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神と魔法と転生が、世界を結ぶ物語。  作者: 安全シフト
第四章 龍王動乱編
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60話 偽りの龍-③

「よって、俺の提案は・・・」


自然が歩きながらこちらへと向かってくる。


「彼・・・コスモスが言っていたことなんだが、カオスというのは混沌を指す。そして、それは悪としてとらえられることが多いが、それは大きな間違いである。」


自然が、いつもに増して流暢に話す。いつもなら、提案だとか、解答だとか、先に前置きをしてから話すはずなのだが、


「確かにカオスというものは秩序を乱すものである。それは、規則を作る側としては邪魔であり、悪となるものだろう。しかし、規則を破る側からしたら正義なんだよ。わかるかい?秩序というものも、時に悪となる。だからこそ、両者が互いに程よいエネルギーの関係である必要がある。かつて、秩序のみの世界を作ろうとする人は何人もいた。だが、それらはすべて、不可能に終わった。だが、もしも、秩序も混沌もそのような概念が存在しない世界があったとすれば?その世界は幸福な世界なのか、はたまた残酷な世界なのか。それは誰にも分らない。だからこそ、このプロジェクトを三教師たちは始めた。」


三教師?いったい何のことだかわからないが、少なくともバテンが反応した。表情が変わったのである。何とも言えない表情だが、少なくともプラスの感情ではない。


「プロジェクト名『還元の零』俺たち三人を束縛するだけなら、まだいい。そうでないなら、もう、どうせ機能していないこのプログラムごと終わらす。」

「三教師・・・嫌な単語を使ってくれるじゃないか。で?作戦内容は?それと、君が今まで流暢に喋らなかった理由は?」

「流暢に喋らなかったのは、俺が完全に復旧していたわけじゃないからだ。というか、今でも完全に俺の中でのシステムは復旧していない。要約:よって、今すぐにでもこの発言体制に戻しました。」

「過去形かよ・・・どうでもいいけど。」

「で、一瞬無理やりにでも体を動かした結果、何をした?」

「回答:カオスシステムへのハッキングに成功、本体と依代との間のつながりをほぼ切断しました。ただし、残っているカオスエネルギーによって暴走する可能性が約98%であるため・・・回答を変更、:暴走しているため、全力で攻撃することが可能となりました。」

「また過去形だ・・・いや、現在進行形か?・・・じゃなくて、なんで本体に全力で攻撃することが可能となったんだ?」

「能力暴走時には体の周りが能力の・・・そうだな、能力エネルギーとでも言おうか、それをまとうことになる。要するに、鎧を着た状態になるようなものだ、ちょっとくらいの攻撃じゃ通用しなくなる。代わりに、全力の攻撃を行っても重傷を負うリスクが減る。」

「なるほど。」

「提案:能力暴走は非常に危険です。今すぐ戦闘に入った方がよいでしょう。」

「言われなくとも、分かってる、と言いたいんだが、あいつ、浮いているのはずるくない?俺も最近練習して浮遊魔法は覚えたが、長時間は無理だぜ。」

「練習する時間あったんだ・・・」

「とにかく、どうすればいい?」

「提案:バテンの力を貸せばよいのでは?」

「却下だ、面倒くさい、それに、快成への負荷も大きい。」(だから、俺からの提案だ。)


急に念話に切り替えられた。


(俺が今から空間障壁を作り、その座標ををお前の脳に直接送る。だから、その障壁を床にして、空中戦を行え。)


空間障壁とは何ぞや、という質問をする暇もないのでとにかく、了解する。


俺は、地面を蹴って、大きく跳ぶ。そして、とんだ先には空間障壁(ちなみに、説明が遅れているが、空間なのでほとんど目に見えない。)を使って依代の近くまで駆け上る。


「それにしても危なすぎるだろこれ!目では何も見えてないからな!」


一応、脳に直接情報が送られてきているので、場所はわかるのだが、感覚でしかわからないため、たぶん、数㎝の誤差がある。なので、はじっこを踏もうとすると、全然落ちそうなのである。あと、ついでに言うと、脳に送られる情報量が多いので非常に頭が痛い。痛すぎる。

それと、もう一つ問題がある。目で見えている範囲でも龍もどきが10体以上いるのである。あれをよけるのは不可能に近い。というか、すでに、挟み食いされそうになっている。(挟み食いとは?)


「死ぬから早く助けろぉ!」

「なんか叫び声が聞こえるな。」

「回答:本当に助けないと死にますよ。」

「・・・めんどくさい。おい、ヒカリ、倒す龍の順番を間違えるなよ。」

「え?あ!あぁ!わかった!それなら早く言ってよぉ!」


その後、何とかヒカリの支援があってぶじ依代までたどり着いた。後は、戦闘不能にするだけである。


(遠くて声が聞こえにくいだろうから念話で話すが、戦闘不能にさせる方法は簡単だ。真っ二つに切れ。いや、実際には切れないと思うが、そのつもりで斬れ。たぶん、依代となっている肉体の半分まで切れる。そのくらいなら全然回復可能だから、やれ。)


えぇ、なんともまぁ残酷な注文でしょうか、ただ、それならやりやすい。


「『高斬一斬(こうざんひとぎり)』」


斬ってみると本当に刃が通りにくく、剣が体の途中で止まった。(急いで引っこ抜いたが、)


「転生の者か、なるほど、覚えておけ・・・がはっ!」


すこし依代がしゃべった後、落下してきた。ちなみに俺も落下している。うん?足場は?


「そんなものないに決まってるだろ。」

「さすがにひどくないですかね?」


自由落下していく。あれ?前にもこんな事あった気がする。前回は落下速度が軽減されたけど。今回はないらしい。

地面にたたきつけられた。痛いどころの話じゃない。


「普通に10mくらいから落下したんですが。」

「さて、依代の状態は大丈夫かな?」

「おい、お前ちょっと待て。俺の心配をしろとは言わないけど、少しくらい気を使ってくれ。」

「転生者があの高さから落ちて死んだという話は聞いたことはない。」

「でしょうね。だってふつうあの高さから落ちないから、データが不足してるんでしょうね。」

「で?自然、依代の状態はどうだ?」

「解析結果:カオスが抜けた後、即座に治療魔法を施したので、しばらくすれば目を覚ますでしょう。」

「なら、大丈夫だな。残ってる龍もどきはもう増えていない以上、あと少しで片付きそうだな。」





龍もどきは、その後3分で倒されつくした。

指示役であった依代が倒された以上、本能のままに(本能があるのか不明が、)動いていたため、即座に討伐が可能とされたらしい。

未来とヒカリは疲れて二人で休憩している。

依代となっていた少女だが、健康状態が非常に悪かったのか、異常なまでに痩せている。


「やっぱり、この世界もこういう人ってかなりいるんですかね。」

「いや、こいつはまだましな方だな。奴隷にもならず生きていれるだけましだ。」

「そう言えば能力者のリストとかって言ってたけど、それって何?」

「各国が秘密裏に・・・いや、秘密裏ってほどでもないが、国民の中から能力者を見つけ出し、リストアップしているものだ、危険な能力者が生まれれば、何かが起こる前に排除しなけらばならないからな。簡単にいえば、命の選別だ。」

「補足:ただし、相当危険な能力でもない限り、排除されることはなく、そのものと交渉可能であれば、国に協力するなどとする形によって生存も可能です。また、国がすべての能力者を確認できているわけではない、また、国の総力を挙げても排除できない能力者もいることから、このシステムは完全ではないといえます。」

「今回の場合は、大きな被害が出ているから、処分される可能性もあるな。一応、能力者用の監獄とかもあるが・・・」

「管理責任者がいなければ、この少女OTSが秘密裏に処分します。一応この子に管理責任者がいるとして、その者たちも処分を検討すると思われますが。」

「付和、一般人の避難ありがとう、助かった。あの量の攻撃は俺でも防ぎきれなかったからな。」

「現在の一般人の避難は与李に任せているので安心してください。」

「均衡の島付近は?」

「現在ソウを向かわせました。まもなく非難が完了するでしょう・・・あ、少し待ってください、ソウから念話が・・・」


間ができてしまうためかバテンがまた話始める。


「さて、俺たちの仕事は終わったし、俺は帰るぞ、均衡の島は各国が協力して対処してくれ。」

「そう言えば、さっきまでいたはずのほかの国の人たちはどこに行ったんですかね。」

「回答:自分達があの依代に対して対処しているのを見て均衡の島へと向かっていきました。」

「あいつら・・・」

「まぁ、それだけ俺たちが評価されているってことだろ。俺たちだけで事態を解決できるって、思われたってことだろ。」


そんな感じで三人で談笑していたのだが・・・


「・・・えぇ、なるほど、それで・・・分かったわ。こちらも動きます。バテンに協力要請?いや、それはさすがに・・・」

「は?俺をまだ使う気か?誰の指示だ?念話代われ。」


あ、電話みたいに簡単に代われるものなのね。

しばらくの間バテンは念話をしていたが、それが終わったのか、こっちを向いてしゃべり始める。


「緊急事態らしい。カオス本体が動き出すのは、まぁ想定内だったんだが・・・」

「質問:何が起きたんですか?」

「それ、『質問:』の項目必要か?」

「簡潔にいうが、均衡の島まで作動したらしい。あの島は防衛設備がかなり強力らしく、強者しか入れなかったらしい。また、それと同時に、地上に大量の・・・約2500のゴーレムが放たれた。あの島のゴーレム数は5000と推定されていたことから残りが島に残っている。」

「要するに、俺たちは地上と島、どっちに行けばいいんだ?」

「一般人の避難は済んでいるから、速やかに本体を倒すことを目的としたい。だから、お前らは島に行け、自然、お前はシステムそのものの内の一つだから、絶対だ。」

「返答:問題ない。」

「わかった、ただ、地上戦はどうするつもりだ?」

「あの島のゴーレムは大半が対魔法結界を張っている金属製の物理攻撃も通りにくいゴーレムだ。ということで、俺の空間断絶能力を使いたいらしい。だから、俺は地上のゴーレムを全て倒し次第島に行く。なに、2500なんて数、大したものじゃない。あ、それと、ヒカリと龍王女にももう少し付き合ってもらう。というか、ヒカリはまぁ、自然みたいなものなんだが。とにかく、準備が整い次第、すぐに均衡の島へと向かう」

「了解、じゃあ、少し休憩の時間をとろう。」





「お前ら、準備はできたか?」

「おー!」

「がんばるぞー!」

「こっちは準備万端だぜ。」

「回答:大丈夫です。」

「一人だけなんかノリが悪いな、とにかく、今から均衡の島まで俺の能力で転移する。転移した先は戦場だ、即座に戦闘に入れるように。じゃ、行こうか。」


1人ずつ、バテンが作った転移門に入っていく。

だが、その先の光景は俺たちの想像をはるかに超えていた。

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