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透明人間のアドバンテージ

挿絵(By みてみん)


インビジブルで姿を消して透明人間として人々の様子をうかがっていると…

私は自分でも奇妙な気がした。


(情報収集という面で圧倒的なアドバンテージを持つと人間は精神的におかしくなるものなのかも知れないな…)

と、不意に自分の状態を自覚したのだ。


「人目があるから取り繕う」

ような人達は透明人間の前で残酷な本性を晒す。


それを見てーー

透明人間はドラマでも観ているような錯覚に陥る。


ドラマの悪役キャラを嫌う感覚で

「意地悪に見える人を一方的に嫌い嫌がらせする」

ような事もあるのだろう。


「霊」と呼ばれる存在もまた

「一方的に観察し、自分の見たいように物事を見て、肩入れして贔屓したり、嫌って嫌がらせしたりする」

不可視の干渉者だ。


「魔女の邪眼とは何だろうか?」

という疑問に本気で答えを見い出そうとした事がある者なら

「イメージ投影・定着・固定化」

などのゴーレム効果的なデバフをそう呼んでいたのだろうと想像がつく。


自分は姿を見られずに人々を観察する者達は

「魔女の邪眼」

と同様の

「イメージ投影・定着・固定化」

でゴーレム効果をもたらす一方でピグマリオン効果ももたらす。


そうやって自分の邪眼が人々に影響を与えて

そこに不幸を生み出しても知らん振り。


そういう

「無自覚な悪辣さ」

が世の中には存在しているのだとしたら…


神も仏もないハードモードの人生がある一方で

神も仏もあるイージーモードの人生があるのも頷ける。


(「人々に認識されていない」「一方的に相手を認識している」事によって異次元干渉的な干渉が可能になるんだな…)

と陰湿なアドバンテージを感じると共に


(こういった干渉をされると理由も分からず不条理と報われなさが降りかかり続けるのだろうな)

と思い至った。


陰湿で一方的な干渉を加え

気に入らない相手の足を引っ張り続ける。


そんな干渉者達に対して

憎悪のような感情が浮かび上がる。


(…個人的好き嫌いや狭量な独善で他人に一方的に干渉するような悪事を「自分が悪用しなければ良い」んだ)


私は複雑な心境でバロワンの貧民区を観察して回った。


昼間だからなのだろうが…

多分、ここは本当の姿を現在、見せていない。


病人や乞食が道端に転がっていて、異臭を漂わせている…。

病人や乞食の容姿を見ると、人種は多様に見えるが…

バールス系らしい色白大柄な病人・乞食はいない。


それ以外の人種がゴロゴロいる。


マルセル王国にとってバールス王国は明確に敵国。

マルセル王国内でバールス人が病人・乞食として貧民区に無防備に転がっていると

他の人種と比べても殺される可能性が高い。

だから(既に殺されてて)居ないのか…。


逆に、そういった国際関係の緊張を言い訳にして

「バールス系は差別されているんだ。団結して差別に争わなければ!」

などとバールス系移民の互助組織が侵食中で裏社会に蔓延っているのか…

夜ならばハッキリしたのかも知れないが昼だと分からない。


(悪党は昼寝て夜動く者も多そうだもんね…)


私としては「夜に活動する貧民=組織的犯罪者集団の所属」という可能性を検討している。


夜にウロチョロするのは普通の人間は怖い。

「アチコチに仲間がいる」

という犯罪組織の一員じゃない限り、周り中敵だらけ。


闇討ちを恐れなければならないのでアウェイで夜歩きはできない。

ガラの悪い界隈を夜中に我が物顔で闊歩して殺されもせず生きていられる連中は、決して根拠なく独りでイキがってる訳ではないという事だ。


マルセル王国がバールス系に内側から蝕まれつつあるのなら…

(娼館の経営者なんかもバールス系帰化人とかなのかもね…)

と思う。


移民や帰化人は

「自分の国じゃないから」

という意識がある。

だから平気で在住国で人身売買やら依存性薬物売買やらをやらかす。


「自分の国じゃないから」

現地人から奪ったり盗んだりできる。

社会の治安悪化要因になってしまえる。


「現地人をカモにした犯罪をしても身内からモラハラされる事もなく受け入れられる」

からこそ

思いつくままに悪事を行える。


発症まで時間のかかる遅効性の性病持ちの娼婦を使えば性病もばら撒けるし…

人倫というものが欠如した人達…。


彼らのアイデンティティは御都合主義的。


彼らの仲間が1人でも酷い目に遭えば

「我らは全員被害者・報復権を持つ」

と思い込む。

現地人にたった1人でも悪党がいれば

「現地人は全員人でなし」

と憎悪する。


もしもこれを反転させたらどうなるのか?

に関して全く彼らは想像もしない。


「移民・帰化人のうちたった1人でも悪党がいれば移民・帰化人は全員人でなし」

「現地人がたった1人でも酷い目に遭えば現地人は全員被害者・報復権を持つ」

という理屈も通用させて良い事になる。


「個を識別しない組織主義」

というものは

「それを御都合主義的に使い分ける事で倒錯したカルト集団を作り出せる」

いわばマルウェアのようなものだ。


(…特殊軍事工作に従事していながら、自分達の行動が特殊軍事工作だと自覚できてない移民や帰化人は本当に厄介な無自覚乗っ取り犯だったりするんだよな…)

と苦々しく感じる。


よその国に入り込んで、外国人同士・同胞同士で結託・団結して在住国を蝕む。


入り込んだ在住国の金を啜って、啜った金を仲間内で分け合い、仲間内で循環させて、現地人らへは還元せず親しまず、仲間同士の絆をのみ深めていく…。


そういった特殊軍事行動をとっていながら…

兵隊の自覚もなく

悪の自覚もない。


侵略者同士の癒着・馴れ合いが根を張っていると

少し頭角を現した移民・帰化人は仲間に持ち上げてもらえる。


それを

「有能だからチャンスが与えられているんだ」

などと本気で自惚れてしまえる人達。


そんな連中に入り込まれた国の側では…

国民の意識は両極化していく。


「知らぬが仏」

とばかりに悪事を見て見ぬフリして、そのうち認識すらできなくなるか。


「現実を変える力が無くても真実を理解しておかなければならない」

と、事実を事実として認識していくか。


意識のレベルに雲泥の差が生じる。


(…裏社会を乗っ取られるという事が無自覚侵略者達の侵略繁殖の足掛かりになってしまうんだよね…)


裏社会を異邦人に乗っ取られないように

国防機関も治安維持機関も気をつけるべきなのだが…

社会的裁量権を持つ上流層の人間達が常に優秀に育つとは限らない。


移民・帰化人は

「現地人のうちたった1人でも悪党がいれば現地人は全員人でなし」

「移民・帰化人がたった1人でも酷い目に遭えば移民・帰化人は全員被害者・報復権を持つ」

といった御都合主義アイデンティティに集団感染しやすい。


そんな価値観に社会が呑まれると国民側は

「我々はたった1人の悪人でさえも我々の中から輩出してはならない」

「我々は皆品行方正でいなければならない」

という強迫観念へと追い込まれていく。


その結果ーー

国産のワルが育たなくなる。

更に裏社会を移民・帰化人に乗っ取られやすくなる。


ともかく夜に出歩くのもリスクが高いので、私は

(娼館の経営者達の名前を調べていくのが近道だろうな…)

と思った…。


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