第4節-一江の月-
「……ん……」
楓が目を覚ますと、そこはどこかの森
鳥の鳴き声が耳に心地よく……
「じゃなくて……ここは……?」
楓は地面に寝ていた場所から体を起こす
すると楓はの目の前に両膝を屈め
その膝に両肘を置いて笑顔で楓を見ている雪花がいる
「……雪花さん?」
「おはよ、大丈夫? どこも痛くない?」
「あ、はい……大丈夫です」
「そっか、じゃあ……とりあえず町を探そうかっ」
「え? あ、あの……雪花さん」
「雪花で良いよ、というか一心同体みたいな物だし仲良くしよ」
そういうと雪花は楓の膝の上に雪華・花月 を置く
それに右手で握りながら楓は立ち上がり、左手で土が付いたお尻をはたくと
一息付き……雪花に詰め寄る
「ここはどこなんですか?! それに私はどうなっちゃんですか?!
明日から学校なのに帰れるんですか?!」
「えっと……とりあえず、落ち着いて」
雪花は楓の詰め寄りに驚きながら両手を前にだし、静止させるとその場で腕を組む
楓は雪花が話を始めるのを待ちながらも雪花から離れない
しかし……楓はある事に気付く
『あ……れ? 雪花さ……雪花って足あったけ……?』
楓は雪花の足を見る、モデルのような細い脚で美脚とも言っていい
そんな雪花の足なのに、何故か裸足
『なんで服着てるのに裸足……』
楓はそこを心の中で突っ込む、その姿勢に気付いた雪花は微笑みながら楓に話す
「もしかして、私の足に見惚れちゃった?」
「あ、いえ……綺麗だなって」
「ありがとっ、あ、でも……良いの? さっきの事は」
「教えてください!」
楓は雪花の顔に顔を近づけ、涙目で詰め寄る
すると雪花はゆっくりと説明を始める
「とりあえず……ここが『一江の月』ね
楓はその刀のお蔭で、この場所に飛んできた? ってことになるの」
「え……」
「それと、がっこう? ……勉強する場所かな? そこは諦めて!」
「は? 諦めて? 戻る方法はないんですか?! 飛行機とか……」
「ひこうき? 何それ……というか楓、この森からでればわかるけど
楓が知ってる、えっと……ああ、『江戸時代』と似たような場所だから」
「何を言ってるんですか?」
「まぁ、見たほうが早いわよ」
雪花は動揺してる楓の左手を取り走りだしながら一人、心の中で思う
『……なんか懐かしい感じがする……前に来た事あるのかな……』
そう思いながら走り続け、森からでるとそこには人が住んでいる所があった
大きさや木の掘立小屋みたいな物が等間隔に置いてあり、どれも1階建て……
その数は少なく、村と言ってもいいぐらいの人口
そして村の中を歩いているのは茶色の浴衣みたいな着物を来た人々
「ね? 見てわかったでしょ?」
「……」
『これは夢よね、そう夢……ここも江戸村とかそういう所で
雪花の仕込みとかそういう系のお仕事の人、うん……絶対そう』
楓は1人頷き、雪花に話かける
「雪花……ここはなんて村なの?」
「知らない」
「え……知らないって……」
「だって私も一江の月始めてだし」
「……え?」
「私記憶喪失みたいなんだよね、ほとんど覚えてないもん」
雪花は舌をだしながら楓に笑顔を見せる
その顔に唖然としたまま楓は肩を落としてると
男性の肩に肩がぶつかる
「ってな……気を付けろ」
「あ、すみません……」
その瞬間、楓の後ろから悲鳴のような声が聴こえる
「ひぃ……お、俺が何をしたって言うんだよ」
「……自分のした事わかってるの? 人の物盗んだの」
楓と雪花が後ろを振り向くと緑と紫の浴衣らしき物を着た女性と
地面に座りこんで女性を見上げると男性
その女性の手には楓の財布がある
「あ、私の財布……」
「さっきの男ね……私が気付かないのが悪かったけど……」
「うるせぃ……盗まれるほうが悪いんだよ!」
男性は立ち上がり、女性に殴りかかろうとした時
男性の首元にナイフのような短剣が首元にある
「……悪い? 馬鹿も対外にしないと首かっきるわよ?」
女性は笑顔で男性にそういうと男性は走り逃げ出してしまう
その光景を見ていた楓に女性は近寄り、笑顔で話かける
「これあなたのでしょ?」
「あ、はい……ありがとうございます」
楓は花月を右手で握りながら、左手で財布を受け取りお礼を言う
しかし……その光景を見ていた雪花は楓の顔を見ず、女性の短剣を見ていた
『やっぱり……この短剣……春閃?
でもあれは2本セットのはず……どうして1本だけ?』
しかし、楓はそこである事に気付き、雪花に小さな声で言う
「ねぇ、雪花……私のお金ってここで使えるの?」
「使えないと思うけど……」
楓は『1人』で独り言のように呟いてる光景を女性は微笑みながら見た後
楓の右肩を叩き、楓を振り向かせると笑顔で楓に言う
「もしよければ私とご飯でもどう?」
「え、でも……私、お金なくて……」
「大丈夫、大丈夫、私が奢ってあげる……これも何かの『縁』だしね」
そういうと女性は歩き出す
その女性の後ろを楓と雪花が続くが……雪花は難しい顔をしていた