48話 魔国訪問
一ヵ月近くたち。そろそろ魔国へと旅行・・・じゃなかった訪問する日が近づいてきた。
その間に、俺は何をしていたのかというと、キルトから入手した情報をバテンに渡したり、簡単なギルドの依頼をこなしたりしながら、この世界についての常識を調べていた。
そして魔国訪問当日———
「さて、魔国への移動手段は王宮内にある連絡用魔法陣を利用することとなる。これは転移する側とされる側、両方から魔力を注ぎ込まないと起動しないタイプのものだ。よって他国へ進行するときにこれを利用することは難しい。何人転移させるかも大体なら調整可能だからな。」
「なるほど、それにしてもよく王宮の魔法陣なんて利用許可が下りましたね。」
「まぁこの前の事件があるからね。」
「さて、今回の同行者だが、ギルド関係の役員が何名かいるが、あんまりかかわらないだろうし、自己紹介はしない。で、君たち、情徒、スイア、快成そして未来は一応、俺と同じくらい・・・まぁ未来はその待遇が当然、というかもっと上の待遇でもいいんだけど、を受けれるように手配してくれているから。」
「気が利くね。でもそこまでしてくれなくてもいいんじゃ・・・?」
「手配したのは俺じゃなくて魔王カレン様だからね。」
「魔王カレンねぇ。」
たしかこの間の百夜の暴走時にキルトと一緒にやられて人だ。そのことをキルトに言うと複雑な表情をするのはなぜだろう?
「さて、出発する準備が整ったなら、まずは王宮に行くぞ。あ、そうだ、未来は自分の身分がばれないように細心の注意を払ってくれ。」
「わかった!」
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王宮の転移魔法陣前についた。が、付和に止められた。
「あれ?着いたら起動してくれる手筈じゃなかったっけ?」
「それで隠しているつもりなんですか。キルトさんとそこの未来さんであってましたっけ?は、別室に来なさい。
「あ、ならこいつも一緒でいい?」
「快成さんですか?この話にかかわるのならいいですけれども。」
「じゃあ、そういうわけだ。快成もついてこい。」
「えぇ・・・」
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「で?なんでここにいるんですか?龍王女様?」
ばれた。一瞬でばれた。細心の注意もくそもなかった。相手が強すぎた。
「だ、だだだだ誰のことかな?」
「未来、あきらめろ、お前が覚えてなくてもたぶん付和とお前はあったことがある。俺でもそのくらいの予想はつく。」
「くうぅ・・・」
「いや、別にいいんですけれどもね。龍王女様がわが国を訪れることには何の問題もありません。ただ!」
かなりすごい勢いで話してくるな・・・
「なぜそれをわが国に伝えていないのですか!?龍王女様をお守りすることができなくなるではないですか!」
「ごめんって、青龍とアリスと快成が秘密裏にいろいろやってたみたいでね。」
「おい、ちょっと待て、俺は勝手に決められただけでほとんど関係ないんだが?」
「はぁ・・・アリスさんですか、分かりました。話は彼女に聞いておきます。」
「おぉ!話が早くて助かるよ。それじゃ行ってくる!」
「じゃあ、魔法陣起動しますね。あちら側も起動しなければいけないのでしばらくお待ちください。今、連絡しますから・・・あ、あちらも起動させましたね。どうぞ。後は転移するだけです。」
「ありがとうな付和、助かったよ。」
「えぇ、話し合いの結果が良いものになることを願ってますよ。」
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そのあとは一瞬にして魔王城に転移完了した。
その後すぐにグループごとに分かれた。グループといっても仕事内容ごとに分かれただけである。自分のところは自分とキルト、スイア、情徒さらに未来である。
城の雰囲気は悪くない。魔王といってもいい人っぽいのでそれと同じ感じで城もいい雰囲気をしている。
ただ、一部気味が悪いのは・・・
「ようこそお越しくださいました。魔王城へ、あんたたちの案内は私フランソルが担当いたします。」
「おー!人形が!喋ってる!」
「あまりはしゃぐなよ。未来。」
気味が悪いというか不気味な要素、それは案内役が人形であるという点である。フランス人形に近い見た目をしているかな?それにしてもあんたたちとは、たぶんキルトに向かって言ってるんだろうけど、態度が悪い。
「やぁ、フランソル!久しぶりだね。ちなみに本体はどこだい?」
「毎回聞いてきますけれども、教えないといってるわよね。」
「つまらないねぇ・・・まぁ、今日は遊びじゃない。しっかりと仕事はして帰るよ。」
「そうでないと困ります。」
「さて、まずは客室に案内・・・の前に、魔王カレン様に会ってもらいますから。」
言われるがままに魔王カレンの前まで通された。魔王カレンはいかにも魔王の玉座といった感じの椅子に座っている。
少し前から思っていたのだけれども、転生してからこういう感じの偉い人と会うことが多すぎる気がする。
「よく来てくれたね、キルト君。君のことだから来ないかと思っていたよ。」
「あぁ、先日はひどい目にあわされたからな。それを返しに来た。」
「あら、本気で言ってるの?まぁいいけど、とりあえずは龍王女様とあなたが連れてきたギルドの方々にあいさつしないとね。一応、龍王女様にはあったこともあるし。ギルドの方々も初対面ではないけれども、改めて、ね?」
玉座から立ち上がって魔王カレンが少しこちらに近づいてきた。
「私は魔王カレン。魔国を支配する魔王よ。あ、そちらの自己紹介は大丈夫よ。調べてあるから。」
「あ、どうも、よろしくお願いします。」
「時に快成君先日の百夜討伐はお見事でした!いやぁ、あの時は不意を突かれて私たちはやられちゃってたからね。助かりました!」
なぜかキルトの魔王カレンを見る目が冷たい。なんで?
「さて、というわけで堅苦しい会話はここら辺にして、ゆっくりと今回の依頼とかについて話し合いましょう!」
「今までのどこが堅苦しかったんだよ。」
「あ、カレン様じゃなくてカレンって呼んでね。私の部下の前でも積極的にそのように呼んでほしいな。あいつら、何度言っても『様』をつけるんだから。」
「わかった!よろしくね!カレン。」
「あぁ!私のことを『様』をつけずに呼んでくれた!龍王女ちゃん!あなたとは仲良くできそうね!」
「何だこいつら。」
「おい、カレン。」
「うるさいわね。なに?」
「なんでさっきっからキルトとの間の関係が険悪そうなんだよ。」
出会ってからというもの、キルトが先日はひどい目にあわされただとか言って二人の間の雰囲気がちょっと悪いのである。
「こいつらに早く依頼の詳細を教えてやれ、あと、報酬はしっかりと用意してくれているんだろうな。」
「もちろん。あなたにではなく彼らにですけれども。」
「あ、そう。」
「なんであの二人中悪そうなの?あと、なんてあの情徒とスイアは全然口を開かないの?」
「あの二人が中悪そうなのはなぜだか知らんが、二人が話さないのは緊張してるからだろ。」
「あ、なんか話しといたほうがよかった?」
「さすが魔王、俺の能力が通用しにくい・・・」
「おい、情徒、何してやがる。」




