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楓とヨッシー

本当にヨッシーは絵を描く為に生まれて来たんじゃないかと思うほどの執着ぶり。

 そんなヨッシーを見ていると、何か不安に思ってしまった。

 さっきのお好み焼きパーティーのヨッシーはどこに行ってしまったのか?

 気がつけば、僕は小説を書くことに執着してしまった。

 それほど、僕に取って不安な事でもあった。

 確かにヨッシーの絵は凄い物だと思っている。

 でもこのままじゃ、いけないような気がする。

 けれども、それは僕のエゴなのかもしれない。ヨッシーは絵を描く事に熱中して行くことが生きがいになってしまった。

 そんなヨッシーの生きがいを失わせる事は本当にエゴだと思う。

 僕はヨッシーの事が大好きだ。

 そんなヨッシーがサヴァン症候群でどこか遠くに行ってしまうんじゃないかと思うと、僕はヨッシーの恋人として不安に思ってくる。

 それは何度も言うようだが、僕のエゴだ。

 でもエゴだと思っても、ヨッシーが僕の目の前から消えてしまうのは嫌だ。

 どうして、ヨッシーはサヴァン症候群でこんなにも絵がうまくなり、それに絵に没頭するくらいになってしまったのか?

 僕はヨッシーにアイパットで絵が描ける事を教えなければこんな事にもならずに済んだかもしれない。

 改めてヨッシーの方を見ると、やっぱり何かに取り憑かれたかの様にアイパットに絵を描くことに熱中している。

 するとゆっこが、


「何パイセン小説の手を止めてヨッシーの事を見つめちゃっているんすか?」


 突然、そんな事を言われて僕は気持ちがあたふたとしていた。


「べ、別に」


「後文化祭は明日です。それまでに一つでも良いから、ヨッシーがパイセンの小説のシーンを元にしている絵の小説を書いて下さいっすよ」


「うん。分かった」


 そうだ。ヨッシーは僕の小説を元にして絵を描いている。

 ヨッシーが僕の小説のシーンを描くのは僕の小説しかないんだ。

 だから案ずる事はない、ヨッシーはどこにも行ったりはしない。

 とにかくヨッシーの友達のゆっこの言う通り小説を書くことにした。

 僕は気分が萎えると、小説を書く意欲がなくなってしまう。

 僕の小説の感想欄を見てみたけれど、調子に乗らなければ、良い小説は書けないと聞いたことがある。

 だから僕は小説を書くことに調子に乗らせて貰う。

 だからヨッシー僕の自信作の小説を元に絵を描いてくれ。そしてこれからもよろしく。

 僕は多分サヴァン症候群にはなれない。いやなりたくない。そうなったらヨッシーを守る事が出来なくなってしまう。

 僕は小説を書くためのタブレットのポメラで書いて、書いて書きまくった。

 僕とヨッシーのユートピアとも呼べるこの美術部を潰される訳にはいかないのだ。

 ヨッシーは今携帯を見ていて、僕がネットにあげた小説を読んでいる。

 そうして読むのも速く、携帯をしまい、アイパットで絵を描いている。

 とにかくヨッシーは本当に楽しそうに絵を描いている。それで良いのだ。ヨッシーが楽しければ、僕も楽しい。

 思えば、僕とヨッシーが知り合ったのは僕の小説であり、ヨッシーがこの学校の全クラスの人を検索して、僕が柴田盟だと言う事を知った。

 そして僕の小説を最初はバカにしていたが、そうではなかった。僕の小説が彼女に取って好ましい事を知って僕とヨッシーは色々な事があったが、付き合う事になった。

 さらにヨッシーは絵を描く事に興味を持ち、共にアイパットを買って、絵を描くことになり、まさかヨッシーがサヴァン症候群になって、僕の絵を超えてしまった。

 その時は複雑な気持ちだったが、僕には小説がある。それに僕には小説があり、才能もあると思っている。

 才能がなければ、僕の小説を見てくれるネットの人達はいないだろう。それに何百通もの感想が送られて来ている。

 それを見るために、僕のやる気は出てくる。

 それに僕が描いた挿絵も小説の内容の中に盛り込んでいる。

 でもヨッシーの絵には敵わない。

 悔しいけれど、僕はそれで良いと思っている。

 けれどももし、ヨッシーが僕以外の小説を見て絵を描かれたら、僕はショックを受けてしまいそうになってしまう。

 それはまさに浮気された感じがして嫌な気持ちになってしまう。

 そんな事よりも今、僕は小説を書かなければいけない。

 ヨッシーが僕以外の小説の絵をイメージして描いたって別に良いじゃないか。

 悲しいけれども、それはそれで良いと思っている。

 ヨッシーが僕以外の小説のシーンを描く事を僕は強制もしないし、むしろそうした方が良いんじゃないかと思っている。

 でも今、ヨッシーは僕の小説のシーンを絵で描いている。

 だから僕はもう書くしかない。

 でも本当に今はキーボードを叩く手が止まらない。僕は凄いスピードで小説を書いている。

 それにヨッシーもものすごいスピードで僕の書いた小説をモチーフに絵を描いている。

 そして気がつけば、もう日は暮れていて幸子が夜ご飯を作っていた。


「みんなご飯だよ」


 ゆっこが、


「マジで」

 シーマが、


「先輩の妹さんの料理っておいしいんだよな」


 島さんが、


「そうだよね」


 幸子の声はヨッシーに届いていなかった。

 それほどまで集中している。だから僕は。


「ヨッシー、幸子のご飯食べよう」


 ヨッシーが絵に没頭している時は僕以外の人に声をかけられるのが嫌なのだ。


「うん。分かったっすよ、先輩」


 そう言う事で今日は調理室で妹はご飯を作っていて、何と今日はカレーライスであった。


「料理研究部の人達に言ったら、一つ使わせてくれるスペースを分けて貰ったの、ちなみに料理研究部の文化祭の物はカレーライスを作る事になっているみたいで、うちは作らせて貰った」


 そう幸子が言うと料理研究部の一人が。

「幸子ちゃんだっけ。幸子ちゃんの料理って凄くおいしいのよ。さっき味見していたけれど、これがまたおいしいのよ。だからあたし達みんなは幸子ちゃんが作るカレーを出すことに決めたのよ」


 いつの間に料理研究部の人達と仲良くなっていたのか幸子。

 この一週間幸子に料理を作って貰って僕達は本当に良かったと思っている。

 幸子が作る料理はおいしいと僕は思っている。だって毎日食べているからね。

 幸子が作ってくれたカレーライスを食べて見ると本当においしいカレーだった。

 幸子はきっと良いお嫁さんになれると僕は思っている。

 成績は優秀だし、クラスの委員長として、いじめもなく、クラスでは一目を置かれている。

 でも家に帰ると、僕とお風呂に、入ったり、僕と結婚したいとも言っていた。

 そういう所は治した方が良いといつも言っているのだが、妹は本当に可愛いけれど、ブラコンになってはいけないと思っている。

 カレーライスも食べ終わり、僕は小説を書き、ヨッシーはアイパットで絵の続きを描いている。それに幸子も加わって美術室の外の壁にあらゆる所までヨッシーの絵で埋め尽くしている。

 ゆっこが。


「マジでヨッシーの絵って最高じゃない。まさかヨッシーにこんな才能があったなんて思わなかったよ」


 それは僕も同じ意見だ。

 まさかヨッシーがまだ数ヶ月も経っていないと言うのに僕以上の絵を描いてさらにまるでヨッシーは絵を描くために生まれて来たような感じで絵を描いている。

 まさかヨッシーがサヴァン症候群だとは思いもしなかった。


「それじゃあ、仕上げをやっちゃおう」


 僕はみんなの前で拳を振り上げてその場を盛り上げた。

 するとヨッシー以外みんな拳を振り上げて「「「「「おう」」」」」と言った。

 文化祭は明日だ。

 僕とヨッシーのユートピアである美術部をなくす訳にはいかない。

 でもヨッシーはサヴァン症候群で、このまま美術部がなくならなくてもどこか遠くに行ってしまうんじゃないかと不安に思った。

 ヨッシーには絵の才能があってしかもサヴァン症候群で、我を忘れて絵に没頭している。


 そして文化祭当日。

 僕達の美術部に入るのは、一人十円となっている。ちなみに部長の第一美術室も一人入るのに十円になっている。

 どれだけお客さんを手にするかによる。

 僕もヨッシーもゆっこ達も制服を着てお客さんに見て貰おうと躍起になっていた。

 妹は友達を連れてきて、うちの美術室のお客さんになってくれた。

 入ってくるお客さんはヨッシーの絵を見て、凄く感銘を受けている人が多かった。

「凄い絵だね」「これ誰が描いたの?」「こんな素晴らしい絵はないと思う」等々、色々と黄色い声が聞こえてくる。

 本当にヨッシーの絵は凄いと思っている。しかも熟練者の僕の絵を凌駕している。

 それほど、ヨッシーの絵は僕やお客さんの心を引きつける何かを感じる。

 お昼になり、お客さんの数は十円玉を数えて見ると、丁度1000円になる位のお客が入ってきた。つまり1000円と言うとお客さんは百人入ってきたのだと言う事になる。

 お昼と言う事でゆっこ達は僕とヨッシーに気を使って二人きりで、お昼ご飯を食べて来なよ。と言われて僕とヨッシーは文化祭を回る事にした。

 とりあえず僕とヨッシーは部長の第一美術室に偵察に行くことにした。

 部長の第一美術室を見てみると、部長も僕達と負けずともお客さんが入ってきている。

 そして僕とヨッシーも入る事になった。

 美術室の絵を鑑賞するのは10円だ。

 僕とヨッシーで20円払って、中に入ってみると。それはもうヨッシーの絵と勝るとも劣るともしないほどの物だ。

 しかも部長はヨッシーと違って熟練者であり、その才能を僕は知っている。

 僕も一年の時、部長の絵に憧れた事があった。

 開くまで憧れであり、別に部長の事を好きになったわけじゃない。

 でも部長は僕の事が好きだったみたいだが、今は僕にはヨッシーと言う芳山亜希子と付き合っている。

 アイパットを持たないヨッシーは普段の普通のギャルみたいな女の子だ。


「ねえ、私達、勝てるかな?部長に」


 ヨッシーが部長の絵を見て不安そうに言う。

 そんな時部長と会って、


「何だ、お前等、私の偵察に来たのか?」


「はい、そうです」


 僕は本当の事を言ったまでだった。


「私もお前達のクラスの偵察に行った。見事な絵だったよ。お前の彼女はまだ数ヶ月も経たないうちにあそこまで絵を描いてしまうとは恐れいったが勝つのはこの私だ。予定通り美術部を廃部にするからな」


「どうして、そんなに私達の部活を潰す様な事をわざわざするんですか?」


「私を超えるような絵を描く人間がいないからだ。だから美術部を廃部にするのだ」


「私だって、部長の絵には負けていないと思っています」


「なら、決着をつけよう、まだ勝負の最中だ。どちらの絵が人を魅了するか」


「私、負けないっす。あの私の部室で飾られていたのは私と先輩の愛の結晶っす」


 おいおい恥ずかしい事を言うな。


「お前達の愛の結晶か?面白い、お前達の愛の結晶とやらをとくと味わったよ。これは勝負がどちらに傾いてもおかしくない展開だ」


「私は負けないっす」


「それはこちらの台詞でもある」


 そうヨッシーは言い残して僕達は部長の第一美術室を後にした。


「ねえ、先輩、せっかくの文化祭、今は絵と小説の事は忘れて、一緒に学校を回ろうよ」


「そうだね」


 そう言う事で僕は恋人のヨッシーと文化祭を回る事にした。

 文化祭は賑やかでお祭り気分な状態にさせられる。

 二週間にも及ぶ練習をしてきた演劇部の芝居を見せて貰っている。

 題目はオセロ、シェークスピアの四大悲劇の作品だ。

 二人で見て演劇部のみんなは本当に練習してきたんだと思った。

 他にも唐揚げ屋をやっているクラスや、クレープを売っているクラスなんかがあった。

 僕もヨッシーも楽しかったと思っている。

 早速、僕達のクラスに戻ると、ゆっこが、


「パイセンにヨッシー大変な事が起こった」


 大変な事と言うと何事かと思って嫌な予感しかしなかった。

 早速僕達の出し物の美術部に行くと、ある男の人が。


「これは僕が見ている、メモリーブラッドのシーンなんじゃないか?」


 どうやら僕が書いたメモリーブラッドを元にして描いたヨッシーの絵を見て、偶然にネットで見ている人が現れたみたいだ。

 その人、僕が描いているメモリーブラッドを見ている人達に携帯で呼び寄せたみたいだ。

 凄い人数だった。

 まさか僕が描いているメモリーブラッドがこんな所にも、いたとは思わなかった。


「この絵を描いた人は誰なの?」


 と言うと、ヨッシーが手を上げた。


「君が柴田盟先生の挿絵を描いている人なのかな?」


「はいそうっすけれど」


「それでこの絵のモチーフにして描いたメモリーブラッドを書いた人はどこにいるの?」


 僕の小説のファンの人が言う。

 やばい僕が柴田盟だと言うことがばれてしまう。

 するとヨッシーが。


「この人です」


 僕に向かってその人は。


「君がメモリーブラッドを書いている柴田盟先生ですか?」


 どうしよう、僕は覆面作家でいたいが、そうも言っていられない。


「そうですけれども」


「俺、感動していますよ。柴田先生、僕はあなたのファンです。それに柴田盟ファンクラブの一人です」


 そんなファンクラブいつから出てきたのか分からなかった。そこまで僕の小説を評価してくれてありがたかった。

 その人はファンクラブの会員全員を連れて来て、絵を見て、僕の小説のメモリーブラッドを連想して見ている人ばかりだ。

 しかもそのファンクラブ、三百人の人が集まっていた。

 もう僕達の美術部は凄く混雑をしていて、みんな絵に夢中になって、中には僕の携帯小説のメモリーブラッドを見ながら、鑑賞している人もいる。 そこで現れたのが、


「わたくしはこういう者です」


 名刺を差し出されて、それは文術社の人だった。


「僕に何か用ですか?」


「わたくしはこの絵を見て感動しました。それにあなたの小説を文庫化したいと思っているのですがいかがなさいましょう」


「僕の小説が本になると言うことですか?」


「はい、あなたの実力ならこの小説、莫大的に売れます」


 僕は夢を見ているような気分になってきた。

 でもこれは夢ではなく現実に起こっている事だ。


「凄いじゃないですか先輩」


 ヨッシーが僕と文術社の人と話している所を見てそう言った。

 もう部長に絵で勝っている。でももうそれどころじゃない。

 僕の小説が文庫化される何て夢の様な話が舞い込んできて、これは一重ひとえにヨッシーのおかげだ。

 


 文化祭が終わり、美術部は廃部にならずに済み、おまけに僕の小説が出版される事となり、僕は本当に最高な幸せを感じていた。


「「「「「「カンパーイ」」」」」」


 僕達は部長より圧倒的に勝ち、僕達の勝利になった。

 そう言う事で僕達はジュースで乾杯して、みんなで文化祭を周り、色々な物を食べ尽くした。

 ゆっこが。


「パイセン、さすがに本当の小説家になってしまうなんて本当に恐れいったよ」


「いやでも、これはみんなヨッシーのおかげだよ。ヨッシーが僕の小説のシーンを描いてくれたからだよ」


 ヨッシーが。


「先輩、私のおかげとか、キモいんですけれど」


「本当の事を言ったまでだよ」


「先輩」


 そう言ってヨッシーが後ろから僕に抱きついてきた。

 それを見ていた幸子が。


「何をやっているのよ。ヨッシーさん。うちのお兄ちゃんにそんな事をしないでよ。将来のお兄ちゃんのお嫁さんはうちなんだから」


 それを聞いたみんなは目が点になってしまっている。

 これは本当にまずい事を聞かれてしまったな。

 うちの妹は僕の事を溺愛できあいしているからな。

 ヨッシーが嫌らしい目で僕を見て、


「何、妹と結婚とか、何を考えているの?先輩」


 ゆっこが。


「まさに源氏物語だね。小さい頃から妹を手なずけて、自分のお嫁さんにしようと企んでいるんすか?」


「そんな事あるはずがないだろ。幸子も自重しろよ」


「うちは本当の事を言ったまでだもん。お兄ちゃんのお嫁さんになるのは、このうちなんだから」


 本当にうちの妹に苦労させられる。これでも妹は勉強も学年で一番で小学校の委員長をやっている。

 そんな妹が僕のお嫁さんとか何とかしてくれって感じだよ。

 文化祭が終わり、これから中間試験がはじまる。 本当に文化祭は終わってしまったんだよな。

 部長には感謝しなければいけないかもしれない。もし部長が僕に勝負を持ち込まなかったら、僕は小説家にはなれなかっただろう。

 本当に僕が小説家なんて今でも信じられないくらいだ。

 僕の小説は来月に発売される。

 タイトルは知っての通りメモリーブラッドだ。 その前に僕達は中間試験に向けて勉強をしなければならないんだよな。

 そんな中間試験も僕がヨッシーやゆっこにシーマに島さんに教えてあげたら、ヨッシーが学年で十七番を取りゆっこが二十番でシーマが二十一番で島さんが二十五番だった。

 今回は先生から疑われる事はなく、先生に僕が教えていることに感謝された。

 試験が終わり、美術部は廃部の危機にはさらされなかった。

 部員は僕とヨッシーしかいないけれど、ヨッシーは相変わらず僕が書いた小説のメモリーブラッドの世界観を生かして絵を描いている。

 そしてメモリーブラッドは発売されて、五十万分の驚異的な数が売れて、僕とヨッシーはたちまちお金持ちになってしまった。

 僕が小説を書いて、ヨッシーがイラストを描いてくれた。

 メモリーブラッドの二巻も発売予定である。

 僕とヨッシーは学校で注目の的になり、僕達の事を崇拝している者もいれば、詰る者もいる。

 詰るか、初めてヨッシーに出会ったのは僕が柴田盟だと言うことを知り、僕に近づいてきた。

 ヨッシーが言うには最初詰って来たけれど、こんなに素晴らしい小説を見たことがない事で僕とお近づきになりたいと思って距離を縮めて来たと言っていた。

 ヨッシーは何かと僕の事をキモいと言うが、それは僕にしか言わない事だった。

 訳が分からないけれど、キモいとかウザいとか言ってくるが、それもそれで良いと思っている。

 それはヨッシーの僕に対する愛情表現だと今更ながらに気がついた。

 ヨッシーに他の小説のイラストを描けばと言ったけれど、僕のイラストしか描かないと頑なに拒否されてしまった。

 それにヨッシーはイラストレーターになる夢を見つけて、芸大に入る準備をしている。

 本当にイラストレーターになったら、僕以外の小説のイラストを描くのだろうかと思うと、なぜか心がチクりとした。

 僕とヨッシーはまだ高校生だ。

 ヨッシーとどこまで行けるか分からない。

 もしかしたら、結婚する所まで行くかもしれない。

 ヨッシーはコギャルに見えるが、そんなに尻の軽い女性ではないことを知った。

 最初あった時は色々な男性と経験をしているのかと思ったら、信じられないことに、ヨッシーは処女みたいだ。

 それを聞いて僕はヨッシーの事をますます大事にしてあげないと思った。

 僕の家に遊びに来た時、妹が僕と今だにお風呂に一緒に入っている事を知ったら、顔を真っ赤にして僕はヨッシーに叩かれてしまい喧嘩になってしまった。

 妹は僕と禁断の愛を頭の中で描いているみたいだ。

 妹も六年生だしクラスの委員長をやっていて、いじめのないクラスに仕立てあげ、みんなから一目を置かれている存在になっている。

 そう言えば妹は友達の家に行くことはあるが、友達を家に呼んだ事はなかった。

 妹のブラコンがばれたら、クラスの委員長の名が泣いてしまうだろう。その事を恐れているのかもしれない。

 ヨッシーの友達のゆっことシーマに島さんはヨッシーの様にやりたい事がないので、今の成績を維持していれば一流の大学に入れると思って、毎日勉強をしている。

 ちなみに三人も男性との経験がないみたいだ。

 ギャルだからと言って僕は偏見的な目でヨッシー達を見ていたが、案外真面目な所もあって、僕はそれで安心した。

 僕とヨッシーは相変わらず二人しかいない美術室で絵を描いていた。

 週末になると、一緒にデートに行ったりしていた。

 多少印税でお金があるので、遊園地に行ったりディズニーランドに行ったりしていた。

 でもヨッシーはそんな所に行くよりも美術部で絵を描いていた方が楽しいと言っていた。

 僕は小説を頑張り、ヨッシーは絵を頑張り、将来互いに楽しい事を仕事にしたいと僕は思っている。

 でもいつかヨッシーはどこかに行ってしまうんじゃないかと思うと切なくなるが、それはヨッシーも同じ気持ちだった。

『先輩と結婚?マジキモいんすけれど』

 何て言っていたが、本当は寂しい事だと思っていると態度を見て分かった。

 ヨッシーは僕と結婚をしたい事が分かった。

 ヨッシーはサヴァン症候群だが美術部の時以外は僕がヨッシーのアイパットを預かっている。

 本当にヨッシーの恋人として大変な事だ。

 ヨッシーの事を僕は誰よりも理解している。

 ヨッシーも僕の事を誰よりも理解している。

 思っても見ない所で僕達は恋人同士になってしまった。

 僕に恋人が出来るなんて今まで思いもしなかった。

 根暗な僕を恋人になってくれたヨッシーには感謝出来ないほど嬉しい。


 そして八年後、僕とヨッシーは結婚する事となり、互いに将来を誓いあった仲へとなって行ったのだった。


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