心配するヨッシー
次の日、僕は食中毒になり、一日入院を余儀なくされてしまった。
妹が心配して、僕の所に寄り添ってくれた。
「お兄ちゃん、何を食べたの?もしかして落ちている物でも食べたの?」
「そ、そんな、も、物、た、食べる、はずがないじゃない」
「じゃあ、何を食べたら、そんなに食中毒になるような事になったの?」
昨日、僕はヨッシーが作ってくれたお弁当を無理して食べたのだ。それで僕は食中毒になってしまったのだ。炎天下の中、ヨッシーの鞄の中で一日中放置してたから、大半は腐っていたのだ。
味は確かだったが、やはり腐った味もして、僕は、帰ると急に腹痛に悩まされて、救急車を呼ぶことになり、食中毒になり、腹を痛めたのだった。僕は今、病院のベットの上で眠っている。
それに昨日はメモリーブラッドの連載日じゃないから良かった。
とりあえず、今日退院になる事となった。
妹は心配して僕に寄り添ってくれた。
そう言えば妹にも僕が書いているメモリーブラッドを見せた事がないんだよな。
僕の小説を読んでいる人はネットの中にはたくさんいるが、本当に知っている人で見てくれる人はヨッシーだけなんだよな。
「はい、お兄ちゃん。着替え持ってきたから、それ来て、帰ろう。退院手続きはお母さんがしてくれたから」
そう言う事で僕と妹で共に帰る事になった。
明後日から、学校か、昨日はみんなと海に行って楽しかった。
でもゆっこ達と会うとは思いもしなかった事だった。
もしゆっこ達に出会わなければ、僕は食中毒になる事はなかったんじゃないかと思った。
着替えて病室を出ようとしたところ、ヨッシーが現れた。
「先輩、大丈夫なんすか?先輩の家の人に聞いたんすけれど、食中毒になったって言っていたから、もしかして私が作ったお弁当を無理して食べたから何じゃ無いんすか?」
多分そうだと思って僕は黙っていた。
すると妹はそんなヨッシーに険悪な顔をして、
「あなたはお兄ちゃんの何なのですか?」
「いや、一応友達だけれども」
「その友達のお兄ちゃんにお弁当を作ったなんてどういう事なんですか?」
「いや、その、あの・・・」
言葉をなくすヨッシー。
「とにかく帰って下さい」
「おい幸子、そんな言い方は無いだろ」
「・・・」
黙り込んでしまう幸子。
「とにかく先輩ごめんなさい。私がお弁当なんて作って来なければ・・・」
ヨッシーは僕の事を本当に心配している様だ。
いつもなら僕の事を詰ってくるが、今日はそうじゃない。
確かにヨッシーのお弁当を食べて僕は食中毒になってしまった。でも嬉しかったのだ。僕の為にお弁当を作って来てくれたことに。
だからヨッシーは悪くない。ヨッシーのお弁当を僕は腐っていたが僕は嬉しくて食べただけだ。
「そんな謝らなくたって別に良いよ」
「でも・・・」
「確かにヨッシーのお弁当を食べて僕は食中毒になってしまったが、でも嬉しかったんだ。ヨッシーが僕の為にお弁当を作ってきた事に」
「そうなんすか、私もお弁当を作って食べてくれたことに感謝しています」
幸子が。
「ちょっとお兄ちゃん。何、このギャルっぽい女の子は」
「ギャルなんて言うんじゃない。この人はお兄ちゃんの大切な友達だ」
「こんな人がお兄ちゃんの友達なんてあたしは認めないから」
そう言って妹の幸子はどこかに行ってしまった。「先輩、先輩にあんなにかわいい妹がいるなんて思いませんでしたよ」
妹が去って行って、ヨッシーと二人きりになるとヨッシーはいつもの詰る様な言い方をしていた。「とにかく先輩が食中毒になったのは私のお弁当を無理して食べたからじゃないですか。あれだけやめておいた方が良いと言ったのに、私にお弁当を作って来た事がそんなに嬉しかったんすか?」
「ああ、嬉しかったよ」
するとヨッシーは嫌らしい笑みをこぼして、
「本当に先輩ってキモいですね」
さっきの僕に対する謝罪の言葉はどうしのか?ヨッシーはまるで食中毒になってしまったのを小馬鹿にするような感じで責めてきた。
「それよりも、昨日見せてくれた先輩のアイパットを見せて下さいよ。私を描いた、あのアイパットを」
「嫌だよ。別にヨッシーが描かれている訳じゃないから」
「何嘘を言っているんすか?先輩は嘘が下手ですね」
「だから描いて無いよ」
「先輩は私の事が好きなんすよね」
その問いに、僕はどのように答えれば良いのか、迷った。
「・・・」
「先輩がその気なら私は先輩と付き合っても良いですよ」
その問いに僕は昇天してしまうほど嬉しかった
「本当に」
「何を言っているんすか、私が先輩と付き合う訳ないじゃないすか」
やっぱりこうなるのか?ヨッシーはそう言う奴だよな。
「まあ、先輩の食中毒も大した事じゃ無いから良かったよ。とりあえず私は帰りますので、明後日学校の美術室で会いましょう」
そう言って芳山は去って行った。
僕は複雑な気持ちだった。ヨッシーがあのような態度を取るのは僕だけなのだ。もしかしたら僕の事を好きなんじゃないかと思ったのはお門違いだったみたいだ。
僕はため息をこぼして病院を後にするのだった。僕の小説を読んでくれるのはヨッシーだけ何だよな知っている人で。
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