第1話『初めて?の今日』
♪♪♪♪♪…
今日もまた目覚ましの音で目を覚ます。
「はぁ…、もう朝なのか…。」
昨日は確か23:30ごろまでは時計を気にしてた。だからそのあとぐらいから寝たんだろう。今の時刻は6:30。まぁだいたい6〜7時間も寝られれば上々だろう。
まだ動きたくないからゲームアプリのログインボーナスを回収していく。今はそんなに面白いと感じてないから惰性で続けてるような感覚だ。
なんだかんだで時間も経ちお昼のお弁当の用意をする。と言っても冷凍食品と昨日の夜からタイマーをセットしておいたご飯を詰め込むだけ。最初は料理していたけれど、だんだんめんどくさくなって辞めてしまった。形だけ保たれてるようなもんで、コンビニでお弁当を買ってるのとそんなに変わらない気がしてる。
身支度をして駅まで徒歩。電車も使ってだいたい通勤時間は50分くらい。会社の先輩達はそれくらいが普通と言うが、朝は早いと感じるし、夜も帰れば19:00近い。通勤ラッシュにぶち込まれる時間は僕にとっては全然普通じゃない。どうせならもっと近いところの方が良かった。
というより会社ってこんなにつまらないんだな…。今の会社に入ったのもただの運だった。
一つ、研究室で研究に取り組んでいた時、たまたま人事の人が来ていて先生と仲良くなっていた。
二つ、自分の研究室からもその会社に応募していたが、第一志望じゃなかったため欠員が出た。
三つ、そんな中僕の就職先は決まってなかった。たまたまこの三つの要素が重なっていただけで自分で行きたいと思っていたわけではないし、そんな中でも何か成し遂げたいことを見つけようともしていなかった。
自分で内定を承諾したかもしれないが、それでも僕の意思は本当にそこにあったのだろうか。なぜ面白くないのに続けてるのか。業績を上げる事を仕事にしているというより、1ヶ月我慢してればお金が貰えるという、そんな感覚だった。そうまでして、お金はいるのか?酒もタバコもきらいだし、風俗なんてなんかよくわかんないから行かなかった。お金を使う先がないし、基本的にお金のかからないことを趣味にしていたからそんなに頑張る必要はないんじゃないか? だって業務中は、ひたすらに眠くなる頭を外の風を浴びたり、コーヒーを飲んだりする事で覚ませようとごまかしているだけじゃないか。
僕は所詮2年目の素人。後輩もいないし、僕のやってる業務は基本先輩の補佐。なら僕がいなくても仕事は回るじゃないか。そうだなぁ…、退職願、出そうか…。そうしよう。
気づいたら長い1日が終わっていた。今日は何をしていたのか?ほとんど印象に残ってない。帰りの電車ももちろん帰宅ラッシュだから人もギュウギュウ詰め。幸い今日は残業もなかったし19:00前には帰れるだろう。
帰ってからは適当にアニメや漫画、動画でも見て明日の分のご飯をタイマーでセットして、準備をしよう。…あした?こんなにつまらないのに、まだ明日があるのか?今日は水曜日だった。明日と明後日さえ乗り切れば週末だ。
特に何かするわけじゃないけど、週末はごろごろしよう。それでいいや…。退職願はどうしようかな。明日、準備しようかな。その前に上司に相談した方がいいのかな?まぁ、もういいや。明日でいいや、あしたで…。今は…、22:30か。まぁ、たまにはこんな時間に寝てもいいだろう。
そうして、貴重な1日が終わった。僕は今日という日を有意義に使う事なく終わらせてしまった。
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