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序章
「■■■■■」
無意味な音だ。僕らが認識している言葉というものは、それに意味を見つけ出す事が出来なければ、ただの無意味な音でしかないのだから。
「■■■■■!」
うるさい。黙れ。そう叫びそうになるのを我慢し、雑音の発生源へ顔を向ける。
「■■■■■!」
そこにいる人の形をした物体。邪魔な音源。相容れぬ存在。消したい、これを消してやりたい!そう強く思う。念じる。
「■■■!■■!」
断末魔とでも言うのだろうか。耳を塞ぎたくなるほどの絶叫の直後、その音源の輪郭が急激に歪む。首は捻れ、四肢は骨など無いようにぐしゃぐしゃに曲がる。そして、体の中央に急激に収縮、跡形もなく消えてしまった。
やっと静かになった。そうして僕は目を閉じ、夢の中へと落ちていった。