デート
朝起きると、僕は何かにしがみつかれていた。 何だと思って、見てみると、妹が僕を抱きしめながら眠っていたのだった。
うちの妹はまだ、ブラコンが治っていないみたいだ。
時計の針を見てみると午前七時を示していた。
「ほら、幸子、起きなさい。学校に遅刻するよ」
妹は起きて、僕の部屋から出て行った。
朝ご飯はいつも妹に作って貰っていたが、今日は僕が作ってあげた。
トーストに目玉焼きに、トマトを四分割してそれを二人前に作るのであった。
昨日はヨッシーの友達達にファミレスに付き合わされて、夜遅くなってしまった。妹は僕のお弁当をいつも作るのだが、今日は作る暇などないだろう。
だから今日は学食を食べる事にした。
それよりも、今日はどうしてか学校に行きづらかった。
ヨッシーに告白をしてしまって、僕は今日どうなってしまうのだろう。ヨッシーに振られてしまったら仕方がないことだと思って腹を決めるしかない。
学校に行くことになり、幸子にお弁当を作る事を忘れてごめんなさいと謝れた。
そんな事よりも、ヨッシーだ。
*
放課後、美術室に行くと、ヨッシーはいなかった。
どうしたんだろうと思うと、僕は振られてしまったんだなと思った。
そう思うと凄い鬱状態に悩まされた。
振られるとこんな気持ちになるのか?
それはそれで仕方がないと思って、いつものように静物デッサンをしようとしたら、ヨッシーはやってきた。
「チース、先輩」
「ああ、ヨッシー」
ヨッシーが来たことによって僕は別に振られた訳じゃないと思って鬱状態から、極端に躁状態になった。
するとヨッシーは嫌らしい笑みをこぼして、
「先輩もしかして私が来なかった事に落ち込んでいたんじゃないのですか?」
「・・・」
図星だと思って何も言えなかった。
「黙っているところを見るとマジで私の事が好きなんすね。キモいっすよ先輩」
「・・・」
何だろうこの気持ちは妙に落ち着く。いつものヨッシーとの部活生活が始まるのだ。
昨日僕が告白した返事は帰って来ないけれど、ヨッシーは僕の事を嫌いになった訳じゃないのかもしれない。
もし嫌いだったら、もう部室には来ないだろう。そう言う事で今日もヨッシーと二人で静物デッサンを始めたのだった。
ヨッシーは僕の隣で僕を描こうとしているのか?僕のあたりを取っている。
「何だ。ヨッシー僕を描こうとしているの?」
「うん。先輩が私の絵を描くように描いてやろうと思って」
もしかしてヨッシー僕の事が好きなんじゃないかと思って、心が喜びを表すイエローな気持ちになった。
「先輩、何にやけているんすか?もしかして自分が私に描かれるからと言って私が先輩の事を好きになったと思ったのですか?マジキモいっすよ」
やっぱりそうだよな、僕みたいな男が女の子に好かれる事はないよな。それに自分でも気が付かずに、にやけていたなんて恥ずかしい。
やっぱり現実はそうだよな。僕みたいな男を好きになる女性は僕の妹一人だけだと。
だから僕は妹を大事にしてやろうと思い始めた。
昨日はヨッシーに告ったがどうやらダメだった見たいな気がする。
僕の今の気持ちは憂いを帯びた青色の気持ちになっている。
ヨッシーの方を見てみるとヨッシーは必死に僕の事を見て描こうとしている。
告ってキモい何て言われてショックを受けていた。
とにかく僕は振られてしまったんだ。
その振られた勢いで僕は静物デッサンをした。
やっぱり絵を描いていると、凄くすがすがしい気持ちになってくる。
そして絵を描いているうちにどれぐらいの時間が経ったのか、ヨッシーは、
「先輩、先輩の絵が出来ましたよ」
「あ、うん」
そう言ってヨッシーの僕を描いた絵を見てみると、僕とヨッシーが並んでにっこりと笑った姿だった。
「これって・・・」
「先輩、キモい、何て言ってごめん。私も先輩の事が好きかな」
今の聞き違いじゃなければ、僕の気持ちは空を飛ぶほどの気持ちにさらされている。
「どうしたんすか、先輩私に告られて、ブルーな気持ちからイエローな気持ちに駆られているんすか?」
ヨッシーは僕の事を嫌らしい笑みを浮かべて僕に言う。
「ヨッシーふざけないで聞いて欲しいんだけれども」
僕は改まった。
「本当に僕の事が好きなの?」
「先輩、女の子に同じ事を言わすなんてベタな事を要求しないで下さいよ」
そう言ってヨッシーは僕に抱きついてきた。
これは夢なら覚めないで欲しいと思っている。
「本当に僕で良いの?」
「うん。先輩といると楽しいし、とにかく私も先輩の絵を描いてみたい。だから今度、先輩が持っているアイパットを買いに行きたいんだけれども、付き合ってくれますか?」
「もちろん、良いよ」
そう言う事で今週の土曜日はヨッシーと買い物に出かける事になった。
これってもしかしてデートなのかもしれない。
午後六時になり、そろそろ美術部の活動は終わりだ。
ヨッシーと付き合う事になってしまった。
本当に空を飛べそうな程の嬉しさに舞い上がってしまっている。
*
家に帰ると妹はご飯を作って待っていた。
今日はサンマが安かったので、サンマとお豆腐と、サラダとお味噌汁にご飯だった。
「うわー幸子、今日もおいしそうなご飯を作ったな」
「そう言えばお兄ちゃんの小説見せて貰ったけれども、確かに面白いけれど、ヒロインのメグちゃんって、お兄ちゃんの理想の彼女なの?」
そう言われると確かに僕の小説のヒロインのメグは僕の理想の女の子なのかもしれない。でも僕は妹の幸子に。
「別にそう言う訳で書いた訳じゃないよ」
「このヒロインのメグちゃん。本当にかわいい性格をしているね」
確かに妹の言う通り、かわいい性格をしている。
最初はそうだった。僕みたいな男にこのようなかわいくて純粋無垢な女の子とは付き合えないのかと思っていた。
だったら空想の世界だけでも自分の好みの女性像をかいたのだ。それにメグは僕のお気に入りのキャラクターだ。
でもそんな僕に彼女が出来てしまった。メグとは正反対の性格だが、可愛いところ結構あるんだよな。
*
そして数日後の日曜日、僕は電気街の秋葉原に待ち合わせていた。
時計の針を見てみると、時計は午前九時半を示している。
待ち合わせ時間は午前十時だが、僕は浮かれてしまったのか?予定より三十分早く来てしまった。
そして十五分くらいが経過してヨッシーはやってきた。
「先輩」
そう言ってヨッシーの格好を見てみると、タイトなジーパンにピンクのキャミソールを着ている。
それにナチュナルメイクか、かわいらしい純真無垢な感じがしてそれが良い。
ヨッシーは横にピースサインをして「チース」って言ってきた。
可愛すぎる。
「先輩、何私の事をジッと見つめているんですか?キモいんですけれど」
嫌らしい笑みを浮かべて、ヨッシーは言う。そんなヨッシーの事もかわいさの一つである。
僕は思うんだ。大好きな人の事を良いところも悪いところもすべて好きになる事が大事だと。
それには僕の小説のメモリーブラッドの本編に書いてある。
「じゃあ、ヨッシーのアイパットを見に行く?」
「はい」
「予算はどれぐらい?」
「五万円ぐらいは持ってきました」
「五万あったら、良いの買えるよ」
早速秋葉原にあるヨドバシカメラに行き、ヨッシーにお手頃のアイパットを探してあげた。
そしてその買ったアイパットに僕が使っているクリップスタジオの契約を結んで入れてあげた。
「毎週千円はするけれど、今はネットの時代だから、このようにして絵を描くと良いよ」
「私も先輩みたいに絵がうまくなれるかな」
「絵がうまくなる事は簡単だよ。ある程度うまくなったらそこからが絵の見せ所かな?」
「私は先輩みたいな絵を描いていたい。最初は私の事を描いていた事にキモいと思ったけれど、実を言うと嬉しかった」
キラッとした笑顔で僕を見た。ヨッシーにこんな笑顔が出来るんだと思うと胸の奥からときめく物が膨れ上がって行った。
今度ヨッシーを書くときはそのキラッとした絵を描こうと思っている。
そして買う物も買って、何か食べに行く事になった。
「ヨッシーは何が食べたい?ここは僕がおごるよ」
「そんな悪いですよ先輩、それに先輩におごらされたら何かキモいから良いっすよ」
そのキモいって言うのをやめて欲しいと思うが、それがヨッシー何だよな。
秋葉原は電気街の聖地とアニメの聖地でもある。色々なアニメのイラストが町中に張り巡らされている。
実を言うと僕はかなりのオタクなのだ。
お昼ご飯はヨッシーはカレーが食べたいと言うのでゴーゴーカレーで二人で食べる事になった。
「こういう所で食べるなんて海の家以来だね」
ヨッシーがそう言いながらカレーを食している。ヨッシーは華奢な割に結構な大食いで、カレーのサイズは普通盛りと大盛りの中間ぐらいのビジネスサイズを頼んだ。
僕も男だからヨッシーと同じビジネスサイズにした。
食券を買って席に案内されて、今は一番混む時間だがなぜか空いている。
まあ、良いかと思って、食券を店員に渡して、すぐに僕達が頼んだ物が運ばれて来た。
ヨッシーは「いただきます」と言って、食べ始めて「おいしい」と言った。
「おいしいでしょ」
「うん、本当においしい。こんなカレー食べた事がないよ」
そう言われると誘った冥利に尽きるって感じだよ。
何か分からないけれど、ヨッシーが嬉しいと僕も嬉しくなってしまう。こんな気持ち初めてだ。
僕は根暗だから、このような彼女と付き合える何てあり得ないと思っていた。
でも予想外の事に僕とヨッシーは付き合う事になり、本当に僕は幸せだった。
良くゲームではこのようなデートを体感できるソフトをやっていたが、やはり現実の彼女が出来るなんて、これ程ハッピーな事はないと思っていた。
「先輩、秋葉原の街を案内して下さいよ。先輩はキモオタ何ですよね」
何てヨッシーは嫌らしい目つきで言う物だから、それもヨッシーのチャームポイントだと思って置けば良いと思っている。
よし、何だったら僕の大好きなアニメを紹介してあげようと思っている。
僕の好きなアニメである美少女巫女奈々をヨッシーに紹介した。
「へー先輩ってこういう物が好きなんですか?マジキモいんですけれど」
そう言いながら一巻を手に取るヨッシー。
「あれ、僕の勧めた美少女巫女奈々が好きな僕の事をキモいと言ったのはヨッシーなのにどうしてそれを買おうとするの?」
「別に良いじゃない、先輩と付き合って先輩のキモさをもっと知りたいと思ってね」
キモさを知りたいだ何て言われる人なんて僕以外にはいないと思う。
本当にヨッシーは訳の分からない人だと思った。
そうしてヨッシーは今僕がハマっている美少女巫女奈々の一巻を買うのであった。
そうして店から出て行って僕は言った。
「別に買わなくても、僕が一巻持っているから貸してあげるのに」
「だったら、そう言う事は早く言ってよ。本当に先輩ってキモいんだから」
時計の針を見てみると、午後三時を示している。 そろそろお開きにするには早いと思っている。
「ねえ、先輩、これからどうする?まだ帰るには早い時間だけれども」
ヨッシーはカラオケが好きだが、僕はあまりカラオケは知らないししかも音痴だしまたヨッシーにキモいと思われてしまう。
「それじゃあ、ヨッシーもアイパットを買った事だし絵でも描いてみる?」
「そうだ。私はこのアイパットの使い方を知らないんだった。だから先輩このアイパットの使い方を教えて下さいよ。私は先輩の絵が描いて見たい」
そう言う事で僕達は秋葉原のとある喫茶店に入る事にした。
それでヨッシーにアイパットの使い方を教えてあげた。
レイヤーの使い方など、ペンの使い方などを僕的に丁寧に教えてあげた。
ヨッシーは飲み込みが早くすぐに理解してくれた。
そう言う事でヨッシーは。
「じゃあ、先輩、私を描いた絵を見せてよ」
僕はどうしようかと葛藤する。
でももう僕達は恋人関係なんだよな、だから見せてあげても良いと思っている。
僕は今アイパットを鞄から取り、ヨッシーを描いた絵を見せてあげた。
「本当に先輩はキモいっすね」
今、分かった事だけれどもヨッシーがキモいと言う言葉は僕に取って褒め言葉なのかもしれない。
出来れば評価をお願いします。




