05話 魔法を使ってみましょう
なんやかんやあって、次の日である。
「うーん、昨日はひどい目にあった。」
「またぁ、そんなこと言っちゃってぇ、あんなのまだまだ序の口だよ。」
「この世界の価値観、壊れてるだろ。」
「いや、たぶん僕の価値観が壊れてる。」
「あ、そういうことね。」
ちなみに余談なのだが、今いるのはセブンの部屋である。俺は寝袋を出してもらっていつもその中で寝ている。ちなみにセブンはベッドである。
「朝食できたわよー。早く来なさーい。」
この言葉が聞こえた後は、すぐに食卓へと移動しないと料理が覚めるだのなんだの言ってハンドレッドが怒るため、ものすごい速さで着替えたりする。
これまた余談なのだが、セブンたちに服は何着かもらったためその服を着ているのだが、いまだに着慣れない。
というわけで、着替え終わったので急いで食卓に向かう。そしてここでの注意点、食材・・・主に肉の元の姿を気にしないことだ、普通に前みたいになりかけない。
「「「いただきまーす。」」」
というわけで、今日も一日が始まった。
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「というわけで今日は魔法の訓練です。」
「よっしゃあ、ついに来たー!」
「魔法の教わることの何がそんなにうれしいのかよくわからないわね。転生者・・・異世界人っておかしい人が多いのかしら。」
「ハンドレッドさぁ、あっちの世界には魔法がないんだから、あこがれちゃうのも仕方ないって。」
そう、あこがれである、日本男児いや、世界中の老若男女誰もが少しはあこがれるものである。・・・たぶん。
「というわけで魔法の訓練だけれども。まずは基礎だね。」
ということで、そのあとセブンの言っていたことを要約すると
魔法にはいくつもの属性が存在する。特に『火』『水』『自然』のこのゲームとかでもよく聞きそうな基本属性と呼ばれる三つは特に主要な属性であるらしい。使い勝手がよく、なんでも日常生活にまでも使用されるようである。
他にも『雷』『風』『地』属性などもよく扱われるようである。
また、前述の属性は魔素をエネルギーや物質に変換しているのだが、概念や、世界事態に干渉させる高等魔法と呼ばれる属性も存在するらしい。主に『時』『空間』などの属性があげられる。
他にも相反する属性『光』『闇』 種族固有属性『竜』など、さまざまの属性が存在するらしい。
そして、属性は無数にあり、いまだ発見されていないものもあるのではないかといわれる。
「というわけで魔法の使い方なんだけれども、これもおでこをくっつけます。」
というわけで早速二人とくっつけた。頭痛い。というか前回よりも情報量が多いな、これ。あと、今回は魔法は感覚と言わんばかりに魔素を認識する技術もすりこまれた。
「ちなみに今のは無属性の情報共有ってやつだね。覚えておいて損はないよ。」
「じゃあ、さっそく実践あるのみね。私が木の枝を投げるからそれに向かってファイアーボールでも放ちなさい。じゃ、投げるわね、ほい。」
と言って1mくらいの木の枝を投げる。それに向かってファイアーボールを放つのだが、全然当たらない。
いや、決して枝が俺の攻撃をよけているとかそういうわけではなく。俺が下手なだけである。
ちなみに当たればいいと言っていたため威力を絞って、球速度に魔力を注ぎ込んでいるのだが全然当たらない。原因はたぶん、魔素を練り上げて火を球状に作って放つのがこの技なのだが、練り上げるのに集中してしまって、発射する瞬間に制御をできていないためであろう。
木の枝が地面に落ちた。
「え?あんなに撃って一発も当たんないとかあるわけ?あなた、18発は放ったわよね?」
「あー、ハンドレッドの言うことはあまり気にしなくていいよ。最初はそんなもんさ、君の場合は一発でも当たれば加護の効果で苦労せずにすぐに感覚を手に入れちゃうからこのくらいがちょうどいいのかもしれないね。」
そして、もう一回木の枝を投げてもらう。
「よし、当たった!」
次は一発で成功した。気持ちがいい。
その後何回か的を変えつつ繰り返していたがのだが・・・
「あれ、なんかくらくらする。」
「当たり前じゃない、あなた。体内の魔素しか使わないんだもの、大気中から魔素を吸収しないと。」
「魔素切れになると死にはしないけど、気が遠くなることがあるからねぇ。魔素は己の意思で操作している。逆に魔素がないと意思が弱くなるんだよね。意思と魔素は強く結びついている。覚えておくといいよ。」
とのことらしい、急いで大気中から魔素を取り込む。呼吸するときに意識して体の中に入れる感じだ、ただ、吸収しているとわかるが、魔素を体の中に置いておくにも許容量というものがありそうである。たぶんそれがギルドに行けば最大MPとして表示されるのだろう。
「これからは、魔法を使用する際には、魔素の残量に常に注意してね。普通に意識が飛ぶ可能性とかあるからさ。」
「こわいんですけど、それ。」
そのあとは、一日中基本三属性の訓練に励んだ。