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祭りの後

 花火大会は終わり、何か切ない感じがして、寂しい思いを僕はしたのだった。

「先輩、何しょぼくれた顔をしているの?」

 ヨッシーがいつものように僕を詰るような感じで僕を見る。

「別にしょぼくれて何ていないよ」

 ゆっこが。

「じゃあ、あたし達はこっちだから、ヨッシー頑張れよ」

「何を頑張れって言うの?」

「分かっているくせに」

 するとヨッシーは複雑そうな顔をする。

 帰り道ヨッシーと途中まで一緒なので共に帰る事になった。

 夜空にはガラスをちりばめた様な星空が舞っていた。

「先輩、まるで私と先輩しかこの世にいないような夜だね」

 嫌らしい笑みをこぼしながら僕に言う。

 また始まった、ヨッシーの僕への詰りが。

 僕はそんなヨッシーを見て笑うのだった。

「何、笑っているんですか先輩」

「いや、別に」

 複雑そうな顔をして、また嫌らしい笑みをこぼして、また僕の事を詰ろうとしている。

 芳山は「せんぱーい」と言って僕の背中にしがみついた。

「ちょっと何やっているんだよ、よっしー」

「童貞の先輩が後輩の女子にこんな事をされるなんて思わなかったでしょ」

「重いから降りて」

「女子に重いなんて言うのはセクハラだしパワハラになるんだよ」

「ヨッシーから、僕の背中に抱きついて来たんでしょ。だから僕は悪くない」

「先輩私を負ぶって私の家まで送って行ってよ。そうしたらご褒美をあげるから」

 ご褒美とか言って、また僕に目を閉じさせて、またホッペタにキスでもするのかな?それとも鼻にデコピンでもするのだろうか?

「分かったよ。じゃあヨッシー家どこ?」

「そこのスクランブルを右に曲がって、次の左の路地を曲がった所」

 僕は言われた通り、ヨッシーを負ぶったまま、ヨッシーの家まで行くのであった。

 ここが芳山の家か、二階建てで普通の民家であった。

 芳山は僕の背中から降りて、僕は女子の芳山を背中に感じて胸がドキドキしていた。

「じゃあ、先輩、目を閉じて」

 僕は言われた通り目を閉じた。

 するとおでこにキスの感覚がした。

「じゃあ、先輩私はこれで」

 そう言ってヨッシーは帰って行った。

 僕のおでこにキスなんて、もしかしたらヨッシーは僕の事が好きなのかな。

 僕はヨッシーと一緒にいるとなぜか鼓動が張り裂けそうな程の気持ちに駆られる。

 今もヨッシーをおんぶした背中にヨッシーのぬくもりが残っている。

 それにおでこにキスをされるなんて思いもしなかった事だ。

 僕はヨッシーの事が好きなのかもしれない。

 さて帰るか、帰って小説の続きを書こうと思っている。

 ヨッシーは僕の事をどう思っているのだろう。僕の事を童貞なんてバカにするが、ヨッシーだって別に経験がないと思っている。

 ヨッシーは僕にしか詰らない。

 これって良く子供の男子が好きな女子に向けてちょっかいを出している感じなのかもしれない。

 でも実際はどうなのだろう。僕の事が好きなのだろうか。

 家に到着すると、妹も母親と花火を見に行っていたのか?二人とも浴衣姿でいた。

「楓、ご飯出来ているけれど」

「もう食べたから良いよ」

「そう」

 僕はお腹がいっぱいだった。

 島さんが屋台の品物をたくさん値切って、かなり食べたからな。

 机に向かい僕はポメラで小説を書いていた。

 今日はなぜか調子が良い。僕のこの小説はヨッシーにも見られている。

 その他にも僕の小説を楽しみにしている人達がいる。そう思うと、俄然やる気が出て、ポメラのキーボードを打つ手が止まらない。

 よし、今日はこれぐらいにして置こう。

 そこで僕は反芻の時間だ。

 ヨッシーの今日の浴衣を想像して、アイパットにヨッシーの浴衣姿の絵を描いていた。

 僕は毎日芳山の絵を描いている。

 密かにこの絵をヨッシーに見せたらきっと嫌われてしまうかもしれない。

 キモい、とか言われて詰る所か、怒るかもしれない。

 そろそろ寝よう。


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