◆エピローグ
『奏ちゃんへ
初めて出逢った夏の日を、おぼえていますか?
まぶしいあの庭で、水をまくあなたを、わたしはずっとみつめていました。あなたがわたしをみつけるよりも早く、わたしはあなたをみつけていたんだよ。
めぐり逢わせの奇跡を、わたしと一緒に信じてください。
たとえ、生きることが、痛みをともなうものだとしても。
わたしはあなたに出逢うためなら、何度でも、この世に生まれてきたいと切望します。
満月みたいにやさしいあなたがいれば、わたしはきっと、道に迷うことなどないと思う。
愛しています。
はなより』
Fin.
最後まで読んでくださって、本当にありがとうございました。城 マリカです。(*^^*)
『輪廻』の章の作中劇〝瑠璃の舞〟が、この小説の一番の花です。〝瑠璃の舞〟は、お友達であり敬愛する童話作家・夢路望様が、この小説のために書き下ろしてくださった短編です。
地の文は最低限必要な描写をわたし流の書き方で綴り、物語展開と台詞部分は夢路様の作品からそのまま使わせていただきました。
この素晴らしい短編をぜひとも作中に生かし、精一杯コラボをきわめたい一心だったのですが、技量の足りなさに悶えました。
本作が誰かの心に残ったとしたら、それは夢路様の作品の力によるところが大きいと断言します。ぜひ、夢路さんのサイト『白銀の月』へ飛んで、本家本元〝瑠璃の舞〟の甘美さに酔いしれてください。
白銀の月
http://nanos.jp/hakuginnotsuki/
作中にしばしば出てくるドビュッシー『ヒースの茂る荒野』、作者自身のピアノ演奏動画をブログ(http://ameblo.jp/marica-castle/entry-11710251135.html)で公開しています。興味がございましたら聴いてみてくださると嬉しいです。
多くの方々に支えられて、完結を迎えることができました。心より感謝いたします。
お忙しい中、作中劇を書き下ろしてくださった夢路望様にも、重ねて厚くお礼申し上げます。本当にありがとうございました。