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INFINITY STORY'S ONLINE  作者: 藤花 藤花
第1章 始まりの町と復讐鬼の軍勢
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第2話 始まりのキャラメイク②

『それでは次にSkillと使用武器の選択をお願いいたします』


 その言葉と共に周囲にずらっと様々な武器が浮き上がる。剣、槍、斧、杖、弓……etc.剣だけでも複数種類浮かび上がっている。

 

「むちゃくちゃ大量にあるな」

『ステータスによって使用できない装備もありますのでご注意ください』


 この中から自分に使える装備を探し出すのか?

 周囲を見渡す限り武器、武器、武器……。無理じゃね?


「俺が使える武器だけにできないですか?」

『可能です。来訪者様が使用できる武器のみ表示します』


 その言葉と共に周囲に大量に浮かび上がっていた武器が1/3まで減少する。


「大分減ったな?」

『来訪者様のステータスでは比較的軽量の武器のみ使用可能となります』


 そうかSTRが足りていないのか。とはいえ大分減ったからこれで選びやすくなったな。

 武器の間を歩き回ってよさそうなものを探す。

 

「ん? これって?」


 5分程歩き回って見つけたのは白い1本の美しい刀だった。長さは全体で1メートルくらいか?自信はないがおそらく打刀と呼ばれるものだと思う。


「この武器の詳細は見れますか?」

『表示いたします』


■ 《武器種:刀》銘:始まりの刀 レア度:UNKNOWN ■


 能力補正:

 STR+3 DEX+2


 付与効果:なし


 重量:8


 耐久度:∞


 必要ステータス

 STR:10 DEX:5


 製作者:月神 セレーネ


《備考》

【月神セレーネによって作られた、来訪者に与えられる始まりの武器の一つ。雪のように真っ白な美しい刀。切れ味はあまりよくないが、女神の慈悲により不壊の効果が与えられている。通常の刀に比べると比較的軽い。そのため素人でも扱いやすく乱暴に扱っても壊れる心配はない。性能は低いが神の加護が掛かっていることによりレア度の判別が不可能になっている】


「初心者に優しい仕様なのはうれしい。だけど製作者月神セレーネって……」

『最初に来訪者様方に与えられる武器はすべて6柱の神々によって作られております』

「神様は6柱いるんですか?」

『正確には7柱おりますが、武器の製作にかかわっているのは6柱です』


 なるほど。初期武器からmade by 神様とは豪華だな!

 まあそれはいいとして見た目もかっこいいし他にピンとくるものもないからこれに決めようかな。なにより刀にはロマンがある!

 というわけでこの武器に決定!


「うん、これにします!」

 

『わかりました。それでは次にスキルの選択をお願いします』


 ようやっとスキル選択まできたか。長かったなぁ……。

 そう思いながらスキルを確認する。……やはりというかなんというかスキルもめちゃくちゃ多いなぁ。……うん。


「なにかおすすめのスキルとかないですか?」


 あまりの多さに心が折れた俺は案内人に助けを求めることにした。


『おすすめ、ですか?』

「はい。召喚術士か幼竜人に合うスキルがあるとうれしいんですが……」

『……そうですね。それではこのスキルはどうでしょう』


 そういっていくつかのスキルをコンソールに表示する。


≪刀術Lv.1≫必要SPt.2 ≪魔力操作Lv.1≫必要SPt.2 ≪危機察知Lv.1≫必要SPt.2 ≪識別Lv.1≫必要SPt.2 ≪感応Lv.1≫必要SPt.2


『これらはいかがでしょう?』

「どんな効果なんですか?」

『表示いたします』


ASアクティブスキル:刀術Lv.1≫

武器種:刀を上手に扱えるようになる。刀術アーツを使用できるようになる。

SWショートワード:剣豪への第一歩。この先を切り開く最初の刃だ】

PSパッシブスキル:魔力操作Lv.1≫

魔力を効率よく扱えるようになる。

【SW:魔の神髄は遠く。だが確かに踏み出しただろう】

≪PS:危機察知Lv.1≫

自身への危険を感じることができる。

【SW:お前は臆病だな。だがそれゆえに勝者たり得るのだろう】

≪AS:識別Lv.1≫

魔物など生き物の情報を見ることができる。レベルが上がることで情報量が増える。

【SW:敵を知り、己を知る。それは人を勝者たらしめることだろう】

≪PS:感応Lv.1≫

相手の感情を感じ取り、自身の感情を相手に伝えることができる。接触することでより鮮明になる。

【SW:他者の心を知り、己の心を伝えることはお前に多くを与え、同時に奪うだろう。その先が幸福足りえるかはお前次第だ】


 うん、正直よくわからない。刀術は武器のことを考えたら必須だとわかるけど他のは……。SPは一律2PTだからこれで丁度10PTになるな……。……まあいいか!


「じゃあこれでお願いします」

『本当によろしいのですか?』

「はい」

『わかりました。それでは最後に初期設定と規約への同意をお願いいたします』

「初期設定?」


 というかまだあるのか?


『はい。本ゲームをやるうえでとても重要になる設定です。一部設定はゲーム開始後は変更することはできませんのでご注意ください』

「わかりました」


 内容を見ながら設定をしていく。

 ……規約に本ゲームはとても難易度が高く設計されています。とかあるんだが? 一応いわゆる理不尽な詰みと言われる状況はないってあるけど……これ絶対理論上はとか、めちゃくちゃ時間を掛ければみたいなのがあるんだろうなぁ……。

 とはいえ、小説の題材にするならできるだけリアル準拠な方がいいよな?


「できるだけリアル準拠で設定するとなるとどうすればいいですか?」

『リアル準拠で、ですか? それでしたら感覚補正率を0%に、モーションアシストをOFFにしていただければよろしいと思います』

「それでなにが変わるんです?」

『感覚補正率は痛覚などの五感に関するものを補正いたします。補正率が高くなるほど強い痛みを感じなくなり、嗅覚や聴覚への過度な刺激や感情の動きなどをカットいたします。モーションアシストは様々なモーション、例えば剣術スキルを使用した際の剣を振る動きをアシストし、アーツの動きを半自動化いたします。OFFにするとアシストがなくなりアーツなどを使用する際もアーツ発動に設定されている動きを自力で行う必要があります』

「なるほど」


 つまり感覚補正は現実にある不快感(痛みやら恐怖)を和らげてくれるもので、モーションアシストはスキルやアーツという技の設計図を自動で形にするか自力で形にするかということか。(この例えわかりやすいかな?)


 ともあれ、


「それでお願いします」

『本当によろしいのですね? 一度決定してしまうとゲーム開始後に変更することは基本的にできなくなります』

「構いません」

『それではそのように設定いたします。この2つの設定以外はゲーム開始後、いつでも変更することができますのでご安心ください』

「わかりました」

『最後にこの世界での服と資金として1000Gをお渡しいたします』


 ようやく終わった。それでは最終的なステータスはこちら。


名前:シュン  所持金:1000 G

種族:幼竜人 Lv.1

職業:召喚術士 Lv.1


ステータス

HP(体力):60/60 MP(魔力):60/60 KP(気力):40/40

EP(満腹度):100/100


STR:18(15+3) VIT:20 INT:5 MND:30 DEX:12(10+2) AGI:10

AP(AbilityPoint):0


▼JobSkill:召喚術 Lv.1

JSP(JobSkillPoint):0


▼Skill:≪刀術Lv.1≫ ≪魔力操作Lv.1≫ ≪危機察知Lv.1≫ ≪識別Lv.1≫ ≪感応Lv.1≫

SP(SkillPoint):0


▼《称号》


装備

≪武器≫

【始まりの刀】

≪防具≫

【始まりの服】【始まりのズボン】

≪アクセサリー≫

【なし】


 うん。ようやくここまできたな。もうなんか今日はこれで終わりにしたくなってきているけど陸たちも待ってるからなぁ。頑張ろう。ちなみに防具の性能はこんな感じ。


■ 《防具種:上半身》銘:始まりの服 レア度:UNKNOWN ■

・能力補正:なし

・付与効果:なし

・重量:1

・耐久度:∞

・必要ステータス

 なし

 製作者:創世神 デミウルゲイン

《備考》

【創世神デミウルゲインによって作られた、来訪者に与えられる始まりの防具。見た目は地味な麻布の服。創世神の慈悲により不壊の効果が与えられている。そのため粗野に扱かっても破れることはない。性能は低いが神の加護が掛かっていることによりレア度の判別が不可能になっている】


■《防具種:下半身》銘:始まりのズボン レア度:UNKNOWN■

・能力補正:なし

・付与効果:なし

・重量:1

・耐久度:∞

・必要ステータス

 なし

 製作者:創世神 デミウルゲイン

《備考》

【創世神デミウルゲインによって作られた、来訪者に与えられる始まりの防具。見た目は地味な麻布のズボン。創世神の慈悲により不壊の効果が与えられている。そのため粗野に扱かっても破れることはない。性能は低いが神の加護が掛かっていることによりレア度の判別が不可能になっている】


 服は創世神のお手製か……。性能は頑丈な村人服って感じだな。


『それではこれでキャラメイクを終了いたします。これから始まりの町:アルヒへお送りいたしますが、最後にお聞きになりたいことなどはありませんか?』

「聞きたいこと?えっと、ああそうだ」


 そういえばひとつ言いたいことと聞きたいことがあった。

 俺は誰もいない空間で一人居住まいを正す。


『なにかありますか?』

「言いたいことと聞きたいことがあります」

『言いたいことですか? お聞きしましょう』

「えっとまず言いたいことですけど、創世神デミウルゲイン様と月神セレーネ様、それとあなたにお礼を言いたかったんです。2柱の神様にはあなたから伝えて貰えますか?」

『お礼ですか? 私にも?』

「はい。お世話になりましたから。」


 それに親しき中にも礼儀ありって言うしね?(使い方違う?)


『そうですか。ふふっ。賜りました。私もあなたとのやりとりは驚かされることもあって楽しかったですよ?』

「そう言ってもらえると嬉しいです。それで聞きたいことですけど……」

『なんでしょう?』

「失礼でなければあなたの名前を聞いてもいいですか?」

『……私の?』

「はい!」


 驚いたような声が響く。

 でもやっぱり世話になった人?の名前は知っとかなきゃ失礼だよね?


『ふっ、ふふふっ。やっぱりあなたは面白い方ですね! かまいませんよ? 私の名前はソレイユと言います』

「えっ?」


 ソレイユ?それって……。


『それでは始まりの町:アルヒへと転送いたします。あなたの物語の軌跡が幸福に包まれんことを』

「まっ、!」


 そうしておそらく太陽神ソレイユの言葉を最後に視界が暗転し、始まりの町:アルヒへと俺は転送されるのだった。


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― 新着の感想 ―
[一言] スキルのSWがカッコいい! 面白い作品に出会えました。
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