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神と魔法と転生が、世界を結ぶ物語。  作者: 安全シフト
第四章 龍王動乱編
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閑話17 あの日部室で交わした約束を-2

「これが戦場か、どうだい?避難区域に来る前と比べて状況はどのくらい悪化している?」

「元が100%だとすると、今は300%くらい悪い。」

「三倍って言えばいいだろ、それ。」

「細かいことはどうでもいい。アルメ・・・やばい、名前が思い出せねぇ・・・例の教祖によってトラグレのステータスは大幅に下がっているはずだから、一気に叩き込む。」

「じゃ、自分たちは自分たちで動くから、禁忌は禁忌で頑張れ!」

「おう、邪魔だけはすんなよ。」


エルフたちがトラグレに向かっていく。


「さて、俺もそろそろ、本気出さないとな。」


戦況は最悪だった。禁忌十三名で禁忌一人を相手しているはずなのだが、いまだに有効打を叩き込めていない。じわりじわりと、教祖の力によって能力の効力などが下がっているはずなのだが、おおよそ、このままでは下がり切る前に負ける。


「あんまり、使いたくはないんだがな。」


バテンが持っていたのは、一つのチップであった。同時に、スマホのようなものを懐から取り出し。チップをかざす。

画面には大量の情報が表示される。


《以下から使用する道具をお選びください。》


音声案内に沿って、画面を操作する。


「これがいいか。一番、痛くないやつ。」


00007:優しい死

種別:対人用殺傷兵器・銃

コメント:ねぇ、だれ?対人用殺傷兵器なんて作ったの。 追記:本当に、こういうのが必要になることってあるんだね。


《使用上の注意、この道具は人を傷つける恐れが・・・》


警告文をスキップする。


チップが変形し、銃の形となる。


「さて、始めるか。あくまでも武器の名前だ。トラグレ、死ぬなよ。」


トラグレに近づく。それだけで、圧倒的な存在感によって、押し潰されそうになる。


「あはは、面白いですねぇ。禁忌の体はここまで無理をしてでも動くのですか!」

「うるせぇ、トラグレの口を使ってそれ以上喋るんじゃねぇ。」


連射。弾丸をトラグレに対して打ち込む。一秒間に何発撃ちこめるのかは覚えていないが、かなりの数の弾数を撃ちこめたはずである。


「あぁ、さっき逃げたと思っていた禁忌ですか。何をしたかは知りませんが。相当面倒くさい事態にしてくれたみたいですねぇ。」

「黙れとっとと死ね。」

「ですが、禁忌の相手だけならばまだ対処可能。あなたたちの負けは確定しているのですよ。」

「それはどうかな?」


風属性の魔法がトラグレに直撃する。


「ちぃ、誰ですか。話しているんですが。」

「相手が禁忌だけではないってことを教えてやったんだよ。」

「邪魔ですねぇ。ではまずはあなたたちからですかぁ・・・うるさい、私の体でしゃべるなぁ!」


トラグレが、自らの体の主導権を取り戻し始めた。が、


「体はまだ私に主導権があるみたいですねぇ。トラグレさん。諦めてくれません?・・・うっさいなぁ、これは私の体なんだよ。あんたに邪魔されたりなんか!・・・この技、まだ使っていなかったんですよね。使ったらどうなるんでしょうかねぇ。」


そう、トラグレが言い終わると、空に大きな穴が開く。


そして、その穴から放たれる光によって全員の体が貫かれていく。


「てめぇ、トラグレに、そんな技使わせて・・・ぐはっ・・・トラグレの体がもたないじゃないか。」


セブンが口から血を吐きながらもトラグレに対して対話を試みる。


「うるさいですねぇ。最初に殺しておきましょうかぁ。」


セブンに対して大量の光が迫る。


「間違えんなよ。最初に死ぬのはあんただ。能力、『書籍改変』。」


能力、『書籍改変』禁忌の中では最弱の能力でもあり、ときに最強の能力となる。

書籍———セブンの能力では特に物語が書かれた本のことを指す。

能力の発動にはセブンが内容を完全に記憶した書籍が必要であり、能力を使用すると、その書籍はこの世界から消失し、存在しなたったこととなる。

代わりに、得られる効果は強力であり、物語と全く同じ空間を作り出すことが可能なのである。また、その空間は時の概念から独立しているため、現実世界の時間は止まったまま、その物語の中の時間のみが動き出す。空間への出入りはすべてセブンの意思で行われる、または、セブンがその空間内で死亡した場合、おそらくだが、空間が崩壊するものと思われる。そのため、もし閉じ込められたならば、その場でセブンを倒さなければならない。しかし、セブンはこの能力に基本的には自分が執筆した小説を利用するため、セブンを倒すことが不可能な空間を作り出されるのである。よって、セブンにこの能力を使わせた場合、ほぼほぼ負けである。

ただし、能力発動時に抵抗したりして、セブンの使用可能な書籍を全て使い切らせれば能力は発動不可となるため、相手の有利となるのである。


今回の場合は、敵を能力の空間の中に引きづりこめた。

そして、外部からはその事象を認識できない(事実上時が止まっている)ため、その出来事は一瞬のことだった。


皆の前に、瀕死のトラグレと、完全に回復したセブンがたっていた。


「抵抗不可能な空間における一方的な暴力、さすがですねぇ。」


敵が魂だけとなり、生存している。


「今回は退いてあげましょう。では、またいつか。」


敵の魂が消失する。


「逃がすかよ。」


またしてもエルフによる攻撃が敵の魂に向かって放たれる。


「ちぃ、邪魔なんですよぉ。この子たちを置いておくので遊んでおいてください。」


エルフの周辺に数人、何者かが出現する。


「な、お前ら、敵に捕まったって、まさか、操られてるんじゃないだろうな・・・」


敵が言っていた。『もう一つ』その存在が今出現した彼らである。


「っ!おい、禁忌!その魂は譲るから、確実にとらえろ!」


「お前に指図されるまでもない!」


バテンが魂に対して連撃を仕掛ける。だが、魂はそれをはるかに超える速度で回避していく。


「退いてあげるって言ってるんですよぉ、邪魔しないでもらえますかねぇ。まぁ、逃げ切ったのでいいですが。」


次の瞬間。大地が爆ぜる。と、同時に、地面から出現する。存在———


「嘘だろ、あれは・・・っ!」


それは善意と悪意の紡がれしもの。


『夢から覚めし現実』


そして、世界は反転する。

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