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70話 最強の冒険者-②

「この世界が何であるかも、私はすでに理解している。」


空気が、一気に重くなる。


「理解したからと言って、何ができるというの―――」

響音流(きょうおんりゅう)一の太刀『すみれ』」

「っ・・・?何も起こっていないじゃな・・・」


フランソルが前に進もうとする。それと同時に首がとれる。


「あ・・・」

「フランソル、君の本体ならまだしも、遠隔操作している端末で私の攻撃を見切れると思うな。」

「なるほど、やはりあなたを表舞台に出させようとしている私の考えは間違いではなかったみたいですね。」

「やはり首を刎ねたくらいでは端末は倒せないか。ならば・・・」

「そんなに戦いたいなら続けてもいいけど、ここで戦うのはおすすめしませんよ。」

「それもそうか、一応、町中だからな。」


オルガンから発せられていた。感じられない殺気がなくなる。


「で、オルガン様。大会には参加してくれるということでよろしいんですよね。」

「私の対戦相手が勇者であることに変わりないなら、参加はする。」

「えぇ、対戦相手は勇者ですが、なぜそこまで勇者に固執するのですか?」

「理由は簡単だ。私が久しぶりに強いものと戦いたくなっただけだよ。現在の勇者がどのような戦い方をするのかも気になる・・・これではだめか?」

「あくまでも建前しか話してくれないということですか。」

「いや、言っていることは本当だ。ただ、言っていないことがあるだけだ。」

「なるほど、まぁ深く追求する必要も無いので別にこれ以上聞いたりはしません。ただ・・・」

「ただ?」

「教えてほしい。あなたがいつから、そしてどれだけこの世界について知ってしまったのかを。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


気が付いたら魔国に旅行へ行く日であった。

急いで身支度をして急いで家を出る。王宮の転移魔法陣を借りるため、遅刻は許されないのである。


しかし、王宮まではギルドの転移魔法陣を利用して30分程度で着くため、そこまで急ぐ必要は無かったらしく、早めについてしまったので当日の席を確認している。


「今回、自分とトメイは通常席で、未来は来賓席となるから、席はばらばらだな。まぁ問題無いだろ。」

「いいなぁ、来賓席っていろいろおもてなしもあるし見やすいんでしょ。」

「いやだ!来賓席はいやぁ~!」


なら譲ってくれ、来賓席がいいんだよ、こっちは。


「そんな暴れないでくれ、頼むから、おい、爪を立てるな、痛いから。」

「この来賓席の配置だと東龍国の人たちが周りにいるから私が強制送還されちゃう!」

「え、なら強制送還されてきてよ。」

「てことで、トメイちゃん?席交代しよ?」

「いや、やめておくわ、普通に私の命が危ないから。」

「確かに、偽りの龍を作れる存在を龍国が許すわけがないもんね~。ということで席交代しよ?」

「なんでそうなるの!?」


「久しぶですね。転移まではまだ時間があるのでゆっくりしていってください。」

「付和、久しぶりだな、なんかおかげで面倒なことに巻き込まれたが、楽しそうだから良しとするよ。」

「今回はかなり大きなイベントですからね、もしかしたらお知り合いの方もいるかもしれませんね。」

「いたら困るんだが・・・てか、ヘイダルとかってどうやって行ったんだろう?前回会ってから三日ほどしかたっていないし、普通に考えて移動は不可能であるはず・・・」

「この間、魔国にギルド支部ができたらしいですから、その転移魔法陣を使用したのでは?まぁ、国家間の移動なので現在は試験的に関係者にしか解放されていませんが、武器屋のヘイダルさんなら、もしかしたら使用可能かもしれませんね。」


「なるほど、この間魔国を訪れたときにギルド支部を配置したのか。」

「今回、Sランク冒険者を警備としてかなりの人数送るとかいう話を聞いたので、それでお知り合いがいるかもしれないということですよ。ちなみに、キルトさんは来賓席にいるみたいですよ。」

「あ、そうなんだ。」


あいつがいるとなんか面倒ごとに巻き込まれる気がさらにするが、まぁ関わらなければいいだろう。


「わぁ、快成さんだ!お久しぶりです!」

「アトか・・・」


面倒ごとを持ってきそうな人がこっちにもいた。


「お久しぶりです、アト様。アト様も大会に招待されているのですか?」

「うん、もちろんです。私だって王族ですから。」


一応、周りに王宮関係者が多いため、丁寧な言葉を使っておく。(こんな奴に敬語を使いたくないとか言ったらすぐに首が飛びそうである。)


「さて、転移魔法陣をそろそろ起動させます。皆さん位置についてください。」


そして、俺たちは魔国へと向かう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


案内はミーヤが行うらしく、俺とトメイはは来賓でもないので即座にその場から離れようとしたが、


「あれ?快成だ。なんでいるの?」


後ろから声が聞こえたので振り返ると、そこには魔王カレンがいた。仕方がないことではある。だって転移したの魔王城の中だったんだから。


「あ、お久しぶりです。」

「貴方には特権をあげたんだからもっと普通に話してくれていいのに。それと、隣の子は・・・あぁ、あの時の子か。」

「は、始めまして、えぇっと、この間はすみませ・・・」

「いいのよ。気にしないで。あなたにも快成に渡した特権を有効とするから、遠慮なく話しかけてね。」

「ふぇ、そ、そんなこと言われましても・・・」

「というか、来るんだったら連絡してくれればよかったのに、来賓席とまではいかなくても、指定席をとっておいたのに・・・」

「いやぁ、数週間前に急に決まりましたからね・・・」

「まってね、席が空いてるか確認するから・・・あ、来賓席に数席余裕をとっておいたのよね。そこを使いましょう。あと、龍王女様はどこにいらっしゃるのかしら?」

「未来なら来賓席が別に確保されてただろ?だからそっちの方に・・・」

「うわ、ミスった・・・今すぐ龍王女様の席の位置変えてあなたたちの近くにしておくわ。嫌がってたでしょ。あの席、龍王女様、実質家出・・・違うわね。国出してるのに国の人・・・龍だったわね。と一緒にしたらかわいそうだものね。」


いや、むしろそっちにいた方が静かで助かるんですが?


「とにかく、そこら辺の調整はしておくから、我が国でゆっくりしていってね!」

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