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自虐利他主義洗脳

挿絵(By みてみん)


インビジブル状態でスラムの外国人達をディスペルしまくっていたらーー


いつの間にか魔法熟練度が上がっていたらしく…

能力阻害スキルキャンセル

脱洗脳デブレインウォッシング

がグレーアウト状態から解放されていた。


これで【透視】スキルで女性の裸を覗き見する変態の視線を恐れずに済むし、ディスペルする時にノーリスクで異常原因の記憶を読み出し任意消去できる。

その点は一安心。



ーーだが…


私はインビジブル状態で一方的にスラムの住人達を観察しながら

「ダブルスタンダードだよな…」

という感想を持ってしまっていた。



【言語理解】アーツのお陰で訛りの酷い外国語もバッチリ聞き取れる。


スラムの外国人達は仲間同士に対しては人情味があり一見人間の心がありそうに見える。


仲間の誰かが怪我をしたり病気になれば心配するし看病もする。

薬術師ギルドに盗みに入り、出荷前の薬を盗み出すのも

「他にどうしようもないからだ」

と本人達が思ってる通りに納得してやりたい気すらしてくる。


仲間同士で冗談を言い合って笑ってる様子を見れば一見無害な普通の人達にも見えるのだ。


それでいてーー

決して彼らは無害な人達ではない。


盗賊団のように積極的に襲撃のために縄張り外へ出る事はないものの…

スラムにホワイト人が迷い込めばすぐさま情報共有。


「俺達の縄張りに侵入しやがって…」

と不法占拠してる土地を祖国同様の感覚で捉えて

「侵入者を殺処分」

しようとする。


(流石にスリープをかけて止めたが、私がいなかったら通常モードで殺していただろう)


「侵入者は殺処分して良い」

というルールを彼ら自身に当てはめるなら…


「今すぐ彼ら自身が全員殺処分されなければならない」

事になるのだが…

そういった道理は彼らには通用しない様子。


差別されてる少数派は弱いのだから

差別している多数派に対しては何をしても良い

という屁理屈を本気で信じ込んでいる。


インビジブルで観察して実態を知れば知るほど

「有害だし、ダブルスタンダードだ」

と見做すしかなくなる。



一方でスラムの女性達は娼館に属していない。


「ハートリーの娼館はハートフィールド公爵派に仕切られている」

という事なのか。

所謂「立ちんぼ」で自ら客になりそうな相手を誘って売春している。


そういった売春は

「客がカネを払わず料金を踏み倒そうとする事もある」

からか、コッソリと男衆が監視についている。


客がハートリーに在住しているホワイト人だと

「ちゃんとカネを払ってるのに殺して身包み剥ぐ」

ような事はしないようだが

(犯行がバレて報復されるのが分かっている)


田舎から出てきたばかりで行方不明になっても誰にも気付かれないようなホワイト人がノコノコやって来ると何の罪悪感も持たずに殺して身包み剥ぐのが通常モード。


つまりは

「バレて報復がある」

という恐怖以外で彼らの犯罪を抑止する要素がない状態。


「ワッティーの(ホワイト人の)分際で」

と事あるごとに侮蔑発言をしてる事からも

「スラムの外国人達はホワイト人を餌扱いで見ていて、同じ人間扱いしていない」

のがよく分かる…。


録画して万人に彼らの生き方を広く知らしめる術もないので


「外国人を差別しないで!」

とか言う帰化人達が犯してる


「犯罪者擁護の罪」

「共謀侵略の罪」

を広く立証する事もできないが…


オカシイものはオカシイ。


「外国人がホワイト人を標的に犯罪を犯すのはホワイト人が外国人を差別するからだ」

「外国人がホワイト人を標的に行った犯罪は差別者への報復というやむにやまれぬ心的葛藤の末の自己防衛なのだから充分な情状酌量が必要だ」

とか言い出す帰化人のほうが


ホワイト人に対して

「大人しく身包み剥がれて泣き寝入りしろ」

という差別を行なっている


ーーのだが、そういった人達には物の道理が通じない。


外国人犯罪者の処罰に関わった刑史や裁判官が行方不明になったり死体で見つかる事がある世の中。


テロリズムを一掃する気概を持ってくれてる人達が一定数以上居て権力を維持してるお陰で社会は混乱せずに回っている。



この国が国民に対してホワイトな国である以上

「民間人である冒険者の私が、こういった心配をする必要はないし、不安に思わなくても良い筈」

と思いたいのだが…

それでも気にかかるし不安になる…。


不安の目を摘めるものなら摘んでおきたい。



脱洗脳デブレインウォッシング」は「解呪ディスペル」の上位互換。

原因記憶に関して消去のみならず「編集」が可能。


「どう編集したら、どう変わる」

という最適化編集のメソッドが無いので、それを先に模索しなければならないだろうが…


「こう編集したら、彼らは仲間同士で群れるのをやめて、この国の国民と同化できる」

という最適化編集の目処が立ったら取り掛かっても良いと思う。


流されやすいお調子者に過ぎなかった外国人達が

敵意の矛先や好意の矛先を操られて

在住国に敵意を向けて団結するような…

そんな罪深過ぎる在り方を続けずに済むように…


「筋金入り」のみを始末して

それ以外の者達には更生の道を強制的に歩ませて良い筈…。



「有害な人間を無害な人間に変える」

のに必要な洗脳方法は一からの模索になる。



「民族的自虐利他主義であれ」

という方向性の洗脳をされて

「批判して良いのは自国と同国民だけ」

「外国と外国人を批判してはならない」

と刷り込まれる悲劇…。


通常はそういう洗脳は

「移民・帰化人」

のような

「侵略者予備軍」

へと施されるべきものの筈だが…


植民地や敗戦国では

「自国に住んでいる国民」

がそういった洗脳をされる差別を受ける事もあり

「暗示耐性が無い人間」

だとやられても自覚もできずレジストもできない。


権力闘争も生存競争も団体戦・チーム戦。

だからこそ普通の国々では

「同国民同士の団結・同民族同士の団結を大事にする」…。

(植民地・敗戦国は団結の基盤自体が壊される)



国民に対してホワイトな普通の独立国だと

フェアな世界だと


移民・帰化人らに対してこそ

「民族的自虐利他主義であれ」

と洗脳がなされるであろうし


「祖国と共謀したり乗っ取り侵略活動ができないように」

という意向で

「批判して良いのは祖国と同胞だけ」

「在住国民を(先住民を)批判してはならない」

という刷り込みがされる。


それが適切な洗脳。

それが洗脳技術の適切な使い方…。



ーーこの世界は「物事があるべき形である」要素が未だ色濃く残る。


だから絶望せずに済む世界なのだと思う…。





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