閑話-10 その想いが届くまで-1
---東京都千代田区:国会議事堂地下にて---
国家機密世界研究機構:通称『異界』
その会合が開かれようとしていた。
その会合の出席者中には三国 想の姿もあった。
今回の会合では組織のNo1~No10までが集まっている。
俗にいう(言わない)異端者会議である。
「さて、今回皆に集まってもらった理由は、分かっているね。」
最初に口を開いたのはNo2である。
ちなみに、ここでは数字が小さいほど偉い。(当たり前である。)
また、偉ければ偉いほど権力も大きく、国家に働きをかけることができる。
ここでいう偉いとは学力なども含まれなくはないが、全てまとめての強さである。
どれだけ頭がよかろうと、下剋上を許してしまっては意味がない。
それ故に、力が大切となってくるのである。(もちろん下剋上させない頭の良さも必要であるが、)
では、なぜ国家に働きをかけることができるのか。
それは各人が、一兵器に匹敵する力を持っているためである。
兵器と言えばどのような兵器に匹敵するのか、という話になってくるが、大体核兵器くらいである。
それも戦時中のものではなく現代のものである。(しかし、あくまでも推測であるため、本来の力は未知数である。)
「研究成果が、何者かによって盗まれた件だな。」
No3である三国 想が最初に反応した。
「もちろんその通りだ。今回特に話し合いたい点は、誰が情報を外に流したか、という点だ。」
「なるほどね、なら、話はすぐに終わりそうね。」
「誰が犯人かなど、考えるまでもない。」
「だから俺たちはこいつを上位者にするのには反対だったんだぜ。」
皆の視線が想に集まる。
「べつに、隠すつもりもなかったのだが。情報を流したのは俺だ、理由は・・・言わなくともわかるだろう?」
「実験体ごときが、俺たちのことを舐めてやがるな。」
「確かに、舐めていないと言ったらうそになるな。」
「この野郎!」
「やめとけ、No3三国 想、君には相応の罰を受けてもらう。」
「例えば?」
「もう一度実験体に戻ってもらう。とか。」
「それなら却下だ。」
「君に拒否権はない。」
「なくても、拒否することはできる。」
「どういうことだ?」
「この組織が作られた理由は超能力を研究ため、その過程で、俺あるテロ組織のボスと対峙したことがある。」
「あぁ、例の組織か、結局は逃げられたようだが、あれはいい実験体になると思ったのだがな。」
「あの時は逃げられたんじゃない。両者合意の上で、引き分けということにしたんだ。」
「想、君はいったい何を・・・」
「あのボスは転生者っていう存在でね、一度転生した世界からこの世界に戻ってきた存在なんだよ。」
「・・・続けろ。」
「その後も例のボスとは交流を続けていてね。簡潔に言ってしまえば、転生する方法を理解できたんだよ。」
「・・・」
「だから、俺は実験体にされる前に、死んで転生すればいい。」
「なるほど、実に面白いじゃあないか。」
「No1どうしますか。想の処分について」
今まで一度も喋ってこなかったNo1が初めて口を開いた。
「簡単なことだろう。そいつから、拷問でもなんでもして、情報を吐き出させろ。」
その言葉と同時に、想に向けられる。兵器の数々。
「このくらいしても、君は死なないからねぇ。」
「やれるものなら、やってみろ。」
想は自らの首に自らのナイフをあてる。
「逃がすな!あいつが自殺するのを止めろ!」
ナイフが、首をに入りどんどん血が出てくる・・・
「じゃあな、クズども。」
想はほかの者たちがとらえるよりほんの少し早く、自殺に成功した。
「逃げられたか・・・」
「こうなれば仕方ないですね。例の組織のボスをとっとと見つけてとらえるしかないか。」
「それと、情報がどこに漏れたか、ということについても捜査しなければなりませんね。」
「チッ、想のやつ、覚えてろよ・・・」




