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71話 勇者無双-①

さて、魔国についたため、まずは泊るところを探さなければいけない。


って、なるはずだったんだ。誰が頼んで高級ホテルで過ごすことになったんだよ。

カレンのやつ。勝手にいろいろ進めやがった。

部屋は三部屋、しっかり三人分である。

調べたところ魔国の最高ランクのホテルである。未来が駄々をこねた結果でもあるらしい。もちろん、ホテルのグレードに駄々をこねたのではなく、他の龍たちに囲まれて、さらに俺たちも近くにいないことに駄々をこねた結果である。それに加えて、カレンが調節してくれたおかげでもある。幸い、ホテルは大会関係者及び来賓で貸し切られていたため、部屋に若干の空きがあったらしい。


というわけで、泊るところは決まった。しかし、まだ夜まで全然時間があるため、町に出ていくことにした。

未来は今はちょっと忙しそうだったので、トメイだけを連れていく。いや、連れていくつもりはなかったのだが、勝手についてきた。


「トメイはなんか見たいものある?」

「魔国のことはあんまりわかんないから・・・あ、洋服、ほしいかも。」

「この間武器屋で何着かもらってなかったか?」

「・・・普通の服じゃなかった。」

「あ、そういうね。機能美じゃなくてシンプルな服が欲しいのね。」

「そういうこと。」


しばらくして、


「この服!この服がいい!あ、こっちも、こっちも欲しい!」

「おい、何着買うつもりだ。着る服だけに絞りなさい。無駄にフリフリとした服は日常生活で少し着にくいからやめておきなさい。おしゃれ用の服は数着しか買わないからな。」

「じゃあ、仕事着ならいいってこと?」

「何の仕事だよ。」

「お世話。」

「誰の。」

「あなたの。」

「俺のことなめてる!?」


お世話とは、俺はペットかなにかか?


「だってメイド服なら無駄にフリフリしてても許されるじゃん?」

「どういう理屈・・・あ、物語に出てくるようなメイドさん想像してない?普通のメイドさんはそこまでフリフリした服着ないからね!?」

「お仕事頑張るからぁ~。ね?ご主人様?」

「なんでそうなる。あと、変な呼び方やめなさい。」


結局めちゃくちゃ服を買わされた。

特にメイド服。普通の機能美を重視したようなものじゃないから、値が張って困る。いいじゃん、エプロンだけで。どっかそういう趣味がある人でもない限り、機能美を追求するぞ。普通。

ギルドでもらえるバックがなかったら危なかった。あれには無限に収納できるから。

それに、なんかメイド服気に入って着て帰るとか言ってる。絶対に未来が後で怒るやつだよ。自分も服が欲しいって。(ちなみに案の定そうなったので、後日服は買ってあげることにした。)


「さて、買い物も終わったし、帰るか。」


本来は観光をする予定だったんだけどね。


と、二人で歩いていると、なんか前に屈強そうな男たちが現れた。


「お嬢ちゃん。いい服着てるじゃないか。」


やっぱり、やばそうな人たちなので、逃げるとする。


「ほら、トメイ、逃げるぞ。」


後ろ振り返ると、すでに羽交い絞めにされていた。


「やだー、離してぇ!」

「おい。間違ってもこんなところで能力は使うなよ。」

「心配するのそっち!?」


いいじゃん、敵弱そうだし、ふざける余裕くらいはあるよ?


「早く助けてよぉ・・・ご主人様ぁ・・・」

「そんなこと言うと余計助けないが?」

「早くしてよぉ~!」

「あーわかった。はいはい、ちょっと待・・・」


その時、目に入ったのはトメイを羽交い絞めにしている男の腕が切断された瞬間だった。


「ぐあぁぁ!」


見えなかった。今、何が男の腕を斬り落としたのか、まったくわからなかった。が、付近に剣を持った女性がいるため、たぶんその人が斬っている。


「なんだてめぇ!」

「死にやがれ!」


男たちがまとまってその女性に攻撃を仕掛ける。


「どうせ人魔共同前線の下っ端か何かでしょ。弱い。」


遠距離から魔法で攻撃したもの達も含め、全員が一瞬でその女性に対して敗北した。


10秒ですべて終わった。


「あ、ありがとうございます。」

「あ、えっと、その、ああいう人たちは、その、高級そうな服来てたりすると襲ってくるので、えぇっと、とにかく、気をつけてくださいね。」

「そうなんですか、ありがとうございます。」

「で、では、私は、この辺りで・・・痛っ!」

「「・・・」」


その女性が振り向いて歩き出そうとした瞬間、後ろにあった街灯にぶつかった。


「大丈夫ですか?」

「あ、うぅ、恥ずかしい・・・」

「助けてもらいましたし、お礼に何かできること、ありますか?」


あれだ、たぶんこの人、戦い以外のこととなるとめっぽう弱い人だ。

ここは助けておいた方がいい。


「ふぇ!じゃ、じゃあ・・・その、一つ聞きたいことがあるんですけど・・・」


その女性は地図を開き、俺たちが泊るホテルを指さした。


「ここってどうやって行くんですか?あの・・・私方向音痴で・・・」

「あ、それなら俺たちも今から向かうので、一緒に行きますか?」

「いいんですか?でも、迷惑かけちゃう・・・」

「大丈夫ですよ。」


だって、さっきこの人、ホテルと逆の方向に進もうとしてたからね、方向音痴がすごすぎて逆に怖いよ。

って、あれ?


「このホテルって、今回大会関係者で貸し切りですよ?もしかしてあなたも大会関係者ですか?」


言い終わってから気が付いた。何も『あなたも』じゃねぇ、俺大会関係者じゃねぇもん。


「そう、ですね。一応。ゲスト?として呼ばれてますけど・・・あなたは何者ですか?」

「えぇっと、観光客?」

「あれ?大会関係者の貸し切りだったはずじゃ?」


立場が逆転したらしい。いや、してないか、最初から何も変わってないじゃないか。


「えぇっと、まぁ、知り合いに来賓の人がいたのでその人についてきたというか、なんというか・・・」

「そ、そういう人もいるんですね。」


半分くらいニュアンスが違うが、まぁ、良しとしよう。





「どこの国から来たんですか?」

「隣のナノ国って国です!」

「お嬢ちゃん。この鉄の塊は何?」

「銃!」


なんかトメイと仲良くなっているが、「銃!」とかあんまり言わないでほしい。


「あ、つきましたね。」

「ついたー!」

「そ、そう言えば、まだ名前を聞いてなかったですね。」

「名前?俺の名前は快成、こいつがトメイ。」

「なるほど、また困ったら部屋を訪ねさせてもらうかも・・・しれません?」

「自分で「?」をつけてる・・・」

「私の名前はユシアです。えぇっと、覚えておいてくれると・・・嬉しいかもです。」

「大会にゲストで呼ばれてるんですよね。応援してます。」

「あ、うぅ、恥ずかしい、ありがとうございます。」


その後は夕食を食べて、寝た。

未来とも合流し、いよいよ明日は大会開会式である。

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