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戦国時代にタイムスリップ? いえ、天下統一の為に異世界へ召喚されたみたいです  作者: 武雅


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堀越公方への使者

斎藤真氏が古河公方こと足利成氏に和議の話をしている頃、伊豆にある堀越御所では太田道灌が堀越公方である足利政知と会談をしていた。


とはいうものの、会談とは名ばかりの酒宴と言うべき歓待ぶりで政知は道灌を持て成している。

これは以前、今川家の家督相続争いの際、道灌が兵を率い駿河にやって来た際、政知と会い連歌などを互いに詠みあった仲であるからだ。


そして道灌が山内上杉家から鳳凰院家に主家は変わったものの堀越公方を鎌倉に動座させる為の会談に来たという事で十年以上も伊豆に留め置かれている現状を打開できる事で舞い上がっている表れでもあった。


「して道灌、余が鎌倉に入ったうえで各地に檄を飛ばし成氏を討伐するのじゃな?」

「いえ、討伐は致しません。 此度は血を流す事無く両足利家の間を取り持ち、融和させる目的で参りました」


政知は道灌の言葉に一瞬驚いた表情を浮かべるも酒の勢いもあり上機嫌であった為、話を続けるように促す。


「此度某が参りましたので、わが主、鳳凰院宗麟様の発案で先ほど申しました通り、血を流さずに両足利家を融和させ一つに纏める為でございます」

「して、その方策はどうなっておるのだ? 長年敵対して来た我らが手を取り合う事ができると?」


「しからば、公方様には伊豆をわが主にお与え頂き、その後に鎌倉にご動座願います。 その後、古河公方の元へ茶々丸様を養子としてお出し頂き、成氏の後継者と致します」

「馬鹿な!! そんな事を成氏が呑むと思うか? 奴には既に嫡男もおる、そのような者が茶々丸を養子に向かえるとは思えん!! 人質に出すようなものでは無いか!」


「確かにそう思われるかもしれません、しかし別の者が成氏殿の元に向かい話をしておりますが向こうも乗り気であるとの事、成氏殿のお子は他家へ養子として出され、茶々丸様が元服なされた後は古河で後見に着くとの事、その際に公方様も同様に後見にお付き頂き、関東を纏めて頂く所存」

「成氏がそのような事を…、俄かには信じられんな。 それでは奴に何の利も無い。 話を呑むふりをして茶々丸を迎え入れた後、殺して後顧の憂いを絶つのではないか? 余には茶々丸以外男児はおらん、茶々丸を殺されれば断絶するのだからな」


「恐れながらその心配は無いかと。 もしそのような事をすれば成氏は関東の者よりの信頼を失い古河公方と名乗り続ける事は出来なくなるでしょう。 関東の諸将は十数年に及ぶ戦乱に疲れ果てております。 それは成氏殿も同じこと、しかしその争いの元凶である関東管領山内家が力を失い、扇谷上杉家も鳳凰院家の家臣となりました、もしし公方様がご心配されているような事が起きれば、関東の諸将はこぞって公方様にお味方し成氏を一族郎党共々討ち取るでしょう」

「ふむ、確かに道灌の言う通りかもしれんがそうなったとしても余の跡を継ぐ者がおらん」


「確かに今はおりませんが、公方様に見合う名家、武者小路隆光様のご息女を娶られております。 恐れながらお子が出来るのも時間の問題かと」

「簡単に言ってくれる。 子が出来るかなどわからぬではないか。 それに茶々丸の噂を聞き及んでおろう? 素業が悪く例え養子に出したとて成氏とその家臣が認めるとは思えん」


「確かに茶々丸様の事は聞き及んでおります。 しかしながら他家へ…、それもいずれは関東を纏める立場になるとなれば茶々丸様もお考えを改め、どのようにしたら関東が纏まるか、家臣とどのように接するかなどを学び成長なされると思われませんか? 環境が変われば「男児三日会わずんば刮目してみよ」との言葉の通り名君ともなりましょう。 そして養子に出した数年後には公方様のご家臣でまつりごとに長けた者を家臣として送り込み成氏の発言力を削り公方様も後見として一時的に古河に入ればもはや両足利家は一つになったも同然」

「本当にそうなれば良いが、そうそう上手くいくか? 余には上手くいくとは思えんが」


「確かにわが主が仲を取り持たねば実現は致しませんが、考えてもみてくだされ、公方様が鎌倉にお移りになられればわが主は伊豆、相模、武蔵を纏め、上野より関東管領を追い出しまする、それだけの力のあるわが主が仲を取り持った此度の和議を反故にすれば如何に成氏殿とてどのような事になるかお分かりのはず。 わが主は公方様のお味方故、何かあれば即座に兵を挙げ古河を攻める事が出来ます。 此度の話、成氏殿にとっては自身のお子を家名を変えてまで末代に存続させる為には呑まざるえない和議なのです」


道灌はそう言うと盃に注がれた酒を一気に飲み干し口の中を潤す。

政知は未だ悩んでいるようだがまだ男としての機能も正常で正妻に加え側室もおり茶々丸に万が一の事があっても、いや何かあれば大義名分のもと自身が鎌倉公方として関東を纏める事が出来ると思って居る様子だ。


「道灌、この事、幕府は存じておるのか?」

「いえ、幕府は知らぬと思います、むしろ幕府は今、混乱の極みの中にあり関東に口を出す余裕すらないでしょう。 ゆえに幕府から成氏殿を討伐する為の兵が送られてくる事はございません。 しかも相模にはまだ諸悪の根源である関東管領に従う者もおりますれば、公方様に鎌倉へご動座いただく前、わが主がその者達を討ち平らげ相模を平穏にする所存、さすれば成氏殿はもはや和議を受け入れ茶々丸様を養子にお迎えするほかなくなります」


「そうか…、だが茶々丸が公方となったとして…」

「恐れながら、もし公方様にお子が出来れば茶々丸様を廃嫡し、新たに生まれた子を再度養子として出して後見となる事も出来まする。 まあそれは茶々丸様の素業が治らない場合ではございますが…」


道灌がそう言うと、政知もうなずき酒を飲み干す。


「道灌、この話を前向きに進めよ。 家臣には余から話し納得させる」

「ははっ、この道灌、公方様のご期待に沿えるよう粉骨砕身働きまする」


「うむ、頼むぞ。 それはそうと数日伊豆に滞在していくのだろう? 明日は久方ぶりに連歌を詠み合おうぞ」

「かしこまりました。 公方様と連歌を詠めるとは身に余る光栄」


そう言い平伏する道灌に対し政知は鷹揚に頷き、今日は飲み明かそうぞと手ずから酒を注ぐ。

どうやら道灌が手土産に持参した清酒が気に入ったようで政知はグイグイ酒を飲んでいる。


この調子では明日二日酔いで連歌どころでは無いだろうなと道灌は思うも、急ぎ戻る必要もない為、ご機嫌取りに終始する腹積もりである。


それにしてもよく飲むな…。

改稿すると言いつつの更新申し訳ございません。

後1話で完結とさせて頂きます。


改稿版は「滅亡回避で天下統一!! 名門だけど滅び歴史に埋もれた豊嶋家の嫡男に転生したのでチートを駆使して生き残ります。」

を9/1~投稿開始致します。


これ改稿とは言わない!! と言われそうですが改稿と言い張ります!!

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