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68話 喧嘩するには十分な武器を

「・・・うるさい」


早朝、まだ寝ていたいのに、目が覚めた。原因はたぶん。隣の部屋から来る喧嘩の声である。


「だからぁ!ここは私の部屋なんだから目が覚めたならとっとと出て行ってって言ってるでしょ!」

「やだ!私まだ寝てたい!第一、こんなに散らかってる部屋なら人ひとりいようが関係ないでしょ!」

「まさか、龍王女である私に逆らうつもりなんじゃないでしょうね!」

「は?龍王女とか言ってますけど、ただのポンコツなんだから黙っていてください!」


ここ一週間くらい、ずっとこれである。たしかに、トメイの部屋を作ってやっていないのが悪いとは思うのだが、それでもこんなに喧嘩しなくてもいいと思う。あれか?喧嘩するほど仲が良いってやつか?

とにかく、今日はトメイの部屋ができるので、それで喧嘩が治まるといいな。って思っていた時期もあったんだよ!


その後二週間経ったのに、次は三時のおやつの奪い合いで大喧嘩してるよ。これじゃあ惨事の時間だよ。もう、椅子も机も吹っ飛んでるもん。(たぶん未来が吹っ飛ばしてる。)俺はちゃんと人数分で分けられる量しか出していないはずなんだが?


「お前ら、そんなに喧嘩してると、今度の旅行連れて行かないからな。」

「やだ!喧嘩するけど行く!」

「どうせこの馬鹿王女は自分の国の龍たちに命令すれば行けるんですから。私だけ行きます。」

「はぁ~?馬鹿って何よ。」

「いや、なんと言おうが、馬鹿でしょ。」


ドカンとかバコンとかミシッとかバキッて音が家からする。あんまり喧嘩しないでほしい。一応、木製で手作りなのよ、この家。

とにかく、喧嘩しないでほしいのだが、それでも喧嘩するなら暴れないでほしい。


「とにかく、一週間おやつ抜きな。」

「「やだー、ごめんなさい!」」


謝ってきたがもう遅い、こういう時は徹底的に怒っておいた方がいい。たぶん。


「あ、そうだ、武器屋のヘイダルおじさんに武器を預けていたんだった。取りに行かなくちゃいけないんだった。」


実は一週間ほど前に町に出たときに武器屋によったのである。その際に未来とトメイの武具を作ってもらっていて、その際にセブンからもらった武器をよく見せてほしい、と言われたので、鑑定能力が高いらしいヘイダルに預けていたのである。

ちなみに、未来は今まで何度か戦ってきたから武器を欲しがるのはわかるのだが、トメイに関しては自分を守るための武器が欲しいというからお願いしたのである。幸い、金はいくらでもあるため、この際だからと、オーダーメイドにしたのである。


「さて、どんな武器に仕上がってるのかな~。ヘイダルおじさん!久しぶり!遊びに来たよ!」

「おぉ、快成君か、君の武器はしっかりと鑑定させてもらった!結果の正確性には自信があるからな、必要なら、そこの鑑定結果をまとめた用紙を持って行ってくれ。」

「おぉ、どれどれ・・・あ、長い、すっごく文字数が多い、相当能力盛られてるな。これ。」

「それと、お嬢様方二人には頼まれたとおりの武器を作っておいた。自分でいうのもなんだが、ものすごいものができた。裏にあるから持ってくる。ちょっと待っててくれ。」

「「はーい」」


ちなみに、未来が龍王女だということは公には発表していない(出来るわけない)ので隠している(かなりばれている気がする)ため、もちろんヘイダルにも内緒である。そのため、龍人(ナノ国にも住んでいる龍のような種族)だということにして、装備品を作ってもらった。龍王家は龍人とあまり変わりがないため、そこら辺は困らなそうである。また、トメイは、自らが戦うのではなく基本的に能力を使って戦う・・・つもりらしい。(武器がなかったからまだギルドの依頼の引き受けとかをしていないため、戦闘経験がゼロ。)そのため、能力『みんな友達』を使って戦うのだが、その能力がどのようなものかというと、自らのエネルギーを使い一定以下の力を持つ魔物の生成、操作、および、自らと契約を結んだ(友達になった)存在の召喚(応じるかどうかは任意)そして、これまた操作(これも身体を預けるかどうかは任意)することなどが可能らしい。そのため、エネルギーの補給に重点を置いて今回は装備品を作ってもらった。


「持ってきたぞ、これだ、あんなすごい武器を見せてもらったんだから、お金は取らん。そこにあるのはすべて持っていけ。」

「わぁ~!すごい!これ、全部もらっていいの!?」

「すごい、これ全部すごいやつだ。」

「喜んでもらえるとおじさんもうれしいぞ。」

「なんで泣きそうな顔してるんですか。」


と、いうわけでまた二人が互いに装備品を自慢しあうという喧嘩の亜種のようなものが始まった。

武器を使うのはギルドの訓練場にしておけと言ったのでまだ使っていないのにである。

そんなわけで、俺はヘイダルとの会話でその喧嘩が終わるまでの時間をつぶすこととなった。


「そう言えば快成、お前は転生者なのか?前に来たときはそんなこと言ってくれなかったが、この間スイアと情徒が来た時に教えてもらったんだ。」

「あいつら、勝手に話しやがって・・・」


一応、重要な個人情報なのだが、


「うちは武器屋だ。そちら側の世界の武器を知りたくてな。」

「なるほど、そういうことか。」


確かに、銃とか売れば商売が繁盛するに決まっているからな。とはいえ、


「あまりにもオーバーテクノロジーなものは作れないし、説明もできないし、世界の文明の流れを急変させる恐れがあるのでは?」

「あぁ、別にそんなことは気にしなくても大丈夫だ。この世界で銃を作っている人の内の一人が俺だからな。すごいだろ。」

「は?」

「なに、昔SSSランク冒険者だっただけだ。ギルドの秘密についても少しくらいなら知っているつもりだ。話せることはなにもないけどな。」

「強かったんですか?」

「どう思う?」


強いかどうかは正直言ってわからない。ただ、武器を見る鑑定能力の高さからしても、ただものではない。そして、本当に強い人は、その強さを隠せる。能ある鷹は爪を隠すとでも言おうか。


「強いかどうかはおいておくとして、ただものじゃないってことだけはわかります。」

「それでいい。今の若い者にはそのくらいの認識でいてもらえればいい。」

「それで、話を戻しますが、銃を作れるならどんな武器を知りたいんですか?」

「あー、武器という言い方が悪かったな。厳密にはそちらにある技術、発想、考え方、こういうものを知りたい。立場上、今まで何人かの転生者と話すことができたが、やはり毎回新しい発見がある。」

「なるほど、だったらこういうのとか・・・」





気が付いたら一時間ほどたっていた。

二人はすでに喧嘩をやめ、新しい武器を観察する時間に入っていた。

しかし、すぐに飽きてしまったようで、


「この武器早く使いたい~」

「訓練場あるんでしょ。早くいかせて。」

「おぉ、そうだった。実際に使っているのは作ったまだ俺も見ていないからな。さっさと訓練場に行こうじゃないか。」

「じゃあ、そうするか。」





場所を移してギルドの訓練場である。

最初から実践は危ないので、まずはヘイダルに使い方を学ぶ。。

俺は別に新しい武器とかそういうわけではないのでその様子を見るに徹する。今後の戦い(ギルドで依頼を引き受けた際の戦闘のこと)にどのように生かすべきかを考えるためである。


「まず、未来の武器だが、全て龍からとれた素材でできている。いや、言い方に語弊があるな。龍からいただいた素材でできたものだ。だからこそ、龍の加護がある、龍人である未来とは同調しやすい武器のはずだ。」


いくつか武器はあるが、その武器は、大剣、斧という感じで大きいものが多い。加護がありなおかつ未来だからこそ軽々と持ち上げているが、さっき持ったら普通にそれなりの重さがあった。というか、重かった。龍の力があるからこそ、このような大きな武器を扱えるとの判断なのだろうが、体の割に武器が大きすぎて不安定に感じられる。


「そう、龍の力を、体中に巡らせるようにして・・・」

「わかった!こんな感じかな?」


未来が大剣を一振りした。それと同時に、衝撃波まで発生した。その威力はすさまじく、練習場が破壊されそうになるくらいの威力であった。いや、実際にその衝撃波が練習場の壁にぶつかっていたらどうなってただろう。今回は壁の前でヘイダルが受け止めたが・・・え、ちょっと待て、衝撃波って受け止められても周りに被害が出るはずの物なんだよ。それを何?被害ゼロにするように受け止めたの?うわぁ、化け物じゃん。

とかいう感想が浮かんだが、まぁ、それよりもやばい奴らを何回か見ているからそこまで気にならないな。





続いて、トメイの武器だが、身に着けるアクセサリーが複数あったのと、見た目だけならば普通の服と大差ないものが多かった。しかし、それらには高い対魔法性能の加工がされており、服も素材的に切断しにくいものが多く使われており、物理面での防御力も高かった。ちなみに、服のデザインはヘイダルの知り合いが考えたようである。そのため、戦闘用というよりも日常生活で使うようなデザインである。


「デザイン担当には機動力を落とさないようにと頼んでおいてあるから、動きにくくはないはずだ。それと、装備品にはすべて自らの存在を隠す系統の魔法をかけてある。今回は、敵に見つからずに能力を発動することに重点を置いている。それと、頼まれたエネルギー補給の面についてだが、自らが生み出すエネルギーの回復効率を上げつつ、大気中からエネルギーの吸収を可能としたり、倒した敵からエネルギーを吸収できる武器を渡しておいたから、有効活用してくれ。」


未来の武器とは対照的に、ナイフや短い銃など、小さいものが多い。・・・銃!?待て待て待て、なんてものを持たせてるんだ!?


「第一、銃の使い方なんてわかるのか?」

「そう、そこの部分を引けばいいんだよ。トメイちゃん。」

「おい、なんで俺に向かって話しかけてるんだ?そこにトメイはいない・・・」


直後、背後からのものすごい殺気

急いで回避したが、弾丸が飛んできた。


「うう、反動が大きくない?この武器。」

「おう、隠密効果たけぇな。これは。」

「ま、今のくらいの殺気なら雑魚くらいは仕留められるだろ。それより強いと撃つ前にばれるがな。」

「怖。」


能力も込みで戦闘を行うとなるとそちらに意識を奪われるのでトメイの攻撃は全然脅威になりえそうである。


「さて、これ以上やってると訓練場を壊しそうだから・・・おもに未来ちゃんがね。だから、訓練はこのくらいにして、食事にでも行かないか?」

「ヘイダルのおごりか?」

「そうだな、お嬢ちゃんたち二人の分はおごってやる。」

「ヘイダル、まさかお前ロリコ・・・」

「否定はできないかもな。」

「えぇ・・・」

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