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春夏秋冬・季節刀とその物語  作者: てぃあべる
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第12節-賭けの内容-

「え? え?」


楓は困った様子で3人をキョロキョロと見ると

牡丹が罰の悪そうな顔で楓の方を向くと言う


「あのね……楓ちゃん……あのね……」


「どうしたんですか? 牡丹さん」


「えっと……」


「?」


楓は牡丹がなぜ困っているのか理解できず

首を傾げると雪花が唾を飲み込み……楓に言う


「楓……今お金ないよね?」


「う、うん……」


「だから、内容はともかく手っ取り速くお金を稼ぐ方法があるの」


「さっき春菊さんが言ってた『賭け勝負』の事だよね?」


「ええ、でも……楓にだせるお金がない」


「うん」


「だから、楓の『体』なり『服』なり賭ければいいって事」


「え……」


雪花が言いたいのは簡単な話で……ようは自分の体を賭けの対象にすればいい

もちろん女の子で珍しい服を着ている子は少なからず注目は浴びる

それを利用して、相手にはお金を自分は服なり体なりを賭ける

だがそれには1つとても大事な事がある


「……えっと、私がその相手に負けた場合って……」


「素っ裸かまたは奴隷ね」


春菊は半分ぐらい開いた目で横を向きながら楓の言葉に答える

それを聴いた楓は黙ってしまう中、牡丹と雪花は気を利かせ楓に言う


「危ないというか1つ間違えれば大変な事になるんだから

 楓ちゃんは無理しなくてもいいからね」


「そうそう、無理するのはこの牡丹でじゅーぶんだから」


「……私はいいのね」


「え? 当たり前じゃない?」


雪花は『何言っての?』と言った顔で牡丹の顔を見ると

牡丹は『……そうね』と苦笑を浮かべながら答える

しかし、春菊だけは2人の言葉を無視して楓に言う


「で、どうなの? やるの? やらないの?」


「……やります」


「楓?!」

「楓ちゃん?!」


「本当にいいのね?」


「はい」


「そ、じゃあ……賭けの立会人はそこの牡丹にやってもらって

 武器は私を使うといいわよ」


「……え?」


楓は春菊の言葉に驚いた様子で声をあげる

もちろん、その意味は他の2人にも理解でき、牡丹が春菊に詰め寄る


「どういうこと?! 楓ちゃんが短刀使えるわけないでしょ?!」


「……使えるじゃないかしら? というかその脇差1本じゃ

 この先不安だし、ある程度の武器になれるにはいい機会でしょ」


「それはそうだけど……雪花はそれでいいの?」


「楓がよければ……」


雪花は困った顔で楓の顔を見ると楓は笑顔で雪花に『大丈夫だよ』と言う

その笑顔に驚きながらも雪花は楓の意思を尊重し、春菊の意見を受け入れる


「でも、とりあえず明日からね、外はもう暗いし、それにお風呂入りたい」


牡丹は立ち上がり背伸びをすると、楓に右手を伸ばし笑顔で言う


「とりあえずお風呂いこ、ここ露天風呂で気持ちいいから」


「あ、はい……雪花達は?」


「さすがに刀をお風呂に持ってくのは危ないから脱衣所までかな……」


「あ、なるほど」


そう言いながら楓は立ち上がり、牡丹の後を付いて行こうとするが

雪花は慌てて楓の前に立ち言う


「ちょ、ちょっと……もし刀を盗まれたらどうするのよ!」


「それは問題ないんじゃない? この宿、泊まってるの牡丹だけだし」


春菊は腕を組みながら雪花を横目に言う

しかし、雪花は納得がいかない様子でほっぺを膨らましている

そんな時、牡丹が『あ』と声をだし3人に『ちょっと待ってて』と言うと

部屋を出て、どこかに行ってしまう


そして数分後、3人が部屋で待ってると牡丹が戻ってきて笑顔で言う


「大丈夫だって、お風呂の中に入れなければ『護身用』にどうぞって」


「本当ですか?」


「うん、宿屋の女将さんに了承も取ったし、これで大丈夫だね」


「よかったね、雪花」


「そうね……」


雪花は罰の悪そうな顔で楓の言葉に頷くと4人はお風呂場の脱衣所に向かう

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