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春夏秋冬・季節刀とその物語  作者: てぃあべる
36/61

第36節-託される思い-

「どうしたどうした……その程度かよっ!」


男性の連撃を刀で防げながら雪花は徐々に後ろ下がる

だが……その行動に気付いた者が雪花に話かける


『……いいですよ、その役目、僕と相棒が引き受けます』


「……それはしない事にした、だから……安心して」


『安心? 刀は使われて始めて意味を成す、散っていった共達も

 あなたを恨む事なく……気持ち良く最後を迎えたはずです、だから……』


「で、でも……!」


『……成すべき事を成す

 そして目の前の人物に勝つために勝ちを信じている僕を使って』


「……ごめんね、戦速」


『いいですよ、ただし最後はかっこよく散りたいです』


「了解」


雪花は戦速の言葉に従い

男性の右手からの刀を弾くと右手の短刀・戦速で突き刺す

しかし、それを読んでいた男性はその短刀を刀で受け止める

その直後、雪花は後ろに飛び退き、左手の短刀を投げる

だが……それも男性の刀によって吹き飛ばされ、遠くに突き刺さる


「はっ……苦し紛れに投げた短刀も無駄に終わった、これで終わりだっ」


男性はそのまま左手の刀を雪花に突き刺すと、また雪花は後ろに飛び退く


「またそれかよっ……芸がないなっ」


男性はそれを読み、右足を踏み込むと右手の刀を雪花めがけ突き刺す

しかし、それは届かない……その男性の行動に微笑んでいる雪花に

男性は微笑み返し、今度は左足を踏み込み……左手の刀を突きだす


「もらったぁ!」


だが……その一撃は雪花が左手で持っていた刀によって防がれる


「残念……」


その刀は長刀でも短刀でも脇差でもない

それは……


『……打刀『葛霧(くずきり)』、押してまいる』


「……まさか、俺をここまで誘導したのか?」


「さぁね」


雪花は微笑みながら動揺してる男性の刀を払い

右手の短刀を突き刺す


「ちっ……」


男性は咄嗟にその短刀を右手の刀で叩きつける

そうする事で武器を粉砕するか、叩き落とす事で相手の戦闘力を削れる

常套手段として使う者は多い、しかし……雪花はそれを利用した


「ごめんね、戦速」


男性によって叩きつけられた戦速に耐久力はなく

雪花が手を離したと同時に刃は折れ、柄と共に地面に落ちる

その瞬間、雪花の耳にかすかに声が聴こえた


『大丈夫、さぁ……僕の分まで……葛霧……頼みました』


男性の叩きつける動作の隙を付き

雪花は右手の刀で男性を斬りつける

しかし……その一撃は男性の左手の刀によって防がれる


「あめぇよ……」


「そう……それは残念」


男性が微笑んだと同時に雪花は自分の足元にある

刀を引き抜くとそのまま男性を斬りつける


「……ま、まさか……ここまで予測し……て」


「ええ、その通りよ」


倒れていく男性を見ながら雪花は自分が相手を斬りつけた刀を払い血を飛ばす

そして、その刀を見ながら……雪花は両目を閉じ言う


「やっぱり……これが一番、私に合うわね」


『そうか、我は脇差『千払(せんばらい)』よろしく頼む』


「ええ、さて……最後のボス退治といきましょうか」


雪花は右手に脇差、左手に打刀を持ち……楓を捕まえている大男に歩み寄る

すると大男は楓を突き飛ばし、腰から大太刀を引き抜く


「……あんた……今、楓を突き飛ばしたでしょ?」


「あん? あんな女捕まえてたまま死にたくねぇからな」


「あんな女?」


その時の雪花の声と顔は見ていた楓も怯えるほど殺気全開と言った感じ

その殺気のまま、雪花は大男に歩み寄っていく


「……だがな、嬢ちゃん、俺はあいつ等ほど甘くねぇ……」


「あっそ」


雪花は一気に駆け出し、大男を刀の射程にいれると打刀で斬りつける

だが……それは軽々と男性の大太刀によって防がれる


「だから甘ぇと言っただろ」


大男は雪花を見下ろすようにそう言うと、右足で雪花の腹を蹴る

それに対応できず、雪花は後ろに吹き飛ばされるが踏みとどまっている


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