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神と魔法と転生が、世界を結ぶ物語。  作者: 安全シフト
第四章 龍王動乱編
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閑話14 自然の起動

「お願い、お願いだから、起動して・・・!」


均衡の島内部は現在、法則が乱れ、無秩序な空間が広がっていた。


起動してあげれば、目の前の女性を助けることができるのであろう。だが、起動するための装置が一つ、足りていない。動きたくても動けないのである。


均衡の島には、世界を構築する二つの力であるカオスとコスモスの力が眠っている。また、それらどちらかが暴走、または停止した時のために自然の力が用意されている。

今まで、カオスとコスモス、二つの力は拮抗しあっており、自然の力による自然回復能力を使うようなことは起きなかった。しかし、今は違う。つい先日まではカオスとコスモスの両装置が停止していたため、何も起きていなかったのだが、今はコスモスの力が失われた状態でカオスが起動しようとしている。ここで注意すべきなのは、カオスの出力は間違っていないという点である。何も、カオスの力が暴走したわけではなく、打ち消すものがないため、無限に膨張してしまうというだけである。

さらに、本来ならばこのような事態に陥った際に起動するはずの自然が起動していない。原因はコアが無いからである。自然は本来、他の機体とは違い、特別製であるがゆえに、コアが無くても起動は可能である。しかし、長い間起動していなかったのである。さすがに電気ショックを加えるくらいは必要である。その電気ショックを加えるのがコアなのだが。


「なんで、なんでコアが抜け落ちてるのよ!早く起動しないといけないのに!世界が、法則が、崩れちゃう・・・!」


一応、コアでなくとも代用物で起動は可能である。しかし機体によっては異常をきたす可能性がある。ただ、自然はその『機体によっては』の『機体』には当てはまらないので、代用物で起動可能である。しかし、それを目の前の女性が差し出せる勇気があるかは別問題である。


「・・・背に腹は代えられない、ここは私を犠牲にしてでも!」


女性はコア設置部分に手を伸ばす。そして、その部分に触れると、一気に脱力したかのように、倒れ込む。

起動に必要な代用物・・・それこそが人の魂だったのである。本来、代用物として、人の魂を利用すると、その魂を持つものの性格や思想に機体が引きずられてしまうことがある。しかし、自然はすでに自我のようなものををコアの外部に保存してあったため、その人の魂に引きずられることもなかったのである。

また、電気ショックのようなものを機体に与えたるだけでよかったため、魂はすぐさま彼女自身の身体へと返却する。


「・・・一度、退避が推奨されるか。」


目の前に広がる無秩序な空間は非常に危険である。しかし、法則が乱れているだけましである。完全に壊れてはいないのだから。


「女性を放置した場合、なくなられる確率が99%を超過、また、一時間ごとに法則の崩壊率約3%ずつ上がっている。現在の崩壊率が33%、通常の人間が耐えられると予想される崩壊率は最大で30%、また、女性が均衡の島のシステムを少なくとも一部理解していることからして使命持ちであると判断。よって、島からの脱出を共にすることを推奨。だが、女性は気絶している。自らが運搬するほかないか。」


起動した自然は女性を抱え、島から脱出する。


「検証:近くに人以上に脅威となるの生物の生命反応なし。一度、ここで休憩するか。彼女目が覚めるまでは休憩できると予想される。目が覚めたら次は最寄りの村に向かうか、村の魔力量に問題あり。隠蔽された魔力であると確認。あぁ、あいつの領地なのか、なら仕方がないか。この魔力量にも納得がいく。」

「うん・・・むぅう・・・はう!」

「起きたか。」

「あれ?なんで!?え?あの時私は命を使ってでも起動させようとしたはずじゃ!?」

「状態判断:混乱、しているみたいだから説明すると、自分は特別製だからな。人の魂が無くてももっと言うとコアが無くても起動可能だ。一部機能は使えないが。」

「なるほど?」

「ところで確認だが、君が使命持ちかい?」

「あ!そうでした!まだ何の説明もしていませんでした!私の名前はヒカリって言います。なんかある日突然なんか使命感ができてそこから使命を果たしてます!」

「あ、使命持ちのよくあるパターンだ。」

「で、なぜ今回自然・・・さん?を持ち出したのかというと!」

「あー、そこの説明は大丈夫、電源落ちてる時も島の状況は把握できてたから。」

「そうなんですね。」

「ただ、島の外がどのようになっているのかわからない。案内を頼めるか。」

「いいですけど、案内って言われてもどちらに?」

「国に直接島が危険な状態だって言いに行った方がよいのだろうけど、自分のこと見て自分だと認識してくれるやつら残ってんのかな?」

「それが古代の時代を指しているのであれば残っていないと思います!」

「やっぱり?なら、仕方ない、禁忌を探すか・・・いや、待てよ、確かこの近くに聖域が・・・」

「聖域に入られても困るし、自然も困っているだろうし行ってこい、とご主人様に言われたので、来てあげました。」


なんか、非常に機嫌が悪そうなハンドレッドが知らぬ間に近くの木の下に立っていた。


「お、いた、禁忌だ、なぁ国にコンタクトとって・・・」

「城下町にバテンがいます。店をやっているのでそこによってください。」

「おい、嘘だろ、それだけとかないよな。」

「以上。」

「お前の主人頭おかし・・・」

「ご主人様のこと馬鹿にした?ねぇ馬鹿にした?」

「あー、してない、してない。うん。ごめんって。」

「謝るなら、一度なら許します。では、帰らせてもらいます。」


消えた。一瞬で転移しやがった。


「今の子?だれ?」

「あんまり気にしない方がいいぞ、あいつのことは。」

「?」

「さて、城下町に向かうか、普通に進むと時間かかるな。転移するか。ヒカリって言ったっけ?君、転移つかえる?」

「いえ。まったく。」

「じゃあ、ちょっと手つないでてくれ。」





「それにしてもすごいですね。人間と全く同じ形で魔法を使用するなんて、しかも複数人転移だなんて。」

「人間の上位互換として生み出されたのが自分たちだからね。そのくらいは余裕だ。しかし、話を聞いている限り君は島について詳しくないみたいだが、どうしてだい?」


城下町についてから5分くらい店を探して歩いているのだが、その中でヒカリがどれくらい島について知っているのかを自然は聞き出していた。


「島自体は、兄が管理してます。私は必要最低限の情報しか教えてもらえていません。」

「なるほどね。」

「兄は、島自体を管理することができますから、島の起動とかも可能なのかと。」

「起動した原因は自分の兄にあると考えているのかな?」

「はい、もし関与していなくても原因にはなっているのかな?って考えてます。」

「なるほどね。確かに、あの島は使命持ちがいたからって言って勝手に起動できるものじゃない。あの島のプログラムを理解するには少なくも20年はかかる。マニュアルに書いてあることがすべてでもないしな。」

「そうなんです!だから島のこと調べても調べてもぜんっぜんわかんなくって!」

「苦労してるねぇ。」

「兄があの島の実質的な支配権を持っているので、それを使って何かしようとはしていましたが、それを止めるすべが私にはなくて・・・」

「安心しな。それを止めるための方法を今探しているんだ。感知:禁忌・対象ナンバー識別中・・・ナンバーの識別はしなくてもいいな。どうせバテンと、あの感じじゃ、タジンだろ。」

「何の話ですか?」

「さっきの女の子が言ってたバテンってやつが見つかった。この店の中だ。」

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