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#2 グループ指導塾

八月。夏休みの中盤にさしかかる。軽音部の練習も始まり、のんびり生活には終止符を打つのが定石である。

8月2日。普通に部活から帰った夕方のことだった。

「隆くん、塾行かないー?」

と言われて行くって言う奴はそうそういない。

「講師と生徒が1対2って形式のグループ指導塾なんだけど、予約制だし緩いから隆くんにどうかなー?って。」

講師はどこ大学だ?

「東大S1(医学部)卒で現在23歳の女性の先生!」

紹介してくれ。


塾とのコンタクトが早かったのか、今から直行で入塾手続きを行うらしい。新浦安駅のイオン。自宅からのアクセスは悪くないな。ふむ、オフィスみたいに綺麗。面接は校長先生か。

「君が舞崎君だね。私は校長の芦田(あしだ)です。では手続きの前に舞崎君のことについていくつか質問。」

芦…。既視感。

「お母様から基本的な情報は聞いてるんだけど、まず苦手な科目を教えてください。」

「ないです」

「強いていえば?」

「生物」

因みに生物の期末テストは満点である。

「では生物の一日の勉強時間を教えてください。」

「0」

「あちゃー。では当塾で少しずつ改善していきましょう。続いて舞崎君の一日の生活を適当に聞かせてもらえますか?」

なるほど。

「朝起きてキャラメルアイスを食べます。学校に行って部活行って帰ったらキャラメルスイーツ専門店に行きます。帰宅後、読書をしながらキャラメルマキアートを飲みます。寝ます。」

「キャラメルやけに登場しますね。勉強はどの時間に?」

キャラメルは命である。

「早朝」

「それはいいですね。朝型の人は勉強の効率が良いと言われています。」

勉強はほとんどしてないけどね。

「では、入塾を前提にいらっしゃったということでしたら体験授業を受けて頂けますか?」

体験授業。大抵の塾で行われている売名行為だ。ここの授業の質についても興味がある。

「はい」


結局とある個別ブースに誘導され、講師がくるまで待たされた。てか、隣のスマホいじってる奴も体験か。ん?

「「なんでここにいるの?」」

つい最近裸を見た人がたまたまグループ指導塾の体験授業で隣り合わせ。やっぱり運命の人である。

「私は前の塾やめてここ勧められたから。」

前の塾よっぽどスパルタだったんだろうな。

「で、隆斗くんはどうして?」

利害の一致があったから。

「な、なに??」

「今日リップ付けてる?」

「付けてる…けどなに?」

めっさ似合わねぇ。あ、あれが講師か。いいね、美人東大講師。

「あ?君達体験?わたち今日の担当。村上(むらかみ)。生物担当。よろしくっス」

これが東大か。志望校ハーバードにしておこう。いや海外はゴメンだ。敢えての京大。

「そこの女の子生物すっごい苦手なんだって?大丈夫、今から完璧にしたる」

「そ、それはどもです…。」

さてと、教材は既に終わらせたし休むか。

「男の子、勉強時間ゼロなんだって?だめじゃん!だからこんなっ…に…」

東大卒をハッと言わせる課題音速攻略。

「よし!男の子東大目指せ!わたちより才能あるよ!」

そりゃ嬉しいぜ。でも東大はやめておこう。

「できました!でも問4のゲノム法則がわからないです…」

音聖、それは子の代に不可逆法則が働いてるから遺伝だよ。

「それはねぇ、子の代にぃ不可逆法則」

「が働いてるから遺伝ですね!ありがとございます!わかりました!」

これじゃボクが講師みたいじゃないか。まぁいいや、美人講師と近距離でお話ができるんだし入塾確定だな。


「まさかお二人さんお知り合いだったとはねぇ。今親御さん達と面談してたところなんだけど、入塾手続きをこのままします?」

後で音聖の親御さんに挨拶するか。

「ぜひぜひ」

「じゃあボクも」


結局同時に入塾手続きをした。なんか幼なじみみたいで少し照れるけど、一応相方なんだし思い切って挨拶するか。

「あら、そちらが音聖の彼氏さん?」

早い。

「はい。お世話になっております」

「こちらこそうちの音聖をよろしくね。な、なんか変なことしたりしてない?音聖、ちょい変人だからさ。」

十分変なことをしてされてますね。

「問題ないですよ!順調にお付き合いさせて頂いてます」

「それならよかった!今後もなんかあったら言ってね。」

はーい。


「ねぇ、超ニズム行こうよ」

もう6時を回っている。でもイオンとかなら大丈夫だな。

「いいよ」

「へへっ!せっ⚪すせっ」

性欲爆発してるな。夜道気をつけよう。

虹レ同士のマッチングともあって楽しみ甲斐のある選曲だ。ただイオンってこともあるからかなり目立ってたのが痛いな。


芦原(あしはら) 姫音(にんね)さん。とてもいい人柄で他人思いの優しいお母様。一方娘の音聖はというと性欲の塊だし私服ダサい。けれどもキャラメルの契約や意気投合によって今も関係が保たれている。なんか不思議だな。

そういえば来週には浜松旅行がある。参加者はボク、柊念、瑠車、真弦くん、音聖、楓織、根岸、凪那。なんといっても全員が全員カップルだという定番だ。因みに瑠車と根岸、真弦くんと凪那が結ばれているのだ。いい感じだな。さてと、性欲の塊も帰ったことだしキャラメルマキアートを買って帰るか。


あ、音聖宇宙に忘れてきた。テレポートッ!

次回「浜松旅行-1」

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