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INFINITY STORY'S ONLINE  作者: 藤花 藤花
第2章 夏のキャンプイベント!聖なる島と太古の遺跡
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第71話 島への案内人

「そろそろ時間だな、シュン!」


 現在、現実時間で18:59。

 アースやガンテツさん、にゃん娘さん達と島に着いた後の行動について雑談しながら時間を潰していると、とうとう待ちに待ったイベント開始時間が近づいてきていた。


「だな!」

「にゃあ~楽しみだにゃぁ!」


 アースのその言葉にステータス画面を開き俺も時間を確認する。

 あと30……25……20。

 時間が近づくにつれて周囲の興奮のボルテージが上がっていくのがわかる。

 周囲の様子に気が付いたのかマーレ達女性プレイヤーに可愛がられていたサクヤ達が俺の元に戻ってきた。

 あと5、4、3、2、1……0!


「「「……」」」


 ―― シーン ――


 先ほどまで騒がしかったプレイヤー達の話し声が完全に静まり、ザザーンという波の音だけが妙に耳に届く。

 何も起こらない。


「……何も起こらないにゃ」


 時間を過ぎても何も起こらない。


「おいおいおい、何も始まらないぞ!」「どうなってんだ!」「運営クレーム案件」「絶許」


 その事実に周囲のプレイヤー達が急速にざわつき始めた。

 その動揺は当然アース達トップクラン所属のプレイヤーにも広がっていく。

 気の早い者では既に運営にクレームを入れ始めていた。


「どうなってんだ?」


 怪訝そうな表情でそうつぶやくアース。


「公式を確認したにゃけど時間はあってるにゃ」


 素早くステータス画面を開き公式を確認するにゃん娘。

 そうやってそれぞれ思い思いの方法で情報収集を始める中、たまたま海の方を見ていた俺は異変をしっかりと認識していた。


「なあアース……」

「なんだ?」

「あれ……」


 俺は海の向こうを指さす。俺の指先につられるように視線を海の向こうに向けるアース。


「ん?」


 目を凝らして海の向こう側を見る。幾つもの黒い点がある?

 その黒い点が徐々に大きくなる。他のプレイヤー達もその黒い点に気が付いたようで指を向けながら視線をその黒い点に視線を向け始めた。


「んん!?」


 どんどん、どんどんとその黒い点は大きくなっていく。かなりの速度が出ているようで直ぐにその黒い点はその正体を認識できる程にまで近づいてきていた。

 

「船だ……」

「でけぇ」


 それは一艘で数百人くらいは乗れそうな巨大な木造の船だった。

 俺の記憶が確かなら恐らくガレオン船と呼ばれる種類のものだろう。大分前に読んだ本の知識うろ覚えだが多分そうだと思う。

 幾本もの巨大なマストに帆を張り物凄い速度で港に近づいている。

 それにしても速い。現実でのガレオン船って確か人が走るのと同じくらいの速度しか出なかったと書かれていたようにに思うのだが、今見えている船はそれ以上の速度が出ているように思う。


「おいシュン! すげえな!」


 アースが興奮したように目を輝かせている。

 だがそれも当然だろう。現代日本でこんな何百人も乗れそうな巨大な木造船なんて乗ることはおろか見ることすらテレビや漫画でしかないだろう。

 なんて偉そうに言っているがかくいう俺もものすごくテンションが上がっている自覚があるからな!


「……こんな主、初めて見た」

「主様、可愛いです」

「にいさま、目がキラキラしています!」


 サクヤ達が俺を見て何か言っているがアースと共に夢中になって船を見て居た俺は全く気が付かなかった。

 アースと共に興奮しながら近づいてくる巨大船を眺める。

 そしてとうとうその威容をこの場に集まったプレイヤー達に晒すのだった。


「「「「おお~!」」」」


 港に入ってくる船を見てプレイヤー全員で感嘆の声を漏らす。

 きっと今ここにいる千何百人ものプレイヤーの心は一つになっている……!

 次々に巨大船は港に停まっていき木で出来た頑丈そうな板を港と船の間を繋ぐように掛けていく。


「おいシュン、誰か降りてくるぞ!」


 停泊した何艘かの船の真ん中に停まっている船から誰かが下りてくる。


「あれは……領主様?」


 そう船から降りてきたのはアルヒの町の領主ロイデンス・フォン・アルヒその人とその護衛である騎士の3人だった。

 

「来訪者の諸君!! 私はアルヒの町領主! ロイデンス・フォン・アルヒだ!」


 なにか声を大きくするような魔道具でも使っているのだろう。港全体に響き渡るような大音量。

 

「此度は先立って我が町を襲った災厄、【小鬼事変】の折、我が町を護りし異界からの来訪者たる諸君らへの褒美として様々な希少な資源が眠る聖なる島『フェティル島』への招待を王より賜った! 今からこの船に乗りその島へと向かう!」


 そう言いながら自身の背後にある巨大船を示す領主。


「諸君らにはその島で思う存分、これから己に必要になるであろう資源を採取してもらいたい!」


 その言葉にプレイヤーが沸く。


「だが申し訳ないが無制限に……というわけにはいかない! 我が国にとってもその島に眠る資源は貴重だからである!」


 ふむ……この辺はアース達に聞いた設定だな。


「その為、諸君らには9つある群島の中から自身に必要になりそうな資源の眠っている島を3つ選んで貰うことになる! それぞれの島は結界により守られており島への入島制限もその結界により行われている!」


 ほうほう……。


「基本的には最初に入った3つの島のみ侵入できるようになっている! 3つの島へ侵入後、それ以外の島に侵入しようとすれば結界に弾かれることになるため気を付けてくれ!」


 なるほど……そうやって入島を制限するのか。


「最後に! その島には多種多様な生物が生息している! 中にはとても()()()()()もいるが……それらの存在に仮に諸君らが害されたとしても我々が責を負うことはしない! 全て自己責任で島へは侵入してもらうことになる! 努々忘れないで貰いたい!」


 まあそれは当然だな。それでも文句を言う奴はいるかもしれないが……まあ取り合っては貰えないだろう。

 それで領主に迷惑を掛けたら逆に何かしらのペナルティを負うことになるかもしれないが……。


「ではこれらのことに納得できる者のみ乗船してくれ!」

次回投稿は3月11日(金)16時です!


因みにガレオン船の速度は8ノット、時速約15キロ、秒速4メートルくらいだそうです。

世界で戦えるマラソン選手は時速20キロ、陸上のボルト選手のトップスピードが約45キロくらいらしいので世界クラスの選手ならガレオン船より早く移動できますw こうして数値に出してみるとなんか凄いですよね!


それでは次回もお楽しみに!

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― 新着の感想 ―
[良い点] ついに島に突入ですね!! これからの展開も楽しみです [気になる点] 許可を受けて島に入るのに、侵入って言葉は違うような? 入島とかの方が良いのでは?
[一言] 千人からのプレイヤーを収納する船かぁ(//∇//) 島、わくわくだね~
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