第74話 島での1日目
投稿遅れてすみません!
執筆が思ったよりも押してしまいました!
次は遅れないように気を付けます!
港を出港してしばらく。とうとう目的の島であるフェティル島に到着した。
5隻の船が次々に砂浜に作られた港(というか桟橋?)に停泊し、乗り込んだ時と同じく筋骨隆々な水夫達が板で船と桟橋を繋いでいく。
そしてその船と桟橋を繋ぐ板を今か今かと待っていたプレイヤー達が次々と降りていっている。
それはもちろん俺達も例に漏れず偶々船縁に居た為、板の直ぐ近くにいたこともありマーレ達と共に真っ先に降りることが出来た。
桟橋を渡って遂に白い砂浜に足を踏み入れる。
「ここがフェティル島……!」
まさしく秘境といった雰囲気にわくわくが止まらない。
興奮しながらも周囲を見渡す。
左右には広く白い砂浜がどこまでも伸びている。正面にはその先を見渡すことを拒むようにジャングルが広がっており向こう側を見通すことは出来ない。
だがおそらくその向こう側に他の島へと続く道があるのだろう。
よくよく見ると木々の隙間に人が使っていたと思われる踏み固められたような細い道が見えた。
「これで全員降りたな?」
周囲を見渡していると、ここ数十分程で既に聞き馴染んでしまった声が周囲に響く。
声の主はもちろん領主であるロイ様だ。
「それでは我々は一度マルフルーアへと戻る。今から7日後にまた迎えに来るゆえにそれまで思う存分この島は満喫してくれ!」
健闘を祈る! と、締めくくり船が島を離れていく。
これでもうこの島から出るには7日後を待つしかなくなった。
「それじゃあシュン、早速海に……と、言いたいところだけど、まずはちゃっちゃと拠点を作りに行きましょう!」
船が遠ざかっていくのを俺が何とはなしに眺めながらまずは何からやるかと考えているとそわそわとした雰囲気を纏ったマーレが早速とばかり声を掛けてくる。
「そうだな」
確かにまずは拠点……寝泊まりするところを作ることからだな。
一応5人以上の人間が同時に寝られるくらいの大きさのテントは買ってきてある。
あとはどこに設置するかだ。
「マーレ達はどこに拠点を作るつもりなんだ?」
「私達はこの砂浜の森側に作る予定よ? そこなら地面も比較的に硬くてテントが建てやすそうだから!」
「……確かにな。それに木の近くなら日陰にもなっていて日差し対策にもなるし」
「そうそう! この島、常夏の島だけあってすっごく日差しが強いから……ゲームだから日焼けはしないし、汗も掻かないけど暑さだけはあまり緩和されないからね!」
そう。このゲーム、汗なんかの老廃物や排泄物はないが気温の影響は受ける。
日差しの暖かさはもちろん風が吹けば涼しいし、夜になると冷えもする。おそらく雪山なんかにいけばきちんと対策しないとキツイレベルで冷たさを感じるだろう。
今回の場合は日差しがきつい為、暑さ以外にも日差しの眩しさ対策にも木陰をチョイスする必要があるだろう。
「でも木陰になりそうなところは限られてるから他のプレイヤーに取られる前に早いところ場所取りしましょう」
「そうだな」
方針が決まりマーレやアース達4つのトップクランメンバーと共に砂浜を移動する。
うん……
「そういえばなんとなく流されるままに4トップクランで纏まって行動してるけどクランどうし競争とかはないのか?」
「ああ、それは……」
「今回は4クランで協力関係を結んでいるからそういうのはないぞ」
俺の質問に答えようとしたマーレのセリフをインターセプトするようにアースが話に入ってくる。
「そうなのか?」
「そうなのにゃ! 今回は特に成績を競うイベントじゃにゃいし、それどころか1人で行ける島の数が限られているから協力しようってことになったのにゃ!」
今度は解説なら自分とでも言うように、にゃん娘さんがインターセプト。
「ってことは行く島に関してもどこに行くか擦り合わせてあるのか?」
「そうよ? 今回は採取系イベントだから生産職の協力は必須だし情報をまとめるならにゃん娘さんのクランがいればやりやすいしね」
今度はマーレ。
「役割としてはワルキューレとラウンドテーブルがシャッフェンの生産職の護衛、知識の泉が情報の取り纏めになる」
「護衛……」
「生産職はその職に対応した素材の採取にボーナスが付くにゃ。だから採取は生産職にお願いした方がいいものが手に入りやすいのにゃ」
「そうなのか……」
知らなかった。なるほどそれで護衛なのか。うん? そうなると……
ふと、とある約束を思い出す。あれってつまり……
「というかシュン君もガンテツにゃんと採取に行くって聞いたにゃけど違うのかにゃ?」
そう実はシャーリーさんが俺にお願い事をしに来たあの時俺もガンテツさんに鉱玉島での採取に誘われていたんだ。
てっきりただ一緒にプレイしないかってだけのお誘いだと思っていたから全然意識に上がってこなかった。
あれはそういうことだったのか……。
「わかってにゃかったのにゃね……」
「はい……今初めて知ったので」
「まったくガンテツにゃんも言葉が足りないにゃ。でもシュン君が知らなかったのは意外にゃね?」
「俺、このゲームのこと殆ど調べていない上に、ゲーム初心者ですからね」
「……そういえばそうだったにゃ」
それにしてもトップ4クランでそんな協力関係を結んでいたのか……。
となると……
「じゃあ俺は拠点の場所は別の方がいいのかな?」
「「「それはない!」」」
既に連携が出来ているのなら邪魔になるのでは? と別行動を提案すると即座にマーレ達に否定される。
「私たちは確かに協力しているけどそれとこれとは話は別よ」
「でも……」
「そもそも俺達とシュンとも一緒に行動する約束してるだろう?」
「だけど……」
「今回のイベントは恐らく夜の見張りが必要になるにゃ。その時シュン君が一緒なら心強いにゃから気に必要はないにゃ」
「夜の見張り?」
なんで?
「後で説明するつもりだったんだけど……実は新規のプレイヤーの参入でPKが増えているのよ」
PK……確かプレイヤーキラーのことだったか?
「結構悪質なのも多いみたいでなそれで夜も警戒した方がいいってことになってな」
実は今回のイベント中は1日最低5時間の睡眠をとらなければデバフが入る仕様になっている。
1時間睡眠を合計5回でも一気に5時間でもどんな形であれ睡眠をとる必要がある。
今回テントはその為に必要になるのだ。
「睡眠中は完全に無防備にゃ。にゃから誰かが睡眠をとっているときは必ず誰かが見張ろうって話してたにゃ。で、それをするなら……」
人数が多い方がいいと。
「そんなわけでシュンも一緒に行こうぜ! その方が楽しいだろ?」
「そうだな……」
まあPK云々を抜きにしてもマーレ達と一緒にある程度は一緒に行動する予定だったからな。
拠点に関しては特に何も考えてなかったけどそういうことなら一緒の方が安心だしなによりこういうイベントは人数が多い方が楽しい。
なによりマーレとアースの2人とキャンプなんて子供のころ以来だ。
「じゃあお言葉に甘えるよ」
そうして俺達は拠点にするのにちょうどよい場所を見つけるのだった。
次回投稿は4月1日(金)16時です!
次の投稿はエイプリルフールです!
でも投稿するというのはうそです!みたいな事は無いので安心してくださいw
それでは次回もお楽しみに!




