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神と魔法と転生が、世界を結ぶ物語。  作者: 安全シフト
第四章 龍王動乱編
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64話 狙いは、

「君にとっては、それが最善の道なのかもしれない。

私にとっては、あちらが最善の道なのかもしれない。


正解など、存在しないから。


どうか、君に分かってほしい。

まだ今は、知らないままでいいから、いつか、理解してくれればいいから。


だから・・・今は引っ込んでおけ!」


「うるせぇ、つぶれろぉ!」


両者の蹴りが衝突し、衝撃で砂埃が舞う。


「いつまで抵抗を続けるつもりだ。バテン。君の再設計された魂では私への攻撃はすべて無力化される。」

「いつまでって、あんたがあきらめるまでだよ。それに、そんな設計知ったことではないんだよ!」


再び、両者がぶつかり合う。

火花が散り、大地が爆ぜる。


「派手にやってるね。」

「セブン・・・なにが『派手にやってるね』なの!早く止めないとだめだよ。」

「ここで邪魔するっていうのもね。先生にとってもバテンにとってもこれは譲れないものを懸けた戦いだからね。だから『トラグレ』、君も邪魔しないであげてね。」

「・・・わかったよ。」

『第三者によるシステムへの介入を確認。これより、排除を開始します。島民の皆様は避難シェルターへと直ちに避難してください。繰り返します・・・』


「俺が時間を稼ぐ。お前らは逃げろ。俺は、記憶域のデータは常にバックアップしている。同じ性能の本体を作ってくれればいつでもまた会える。だから、俺のことは気にせず逃げろ。」


警報が鳴り響く中、自然が俺たちを逃がそうとする。


「バックアップって、どこに・・・」

「いいから逃げろ。早くしろ。数十秒稼ぐだけでもしんどいんだからな。」


次の瞬間、カオスが視界から消え、同時に自然に殴りかかっていた。

自然は受け身をとり、かつ、各種シールドを張っていたが、それでも、攻撃を受けた部分が破壊された。


「さて、俺も本気を出さないとだな。申請:制限解除・・・されないか。強制:制限解除」


『一機がコントロール下から外れました。これより、破壊作戦を実行します。島民の皆様は避難シェルターへと直ちに避難してください。繰り返します・・・』


警報の種類が増えた。自然が何をしたのか知らないが、とにかく、一度この場から離れよう。って、思ってた時があった。

島の各所から攻撃が開始されたのである。魔法、物理、全ての防衛設備が、起動する。(もちろん物理は銃である。)

その攻撃から逃げ切るので精一杯。自然はカオスの相手を行っているため、こちらを助ける暇もない。いや、助けられる前提で来ているわけではないんだけれども。

とにかく、どこに逃げても攻撃が当たってしまう。一応、近くの岩の裏に皆で退避したが、この岩がいつまで持つかも怪しい状態である。


「どうする?この状況。」

「どうするも何もねぇよ。大ピンチだ。」

「また、さっきみたいに龍を呼び出すこともできるよ。そうすればきっと。」

「却下だ。龍は体が大きい。この島の設備による攻撃を防ぐことができても、カオスの攻撃を受ける。そうすれば、龍といってもただでは済まされないと思う。

「ねぇ、龍王女様とさっき召喚した龍ってどっちの方が頑丈なの?」

「え?そんなの私に決まってるじゃん。」

「さっきからいろいろと調べてたんだけど、さっき召喚された龍があのカオスの攻撃でそれなりなダメージを受ける。そして、島の防衛設備による攻撃ではそこまでダメージを受けない。それで、龍王女様の方が守りが固いっていうなら、龍王女様が先陣を切っていけばいいんじゃない?」

「えぇ、やだよ。痛いもん。確かに的は小さいかもしれないけどさ。」

「そんなこと言わないでよ、今ここにいる人の中で一番守りが固いの龍王女様なんだからぁ!」

「もー、分かったよ。今から私が出るから、敵の注意がそれたら後からついて来・・・」


後方にあった岩が割れた。そして、同時にそこから自然が飛び出してきた。たぶん。自然が当たって岩が砕けたものだと思われる。


「おい!大丈夫か!?」

「どこが大丈夫そうに見えるんだか、すまないね。これ以上は無理っぽいな。」


先ほどまでは(一度解体されたときを除き、)限りなく人と同じような存在に見えていた自然だったが、今はもう、中身の機械が2/3ほど見えてしまっている。

うん。失礼なこと言うけど、見た目化け物。


「おまえ、何か今すごく失礼なこと考えなかったか。」


こんな会話ができるから、きっと、重要なところは壊れていないんだろう。

と、そんなことをほんの一瞬思っていただけだったのだが、カオスが追い付いてきた。


「ターゲット確認、殲滅開始。」


カオスがこちらに手を向けてくる。


「来るぞ!」


カオスの腕から放たれる。物理と魔法、両方の攻撃、同時に防ぐのは難しく、攻撃速度も目で追える速度を超えているため、回避は困難である。

しかも、対転生者用システムとかいうものも組み込まれているらしい。もう、悪意しか感じない。しかし、どこが対転生者用システムなのかいまいちわかっていないので、何とも言えない。


カオスの攻撃が始まってから数分がたった、こちら側が攻撃に転ずる暇もなく、カオスによる連続攻撃が放たれる。しかし、ここまで何とかよけきれている。

理由は簡単。カオスが俺にしか攻撃してこない。そのため、攻撃の軌道を読みやすく、誘導攻撃などもしてこないため、向かってくる攻撃を何の疑いもなくよければよいのである。(とか言っているが、攻撃速度は速いのでかなりぎりぎりである。)

また、一部攻撃は現在攻撃を受けていない三名が相殺してくれているので当たりかけても当たらないといった感じである。


「にしても、なんで俺ばっか・・・」

「お前ばかりというよりもお前だけという感じだな。どうなっている?」

「何か裏があるって考えた方がいいんじゃない?」

「たぶんそうね、問題は、それが何かわからないっていう点ね。」

「よく考えろ、対転生者用のシステムだ。転生者にだけ理解できない何かや、転生者には意識できない何かがあるはずだ。」

「うーん、そうは言われても、俺が理解できないから対転生者用システムって言われるんじゃないの?」

「そうなんだよな。だが、俺たちも気づけないとなると・・・」


さて、ここで転生者とは何か、もう一度考えてみる必要性が出てきた。

転生者とはこの世界では基本的には異世界から来た人のことであり、異世界の知識を持っているものである。

現在、俺の知っている限りは、俺と同じ、または類似する世界から来ていると推定される存在しかいないが、別の世界からも転生して来ているいる者がいるのかもしれない。

となると、ますますわからなくなってきた。第一、転生者という言葉の定義通りならば、この世界で死んでこの世界に転生するということも、可能であり、記憶を引き継いでるとも限らない。別の世界からとはいえ、同じように魔法が存在したりする世界だった場合は、機械的な面では考えられない。それでも、すべてに共通することがあるとしたら?それは、転生したという事実だけである。


「待てよ、自然、転生のシステムがどうなっているか知っているか?細かくだ。定義じゃない、転生の仕組みについてだ。」

「何か引っかかったのか?自分は詳しくは知らないが・・・転生するトリガーとなる現象はいまだ不明。確実に言えることは、よく一緒くたにされることが多いが転生者のほかに、転移者というものが存在する。『転移』と『転生』はこの世界では一応はっきりと区別されるという点だ。・・・あぁ、そういうことか。」

「ということは・・・『転移』は魂をそのまま移動しただけ、対して『転生』とは魂を初期状態に一度戻すという作業が入る。違うか?」

「あぁ、そうだ。厳密には、『転移』は魂それ自体に変更はない。外見も変わらない。『転生』は魂が別物、そこまでいかなくとも、当時とは何かしらが変わっているものだ。外から見てわかりやすいのは外見とかだな。」

「ということは、俺は『転移者』ということであって、対転生者の用のプログラムは機能しないということか。」

「そういうことだ。となると、余計に謎が深まるが・・・いや、これがすべて誘導攻撃であるとして、本当の狙いが『転生者』であるとしたら。話は違うか。」

「転生者っていうのはてっきり、快成のことかと思っていたが・・・」

「あれ気が付いてなかったんだ。ターゲットは、あんたと同類よ。」

「・・・なるほど、アト、よくもやってくれたな?目の前に表示されている画面はすべて偽りのものであって、要するに最初から狙いは・・・!」

「そういうこと、転生者用って言って、快成を思い描いたのは、ちょっと思考力が足りないことを意味してるんじゃない?まぁ、どうせあんたの想定だと快成君が狙われて、それを助ける形でやむを得ず、バテンが介入するって形だったんだろうけど・・・【かつて禁忌に行われた魂の再設定は転生の一種】であるからね。」

「お前の目的は、バテンの戦闘データではなく、バテンの、いや、禁忌の魂についての情報、それを手に入れるためには一度魂に直接干渉する必要がある。そのためのプログラムで、その結果次第では、俺を殺るつもりだったってことか。」

「お。また一つ賢くなったね。偉いね。ま、そうなったら私の負けだね。どうせこの体、遠隔操作してるだけだしどうでもいいけど。」

「お前はやはり危険すぎる。今までは放置しておいたが、このことは全員に共有させてもらう。それと、次に飛ぶのは貴様の本体の首だ。」

「やってみなよ。禁忌の一号さん?簡単に私の本体の首を跳ばすとか言ってるけど、私のお兄ちゃんの足元にも及ばないあなたがそれをしたところで・・・もう、これ以上は必要ないでしょ。」

「目障りだ。消えろ。」

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