1人目の旅人と2人目の旅人
旅はいい
いろんな出会いが僕をつくっていく
・・・でも、僕はどうして旅を始めたんだったけ?
地球とは違う世界カラーズ
カラーズの赤の国に勇者候補として召喚された僕は口八丁手八丁、上げたり落としたり脅したりでこの世界を自由に旅ができるように取り計らってもらったので地球にいたときと同じように旅をしているのだ。
そして赤の国・赤龍の都にて僕の旅に仲間が加わったのだった。
「ねえねえ!君ってなーんか私たちと違う気がするんだけどいったい何者なの?」
いきなり話しかけてきたのはうさ耳を頭から生やし、体中に鈴を身に着けた白い少女だった。この赤の国ではめったに見ない白い色に僕は目を奪われた。
そんな僕をいぶかしげに見ながら少女は再び問いかけてきた。
「おーい?聞いてる?」
「あ、ああ、すみません。この国ではあまり白を見なかったものでつい眺めてしまいました」
「そうなんだ!まあ私はもともとこの国の出身じゃあないからねー。今はいろいろあって国を旅してる途中なんだー」
「へえ、偶然ですね。僕も旅をしている途中なんですよ。まあ目的を忘れた旅ですけどね」
「目的を忘れたの?元々ないんじゃなくて?」
彼女は笑いながらそう言ってきた。その見た目とは裏腹に結構厳しい性格なのかもしれない」
「元は目的があった気がするんですよ。でもその目的が達せられないままに旅が続いて、いつの間にか旅をしていればそれでいいやと思えるようになってしまったみたいなんですよ」
「あー、そういうこともあるのかな。私もそうならないように気をつけようかな?ところで私の質問の答えはまだなのかな?」
「おっと、ごまかせなかったですか。まあ答えなんて簡単で、僕は異世界から呼ばれた人間でこの世界の人たちみたいに100%魔力で構成されているわけではないからですよ。たぶんね?」
「へえー、じゃあ君は異世界の旅人なんだ?世界を旅するなんてすごいね!」
少女は鈴を鳴らしながら手を叩く。その後も僕たちの話は弾み、彼女を手伝うために赤龍の眠る獄炎谷に向かうのだった。
「ところであなたの名前を聞いていなかったんですが教えてもらえますか?」
「私は白うさぎ、白の国から魔剣を求めて旅をする美少女だよ!」
「僕はトール。目的を忘れた旅人だ」
「さあ!私たちの旅は獄炎谷から始まるよー!」
「始まってすぐ終わらなければいいんだけどね」
2人の旅は赤龍の都から始まった。
そして世界の異変に気づき始めることになる。
トールの異世界旅行記
第1話
炎剣・バースト より抜粋