09話 試験
奥の部屋に連れ込まれた俺、文字だけ見ると少し怪しいが、ただの事務室のようである。
「で、君が快成君であってるね?」
「あってますけど、なんでわかったんですか?」
「へ?その元の世界の現代風な服着てよく言えるね。」
「あ・・・」
「というわけで、君の身元引受人をセブンに押し付けられた。現冒険者ギルドリーダーキルトだ。よろしく。あ、ちなみに転生した時が17歳で。今は転生してから13年たってるから、実質13歳ね。」
「いや、実質30歳では・・・」
「君、まさかセブンたちに年齢のことで怒られたりなんてしてないよね?」
「すみません。」
「怒ってないから、そこまで気にしなくて大丈夫だよ。あ、強制的に身元引受人にされたことには怒ってるけど。」
「それもなんかすみません。」
どちらにせよ、俺より年上らしい。
そして、セブンからこっそり聞いていた事前情報によると、彼は冒険者としてかなりの腕を持つだけでなく、人脈も広いらしく。大体のお偉いさんとはつながりがあるらしい。
また、幾度も世界を救ってきた人の一人でもあるらしい。13年間で幾度も世界の危機が起こるのもどうかとは思うが。
「さて、君はギルドに入りたがっていたんでしょう。なら・・・」
「ちょっと待て、入りたがってた覚えはないんだが、セブンにいろいろ教えてもらった覚えはあるが、そんなこと言った覚えは・・・」
「まさかあいつ、手紙に適当なこと書きやがったな。」
「まぁ、俺がギルドに入ってみたいのは事実なんでそのていで話を進めてもらって大丈夫です。」
「あ、そうなの?なら、まずはギルドの説明から・・・じゃなくて、現状判明している転生という現象のすべてについてからか。」
その後の話をまとめると以下のようになる。
転生とは俺の元居た世界と今いる世界の間でのみ起こることが確認されている。
世界は少なくとも3つ以上は存在している。
転生時には身体は再構成され、魂とそれに付随する情報のみが移動するらしい。
また、俺の予想どおり転生する際に同一世界時間軸に転生するとは限らないらしい。
「それと、俺の転生理由はちょっと特殊でね。今後、教えるべき時が来た時に教えるよ。」
肝心な彼の転生理由についてははぐらかされて終わってしまった。
そして続いてギルドについての説明
これは簡単自分のランクに応じた依頼を片っ端からこなして依頼料をもらう。または魔物などを好きに倒して(もちろん保護区とかはダメ)その戦利品を持って帰って売ることによって金に換えることができるらしい。
金はこの国では銅貨、銀貨、金貨が使用されており。銀貨は銅貨100枚分金貨は銀貨1000枚分らしい。持ち歩くのも大変なため、最近はキャッシュレス化が進んでいるらしい。・・・は?
「え?キャッシュレスってどういうこと?」
「冒険者ギルドには冒険者じゃなくても無料で登録することができてね。というか、登録しないと依頼をできないんだけどね。登録すると登録証がカードとして発行される。それをいろいろ技術面で主に俺が頑張ってデビットカードとして扱えるようにしたんだよ。ちなみにステータス情報もそこに入るよ。」
「銀行がこの世界にはあるってことですか。」
「もちろん!俺が作ったやつでギルド会員限定だけどね。」
ちなみに、魔物を倒すと魔晶石とかいう魔素の塊をドロップすることが多いらしく、まぁ、ドロップといっても魔物の体の中からほじくりださないといけないらしいので大変めんどくさいらしいが、それを売ることが多いらしい。もちろん。魔物の皮などを売るのもアリらしい。
と、ここで一つの疑問、魔物と動物の違いである。
これは魔素を体内にどれだけ含んでいるかといった話らしく。基本的には魔法を使えるものを魔物と呼ぶらしい。
また、人間の場合は魔族と人族ではルーツの違いで分けられるらしい。
「とにかくまずは冒険者ギルドの会員になってもらうから、その前にテストを受けてもらうね。」
「どんなテストを受けるんですか?」
「まず、何ができるかという調査書に答えてもらって、そこからテスト内容を決めるよ。あ、調査書はもうセブンが提出しているから、君はテストだけ受ければいい。ちなみにテスト内容は対人戦。君の場合、Bランク相当らしいから、誰かAランク以上でギルドの方からテスト担当許可証を出している人と戦わないといけないんだけど。この支部にはそこまで強い人は2人しかいないし、許可証持ってないから俺が相手するね。」
「え、なんか対人戦だと嫌な記憶が・・・」
「あー、セブンから内容は聞いてるよ。そんな風にはなんないと思うから大丈夫だと思うけどね。あ、あと君のステータスはもう測定済みだから、後で確認するといい。」
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「では、両者位置についてください。」
審判はギルドの受付の人にやってもらう。今回は相手のHPを削り切った方の勝ちとするのだが、今回、武器には特殊な魔法がかけてあり、システム上のHPしか減らないらしい。
要するに、剣が当たると何かしらのセンサーだか何だか知らないけどが反応してHPが削られたこととみなされるらしい。今回特殊な魔法によって両者けがをしないため、常に自分のポテンシャルを最大限に発揮することができるらしい。まぁ、一種のゲームみたいなものだと思えばいいのかもしれない。
「では、Bランク昇格試練開始!」
キルトは動かない。ならば、こちらから攻めるまで!
「エンチャント・テラ!」
初めから全力で魔剣を使う。
まずは油断しているであろうキルトのにデバフをかけてこちらの行動を有利にする。
一応、キルトは防御したが、剣先が当たった。
これでキルトの全ステータスがそれなりに下がることは確かである。
「なるほどね。その技はよそでは使わない方がいい。」
禁忌属性に続く忠告である。だからなんでセブンたちの家にはそんな使わない方がよい技術の本があるのだろうか。謎すぎる。
なんて考えている間に、キルトの反撃が迫る。が、ハンドレッドよりは遅い、見る限り手加減してくれている感じはするのだが。
「この速度なら、余裕で切れる!」
一閃、彼に向かって放つ。
すると彼は焦ったような表情を浮かべる。
「これでBランク?セブンのやつあいつの目は節穴じゃないだろうに!これはAランク相当の威力と速度だろう!」
しかし、すぐに冷静さを取り戻すキルト、
「だが、まぁ、俺の敵ではないな。」
彼はおもむろに手を挙げると・・・
「神獣召喚『フェニックス』」
広い試験会場の中を埋め尽くす熱。不死鳥がその姿を現した。・・・でかい。
気づいたのは直感のおかげであった。いや、運がよかっただけかもしれない。
俺は急いで立っていた場所から離れる。
すると、さっきまでたっていた場所が、爆ぜた。
「イレギュラーはここにあったか・・・幻獣召喚『アジ・ダハーカ』」
すると、次はもう一体の神獣の御出ましである。さすがにもう一体出すことは場所的に難しいだろうが・・・それでも非常にまずい。
両神獣から攻撃が放たれる。
両者の口から火炎放射となんかの属性のビームが放たれる、俺に向かって。両者俺を挟んで線対称な位置にいるため。
それを俺はぎりぎりで回避し・・・両者俺を挟んで線対称な位置にいるため。
「あいつ、どこへ行った!?」
キルトがいない。攻撃の対象を見失えば勝利は不可能である。
「詰めが甘いかな?」
「っ!」
後方からの首筋への攻撃、剣による攻撃である。
今のは非常にまずい。たぶんというか俺はHPを見れないから知らないが、相当HPを削られた気がする。
ここを逆転するにはどうすればよいのか、その答えを見つけなければ、ここは切り抜けられない。
さて、どうするべきか。
その瞬間ハンドレッドとの戦いを思い出した。
「内側からの爆発・・・」
「なんだって?」
俺は急いで試験会場をかける。キルトがそれを追ってくるが・・・気にしたら負けだ。
今回、キルトは手加減をしている。だからこそできる作戦を、今、実行する。
壁を蹴って少し飛ぶ、そのままアイスウォールを展開し、足場にしていく。そして、フェニックスとアジ・ダハーカの両者の口の前、一番危険な位置に立つ。
「っ、まさか!」
これだけで作戦に気づかれるとは想定外だったが、もう、遅い。
フェニックスとアジ・ダハーカこの両者の口にから火炎放射とビームが放たれる。それをぎりっぎりで回避し。そのままそのぎりぎりを維持する。そうすると、今回はキルトが手加減しているため、火炎放射とビームの威力はともかく範囲も絞られている。よって、両者の口に隙間ができる。そこへ向かって、フェニックスにはアジ・ダハーカのアジ・ダハーカにはフェニックスの攻撃が入る。すると、体の内側にエネルギーが入ることになるため・・・
「ほら、内側から爆発した。」
「な!」
そして、フェニックスとアジ・ダハーカ両者を処理した俺は、いったんの距離を置こうとするキルトに対して攻撃を放つ。
「鏡月龍朧・斬」
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「君の勝ちだよ。快成君」
『鏡月龍朧・斬』
06話において登場した龍頭朧と鏡月賛華の合わせ技であり、範囲が狭く速度特化の龍頭朧と範囲が広く威力特化の鏡月賛華のいいとこどりである。また、それを一撃に収めているためとてつもない速度と威力を持つ。




