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魔法使い生活

挿絵(By みてみん)


画面の明るさとかも選べる辺りが

「ホントiPa◻︎みたいだよな…」

と感じてしまう…。


それにしても妙な話だ。

前世の自分の名前や誕生日などの個人情報はほぼ覚えてないのに、前世の世界の生活様式や常識、車の運転方法やネット端末の使用法、好きだったゲームや小説などの情報はしっかり記憶にあるのだから…。


(「ちゃんと現世を生きる」ために前世の自分自身の個人情報が曖昧なのかな?)

と、理由があるようにも感じる。


(それにしても「アーツしか使えない」なんて事はないよね?ゲーム内のローズマリー・ウィングフィールドは普通に攻撃魔法とか使ってたし…)


歯車マークのアイコンで表示されるアプリケーションはあくまでも設定画面らしく、魔法らしい魔法に関しては表示がない。


アプリケーションを閉じて、タブレット起動時の初期画面へ戻り、別のアイコンをタップしてみる事にした。


ハートマークのアイコンとかだと露骨にヘルスケア関連のアプリケーションに思えるし…

脳のマークのアイコンとかだとメンタル系の状態異常関連のアプリケーションに思える。


(本のマークだと知識系…。杖のマークが【魔法】かな?)

と思い、杖のマークのアイコンをタップすると

「使用可能魔法一覧」

と書かれた項目の下にズラリと魔法名らしきものが並んでるのが見えた。


だが残念ながら殆どの魔法名がグレーアウトしていて選択できない…。

それでもタップしたところ

「魔法熟練度が足りません」

と出た。


要するに魔法はスキルゲットしたてのビギナーでは使えないものが多いという事だ。

攻撃魔法などは当然使えない。


使える魔法は

傷治癒ヒール

浄化ピュリフィケーション

衛生保持キープハイジェニック

清掃クリーンアップ

洗濯ランドリー

乾燥ドライイング

夜目ナイトビジョン

睡眠スリープ

軽量化ウェイトセービング

筋力増強マッスルストレングスビルディング

顕現インカーネーション

などの如何にも無害そうなものだけ。


結界生成メイクアバリアー

不可視インビジブル

飛行フライト

などの

「一人旅の安全に役立ちそうな魔法」

は今のところグレーアウト状態。


顕現インカーネーション

では

ファイア

ウォーター

ウインド

アース

ライト

ダークネス

アイス

サンダー

が顕現できるようだ。

と言っても「顕現」とは文字通り「出すだけ」のもの。

攻撃には使えなさそう。


火の顕現で火種くらいにはなる。

水の顕現で飲み水を確保できる。

雷の顕現が静電気だったのには苦笑が漏れた…。


攻撃には使えないが便利なのには間違いない。


「とりあえず、使えそうな魔法の確認もできたし、そろそろ寝るか…」

と呟いてみるものの…

自分でも興奮状態である事が自覚できていて

「直ぐには眠れないだろうな…」

と思った。


(試しに『睡眠スリープ』を使ってみるか…)

と思いタップしてみると

「対象選択画面」

「睡眠時間のタイマーセット画面」

まで出た。


スリープ発動の前にタブレットを

省電力パワーセービング

から

待機状態スタンバイモード

へ切り替えたいのでスリープのタイマーセットは5分後から5時間に設定した。


スリープの設定を終えて、タブレットをスタンバイモードにしてからゴロンとベッドに横になった。


(…いよいよ明日から華麗な魔法使い生活が始まるんだ…)

と思うと顔のニヤニヤが止まらない。


興奮して鼻の穴も広がってて、美少女顔が残念な顔になってる筈だが…

その状態は長くは続かなかった。

キッチリとスリープ設定した5分後に意識を失うかの如く入眠したのだ…。



********************



朝起きて半透明タブレットを確認してみるとーー

半透明タブレットが無い…。


(もしかしてバッテリー切れになって強制的に電源が落ちたとか?)

と思い、ギョッとしたが…


よく見てみると半透明な

「仮想ホームボタン」

らしきものが浮かんでいた。


なので

「仮想ホームボタン」

らしきものに触れると、ちゃんと半透明タブレットが出てきて待ち受け用のスタート画面が表示された。


画面右上に小さく表示されるバッテリー残量を確認すると100%。

と言っても昨夜の確認作業とスリープ発動で消費したエネルギーは2%で、昨夜寝る前の表示は98%だった。


勝手が判らず小一時間ほど画面を弄ってて1%の消費。

スリープ発動の設定をして1%の消費。


実際にスリープが発動して数%消費して、その後も起動しっぱなしにした事で2、3時間で1%くらい消費したとしても、寝た事による回復で充電出来てるという事なのだろう。


(エネルギー消費の大きい魔法を使わない限りは普通に保ちそうだ)

と安心して

待機状態スタンバイモード

省電力パワーセービング

へと変更。


切り替えは寝る前と起きてからの日課にしたい。


(そう言えば「軽量化ウェイトセービング」と「筋力増強マッスルストレングスビルディング」があったな…。水汲みで早速使ってみようか)

と思い、身支度をして部屋を出た。


先に

軽量化ウェイトセービング

を使ってみて

(うわっ!めっちゃ軽い!何これ?ズルも良いところでしょう!)

と思ったが…バッテリー残量が97%になった。


3%もエネルギーを消費するようだ。

「効果時間30分」

と説明文が出たので10分で1%の消費。


これは掛けっぱなしで1日過ごすとかは無理そうだ…。


筋力増強マッスルストレングスビルディング

の方はというと…

1%の消費で

「効果時間3時間」

と説明文が出た。


全然、重さが軽くなったりしない。

単なる筋力トレーニング的な魔法らしい…。


魅力はコスパにある。

1%で3時間ということは3%で9時間。軽量化の30分の18倍の効率だ。


朝の5時半から夜の8時半くらいまで続く1日15時間ほどの労働時間。

筋力増強マッスルストレングスビルディング

を五回使って5%で済む。


体力的に楽にはならないが、かと言ってキツくなる訳でもない。

普段通りに労働して筋力トレーニングができる。

しかも使い続けてもエネルギー消費が低い。

それでいて魔法なので使えば魔法熟練度は上がってくれる。


エネルギー残量の管理とか全くせずに使いっぱなしに出来る点が嬉しい。


(それに…)


軽量化ウェイトセービング」に関しては


(この手の魔法に頼ると筋力が落ちそうだ…)

と感じた。


貧乏人は身体が資本だ。

鍛えられる時に鍛えておくのが一番だろう。


(うん。今後「筋力増強マッスルストレングスビルディング」を使い続けよう)

と決意した。


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