プロローグ

赤い、まずその目に魅入られる。自分よりも何倍も高いその目を見る。

次に体。竜のような、狐のような、狼のような、形容しがたい体は、白い毛で覆われている。

その迫力に僕は声も出すことができない。

これはなんだろうか、獣？わからないけど違う。

赤い目と目が合う。冷や汗が噴き出る。体が硬直する。

赤い目の下の口元が動いた気がした。しかし、何を発しているのかは分からない。

口元の動きが止まった途端それは霧に紛れるように消えた。

あれは…

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