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INFINITY STORY'S ONLINE  作者: 藤花 藤花
第1章 始まりの町と復讐鬼の軍勢
24/78

第23話 修行の終わり、次への道標

 ━Side シュン━


 ゲーム内で昼食を挟んで現在時刻15時。途中リアルでの昼食を挟みながら俺達は修行を続け……


「「ぜぇ、はぁ! ぜぇ、はぁ!」」

「ふむ。神通流の技はある程度形になりましたね。及第点と言ってもいいでしょう。これにて神通流の修行は一度終了です」

「「ありがとうございました!」」


 前回以上に生きるか死ぬかスレスレの模擬戦を俺達は立って乗り越えて見せていた。

 いったい何度死にそうになったかわからない。師匠の刀が心臓を貫きそうになったこと複数回、首を掠めること数十回。

 我ながらよく生き残ったと思う。

 ……模擬戦で生き残ったなんて感想が出るのもどうなのかと思うが、自分自身昨日と比べてかなり強くなったと自覚できてしまっているため文句も言えないな。

 歩き方一つとっても昨日と今日じゃレベルが違う。スキルレベルだけじゃない。自分自身の技能そのものが上がっている。

 ……これ下手したら現実の方にも影響が出ている気がする。いやまあ悪い事じゃないからいいけど。


「2人ともよくがんばりました。これだけできればこの辺の敵に負けることはないでしょう」


 俺達の成長を喜ぶように師匠も満面の笑みを浮かべ祝福してくれる。やべぇ。凄く嬉しい。


「師匠、ありがとうございました。これでこれから何とかやっていけます」


 俺は改めて師匠に頭を下げる。それを見てサクヤも俺に習い一緒に頭を下げた。


「いいのですよ。私がやりたくてやったことですし、実は私も神通流を託すに値する者をずっと探していたのです。なかなか骨のあるものが見つからなくて困っていたのですが……。見つかって良かった……」


 そう言って深い安堵を師匠は顔に浮かべた。

 

 そうだったのか……。

 でもなかなか見つからないのも仕方ない気がする。全員が俺が最初に受けたあの殺気を受けたのだとしたらあれを超えられる奴がどれほどいるか……。

 それを超えても彼女の超技術からなる認識できない斬撃を耐えなければいけない。

 俺は感応スキルと危機察知スキルがうまい具合に嚙み合ってなんとかなったがそれがなければ間違いなく合格は出来なかった。

 今考えればこのクエストはもっと後に受けるべき物だったのではないかと思う。

 明らかに必要になるスキルが多かったし、拘束時間も長い。

 ある程度成長してからこのクエストを受けていればここまで大変じゃなくて、多分幾つか足りないスキルだけを覚えて少しアーツの確認をするだけで済んだんじゃあるまいか? 

 今更だがサクヤはあれをどうやって超えたのだろう? 


「それではもう他の方に神通流を教えることはないのですか?」


 とはいえサクヤのことも気になるが、今気にすべきなのはこれな気がする。

 もしも早いもの勝ちでしか手に入らないスキルだったとしたら他プレイヤーからの当たりが強くなりそうだから、その場合は他のプレイヤーにばれないように使わないとだろう。

 マーレ達からもゲーマーの嫉妬の話はよく聞いていたからな。


「いいえ? 私の試しを乗り越えられたのならどなたにでも教えるつもりですよ? 乗り越えられなくても希望があれば最低限刀術の手ほどきはいたします。今までもそうでした」


 ……ほぉ~。よかった。なら大丈夫そうだ。というか試しがダメでも刀術は教えて貰えてたのか! 結果的にどうにかなったがもっと順々に教えて貰えていればもっと楽だったのかもしれない。


「ですがその場合は屋敷の部屋を貸すことはありませんし、教えるのも刀術の基本だけですから、強くなるのはご自分でやってもらうことになります。それだと……おそらくシュンさん達ではかなり苦労したと思いますよ? 戦っていてわかりましたが2人とも今までうちに来た者の中でもダントツで身体能力が低く感じましたから。おそらくうちに来た当初の実力ではゴブリンを倒せるくらいの実力しかなかったでしょう」

「……そうですね」


 見抜かれてる! でもそうか、そうなるとどっちにしろ俺達は苦労する運命だったというわけか……。

 そう考えると師匠の試練を超えられてよかったな。

 なんせ宿代がいらない上においしい食事まで出してもらえるんだからな!しかも和食!

 俺が今までの苦労を思い出して思わず遠い目をしていると、ピコンと目の前にクエストボードが浮かび上がった。

 

■《修行クエスト》極みの道 ■

《内容》

▼紹介状を持って、町はずれの屋敷に住む者に会いに行け! CLEAR‼

▼屋敷に住む女の試しを受けろ。CLEAR‼

《報酬》【Skill:神通流派刀術】入手‼

▼神通流派継承者 シズカの教えを受けろ! CLEAR‼

《報酬》神通流派刀術アーツ使用条件Skill入手‼

【神通流派継承者 シズカの教えを従魔と共に乗り越えた。次は神通流を実戦で磨き、新たな技を覚えてから再度教えを受けよう! (期限:無期限)】


 ひとまずこれでこのクエストはお終いか。これで一応町の外で戦うことが出来そうで俺としては一安心だ。

 前途多難な状況に少し光明が見えた。


「そういえばシュンさんの職業は召喚術士だと言っていましたね?」


 俺が思わず胸を撫でおろしているとシズカさんが思い出したようにそんなことを聞いてきた。


「そうですが……」

「では私の修行を乗り越えたご褒美にこれを差し上げましょう」


 そう言って着物の袖からなにやら手紙を取り出して俺に差し出して来た。手紙をみるとなんかドルグの時のことを思い出すな。

 ……どうでもいいけど着物の袖から物を取り出すのってなんかいいよね? 

 デジャビュを感じつつも俺はお礼を言って師匠から手紙を受け取り手紙の情報を確認する。


■《クエストアイテム》不思議な手紙 ■

《備考》

【シズカから貰ったほんの少し魔力がこもった不思議な手紙。封をされているため内容はわからない。】 


 やっぱり! 召喚術士のことを聞いてきたしこれはもしかしてもしかするか? 


「これを持って南の森、静謐の森林に行きなさい」

「南の森?」


 おっと! ここでマーレが言っていた南の森が出て来た! 静謐の森林は正式名称か? 

 

「南の森は湖くらいしかないと聞いていたんですが?」

「あら? 知っていたのですね。それならば話が早いです」

「やっぱりあそこには湖しかないので?」

「そうでもありますが、そうでないとも言えますね」


 うん? 


「それはどういう意味です?」

「そのままの意味ですよ? 行けば今のあなた達ならきっと意味が分かります」


 ホントにどういう意味だ? 

 師匠はそれ以上何も言うつもりがないのか口を噤んでしまっている。

 ……まあ師匠が行けばわかるって言うなら行ってみればいいか。


「わかりました。とりあえず行ってみます」

「そうしてください」


 それじゃ早速行ってみるか。

 サクヤに声を掛けて早速動こうとすると再度師匠に声を掛けられた。


「ああ、それともう一つ。シュンさんにこれを」


 そう言って着物の裾に再度手を入れ綺麗に折り畳まれた数着の装備を取り出した。

 というかそれなりの大きさの装備をどうやって着物の裾にしまっていたんだろう? 

 差し出された服を受け取る。


「南の森に行くのにその服では不安ですからね」

 

■《防具種:上半身》銘:白雪の東洋風シャツ シュン専用 レア度:ユニーク■

・能力補正:VIT・DEX・AGI+5 MND+10

・付与効果:衝撃吸収(極小) 自動修復

・揃え効果:神通流派極みの欠片(神通流刀術のアーツ効果がほんの少し高まる。)積水成淵(神通流刀術のスキル経験値とアーツ熟練度の獲得量極小UP)

・重量:1

・耐久度:100

・必要ステータス

 なし

 製作者:シズカ

《備考》

【弟子の安全と成長を思い、魔物の糸を使って自身の魔力を織り込んだ布をひと針ひと針丁寧に縫い合わせた雪のような白と空のような青色が美しい逸品。製作者の故郷の文化が取り入れられており、不思議な見た目となっている。

 非常に軽く、魔力を練り込んだことでそれなりに頑丈になっており特殊な効果が付与されている。全て装備することで更に特殊な効果を発揮する。製作者が思った相手以外が装備することはできずそれゆえに使用者に何も求めることのない装備になっている。】


■《防具種:下半身》銘:白雪の東洋風ズボン シュン専用 レア度:ユニーク■

・能力補正:VIT・DEX・AGI+5 MND+10

・付与効果:衝撃吸収(極小) 自動修復

・揃え効果:神通流派極みの欠片(神通流刀術のアーツ効果がほんの少し高まる。)積水成淵(神通流刀術のスキル経験値とアーツ熟練度の獲得量極小UP)

・重量:1

・耐久度:100

・必要ステータス

 なし

 製作者:シズカ

《備考》

【弟子の安全と成長を思い、魔物の糸を使って自身の魔力を織り込んだ布をひと針ひと針丁寧に縫い合わせた雪のような白と空のような青色が美しい逸品。製作者の故郷の文化が取り入れられており、異国情緒溢れる見た目となっている。

 非常に軽く、魔力を練り込んだことでそれなりに頑丈になっており特殊な効果が付与されている。全て装備することで更に特殊な効果を発揮する。製作者が思った相手以外が装備することはできずそれゆえに使用者に何も求めることのない装備になっている。】


■《防具種:上半身》銘:白雪の東洋風コート シュン専用 レア度:ユニーク■

・能力補正:VIT・DEX・AGI+5 MND+10

・付与効果:衝撃吸収(極小) 自動修復

・揃え効果:神通流派極みの欠片(神通流刀術のアーツ効果がほんの少し高まる。)積水成淵(神通流刀術のスキル経験値とアーツ熟練度の獲得量極小UP)

・重量:1

・耐久度:100

・必要ステータス

 なし

 製作者:シズカ

《備考》

【弟子の安全と成長を思い、魔物の糸を使って自身の魔力を織り込んだ布をひと針ひと針丁寧に縫い合わせた雪のような白と空のような青色が美しい逸品。製作者の故郷の文化が取り入れられており、不思議な見た目となっている。

 非常に軽く、魔力を練り込んだことでそれなりに頑丈になっており特殊な効果が付与されている。全て装備することで更に特殊な効果を発揮する。製作者が思った相手以外が装備することはできずそれゆえに使用者に何も求めることのない装備になっている。】


■《防具種:手》銘:白雪の東洋風グローブ シュン専用 レア度:ユニーク■

・能力補正:VIT・DEX・AGI+5 MND+10

・付与効果:衝撃吸収(極小) 自動修復

・揃え効果:神通流派極みの欠片(神通流刀術のアーツ効果がほんの少し高まる。)積水成淵(神通流刀術のスキル経験値とアーツ熟練度の獲得量極小UP)

・重量:1

・耐久度:100

・必要ステータス

 なし

 製作者:シズカ

《備考》

【弟子の安全と成長を思い、魔物の糸を使って自身の魔力を織り込んだ布をひと針ひと針丁寧に縫い合わせた雪のような白と空のような青色が美しい逸品。製作者の故郷の文化が取り入れられており、異国情緒溢れる見た目となっている。

 非常に軽く、魔力を練り込んだことでそれなりに頑丈になっており特殊な効果が付与されている。全て装備することで更に特殊な効果を発揮する。製作者が思った相手以外が装備することはできずそれゆえに使用者に何も求めることのない装備になっている。】


■《防具種:足》銘:白雪の東洋風ブーツ シュン専用 レア度:ユニーク■ 

・能力補正:VIT・DEX・AGI+5 MND+10

・付与効果:衝撃吸収(極小) 自動修復

・揃え効果:神通流派極みの欠片(神通流刀術のアーツ効果がほんの少し高まる。)積水成淵(神通流刀術のスキル経験値とアーツ熟練度の獲得量極小UP)

・重量:1

・耐久度:100

・必要ステータス

 なし

 製作者:シズカ

《備考》

【弟子の安全と成長を思い、魔物の糸を使って自身の魔力を織り込んだ布をひと針ひと針丁寧に縫い合わせた雪のような白と空のような青色が美しい逸品。製作者の故郷の文化が取り入れられており、異国情緒溢れる見た目となっている。

 非常に軽く、魔力を練り込んだことでそれなりに頑丈になっており特殊な効果が付与されている。全て装備することで更に特殊な効果を発揮する。製作者が思った相手以外が装備することはできずそれゆえに使用者に何も求めることのない装備になっている。】


 すごい装備を貰ってしまった。俺の髪と瞳の色に合わせたのか白を基調に要所要所で青のアクセントやラインが入っていて非常にかっこいい。

 和装だと動きづらいと考えたのか完全な和装ではなく絶妙に和洋折衷したデザインになっている。上着の袖なんかは邪魔にならない程度に深く袖口から小物をしまったりできそうだ。流石師匠わかってる! 

 ……まあ師匠は単純に利便性を考えただけなんだろうけど。


「それとサクヤちゃんにも」

「私にもですか? ありがとうございます!」


 おっとサクヤにもあるのか! 確かにサクヤの装備も見た目はともかく性能は俺のと変わらないもんな。

 早速2人揃って装備を変える。……この一瞬で装備が変わるところはゲーム的だよな。


「2人とも、似合っていますよ!」


 装備を変えた俺達を見て褒めてくれるのは製作者たる師匠。この人ホントなんでもできるな? 

 ともかくサクヤの方の装備の性能は俺と同じだから割愛する。銘は紅葉の東洋着。こちらは完全に和装だ。だが戦闘用らしいアレンジはされている。

 先ほどの装備と同じミニ丈の紅葉色に楓?柄の着物(浴衣か?)に膝まである白いニーソックス風の足袋。紅色の鼻緒が付いた黒い下駄を履き、手には黒のフィンガーレスグローブと言ったか?を付けていて、最後に綺麗な黒髪を紅葉をデフォルメしたような可愛らしい髪飾りが飾っている。

 控えめに言って非常に可愛らしい。正直グローブがなかったら七五三と間違えそうだ。


「師匠。ありがとうございます。サクヤ、似合ってるな」

「主様も。よくお似合いです」


 2人でお互いを褒め合うがなんか照れくさいな。まあそれはそれとして……


「それにしても師匠。いつの間にこんなものを用意していたんですか?」

「ふふっ。驚きましたか? 用意したのはシュンさんが眠っている間にです」


 なるほど確かに十分な時間だ。


「それは差し上げますから大事に使ってください」

「なにからなにまでありがとうございます」

「いいえ。師匠ですからこのくらいは当然です。それを着て神通流を自分のものにしてくれることを祈ります」

「「はい!」」

「しばらくは屋敷を拠点に活動するのですか?」

「そのつもりです」

「そうですか。それでは今度あなた達の冒険話でも聞かせてください」

「もちろんです!」

「話だけでなく修行を付けて欲しい時も遠慮せず」

「は、はい……」

「ではいってらっしゃい」

「「いってきます!」」


 師匠に見送られ屋敷を後にする。


 さあまずは南門だ!  


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