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初めての一目惚れ  作者: ゆうさん
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突然のお誘い

初めてバーに行った日に見た翠君のバーテンダー姿が頭から離れなかった。その日以来、夜に喫茶店に行く回数も増えた。

ある日の残業終わり、夜に喫茶店に行くと翠君が私より若い大学生くらいの女性と話していた。私は少し離れた端の方の席に座った。


 「いらっしゃい牡丹ちゃん。翠ちゃんは他のお客さんの相手してるから私とお話しましょ。」


 「もちろんですよ。おすすめのカクテル下さい。」


 「はーい。ちょっと待っててね。」



マスターは流石の手際でカクテルを作っていき、あっという間にカクテルと豆菓子が出された。


 「はい、お待たせ。カシスソーダよ。」


 「最近どうなの?仕事は?」


 「忙しいですよ。もうすぐクリスマスですからイベント大詰めってところです。」


 「そうなの?頑張ってるわね。」


 「はい。でも、このイベントを乗り越えたら仕事納めなんでもうちょっとです。」


マスターと世間話に花を咲かせていると、翠君と話していた女性の「私とクリスマスデートいかない?」という声が聞こえた。驚いてこっそり翠君の方に目をやると、女性が翠君の手を握り、翠君を誘っていた。


 「あら、あの子意外と積極的なのね。ちなみにあの子は翠ちゃんの先輩らしいわよ。」


翠君のことは諦めると自分で決めたはずなのに、胸が苦しくなっている自分が嫌になった。私はカクテルを急いで飲み干して喫茶店を後にした。


 「ごちそうさまでした。」


 「ちょっと牡丹ちゃん。」


家に帰りついた私はベットにうつ伏せになり、今日のことが忘れたいがために眠りについた。だが、忘れることができず次の日からの仕事に力が入らなかった。ミスはしなかったものの、雰囲気は悪かったと思う。喫茶店へも忙しさを理由に数日間いかなかった。


 

 「何やってるんだろ私。」


仕事に力が入らないままクリスマスを迎えた。イベント中は集中しようと気合を入れて取り組んだ。大物アーティストやお笑い芸人を呼んだ今回のイベントはクリスマスというのもあってカップルや家族連れで満員になった。大きなトラブルもなくイベントはなんとか無事に終了した。

イベント終了後、私は自分の家へと向かって歩いていると、いつもの喫茶店の明かりがついていることに気づいた。


 「今日もやってるんだ。頑張っているなー。」


だが、私は数日前に事を思い出し喫茶店をスルーしようとした。すると、マスターが扉から出てきて


 「数日ぶりね牡丹ちゃん。入っていきなさい。」


 「でも。」


 「でもじゃない。待ってる人がいるわよ。」


 「待っている人?」


私はマスターの言葉を不思議に思い、喫茶店に入ることにした。喫茶店に入るとそこにはバーテンダー姿の翠君がいた。


 「あれ?なんで翠君が?デートに行ったんじゃ。」


 「デート?あぁ先輩の誘いなら断りましたよ。」

 

 「なんで?せっかく。」


 「まあまあ、とりあえず飲みましょうよ。翠ちゃんお願い。」


すると、翠君は前より良い手際でカクテルを作っていった。たくさん練習したんだろうなと素人の私から見てもわかった。


 「どうぞ、フローズンマルガリータです。最近、元気がないとマスターに聞きましたのでこのカクテルを作らせていただきました。」


 「どういうこと?」


 「カクテルにも花言葉のようにカクテル言葉っていうのがあるの。フローズンマルガリータのカクテル言葉は『元気出して』よ。」


 「最近仕事が忙しくて疲れていそうとマスターに聞きましたし、最近来てなかったのも忙しいからかもしれないからと思いまして『元気を出して』の意味のあるこのカクテルを作りました。」


翠君とマスターのやさしさに思わず涙が出そうになったが、心配させまいとぐっとこらえた。


 「ありがとう。翠君嬉しいわ。」


 「あの朝陽さん明日は仕事休みですか?」


 「え?休みだけど。」


 「じゃあもしよかったら、俺と明日デートしてくれませんか。」


 「え?」

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