状を見ることになった。
「ティーン!ティーン!しっかりしろ!ええいお前らっ!早く回復魔法かポーションを!くそっ!誰がティーンに、ピラー侯爵家の人間にいいぃぃ!」
修行させるために冒険者になるよう指示し、金で動く冒険者に高い金を払い慎重に強く育ててきた、その息子をやられた父親は、その犯人を殺すことを決意する。 そしてその者の名前はすぐに彼に伝えられる…全所持金を持っていった事と共に…
ティーン ピラー チンピラから名付けました。 ティーン ピラー→ティンピラ→チンピラ
チンピラって単語あったっけ?混乱してきてしまいました。
豆知識
完全看破とは、スキル 鑑定 推理 干渉察知 危険察知 索敵 悪意察知 を全てレベルMAXにした時に獲得出来るスキルで、その効果はそれらを統合したもの。 ステータスを確認する際、スキルの数が多くなり過ぎると見にくくなるので、見やすくするためのもの。
成長速度上昇
獲得経験値2倍
成長率上昇
LVアップ時のステータス上昇が本来の2倍
銃使いLV1
銃の使用時、LV×5%全ステータス上昇(上限レベル10)
魔力銃は昔、ササエルが送り込んだ勇者が田中の下位互換を制作し広めた過去があるので彼の魔力銃はそこまで驚かれない。




