静永結月
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「私は1年4組、静永結月。あなた達は?」
その少女、結月はやや中性的な声をしていた。髪は短く、顔立ちも中性的で、男子用の制服を着ればそれに見えなくも無い。
「私は慈緒理。こんな所で何をしているの?」
銃を構え、警戒の意識を向ける亜梨冴の前に慈緒理は進み出た。
「っ、無闇に近づくな。素性を言うまでアタシは構えてるからな。」
亜梨沙が更に警戒の色を強める。
「心配なのはわかるわ。でも、疑い過ぎは良くないと思うの。」
「でもよ…」
亜梨沙はまだ納得していないようだ。
「じゃあ、これでどう?」
そう言って結月が両手を広げた。ボディーチェックの姿勢だ。亜梨沙は彼女に近づき、服の上から彼女の体を手で触る。特にスカートを入念に探る。そして、
「危険物は無いみたいだな。疑って悪かった。」
ようやく警戒を解き、銃を下ろして安全装置をかける。
「とりあえず場所変えよ?いつまでも廊下の真ん中じゃ落ち着かないよ。」
緊張の解けた空気を察し、今まで黙っていた日向が口を開く。
「そうだね。じゃ、ここの部屋に入ろうか。」
彼女らは結月に促され、彼女の出てきた部屋へと入る。
四人は図書室の中へと入った。昼の日がカーテンから入り込み、室内を適度に照らしているを廃墟にしては不自然な程片付けられたこの部屋の中で、結月が話し出した。
「私はこの学校を守ってるんだ。だって、ここはみんなの帰る場所だからね。誰かが居ないと。」
彼女は微笑み、自分がここに居る理由を明かした。その発言に、慈緒理は彼女の強い思いを感じた。
「それなら、その服は動きづらいんじゃ無いか?」
亜梨沙が指摘する。
「うん。でもね、憧れの高校生になって、気がつけば戦争にあって。せめて格好だけでも青春したいなって………」
結月はどこか寂しさそうに窓から空を眺めていた。その言葉に、慈緒理達はそれぞれ思う事があった。
「1人で住んでるの?食べ物とかはどうしてるの?」
「そこの棚に色々入ってる。ベッドは保健室から運んで来た。すっごい重かったよ。」
日向の質問に、結月は部屋の隅のマットレスと金属製の棚を指差した。どうやら、彼女は図書室で生活をしているらしい。
「慣れれば快適。住めば都を体感したよ。それに、ここには本が沢山あるから、退屈にはならないよ。」
「なるほどねー。」
亜梨沙が適当に部屋を物色する。彼女は整理された本の背表紙を指で撫でている。
「人は多い方がいいから、私達もここで暮らしていいかしら?」
慈緒理が提案する。この廃墟漁りや物々交換が主流で、仕事も肉体労働中心のサバイバル生活では、人が多いグループの方が効率が良い。それに単純に仲間を増やしたいと言う慈緒理の願望もあった。
「でも、私達の家はどうなるの?ここまで運んで来るのは大変だし…」
「それは…」
日向の指摘に慈緒理は口籠った。彼女らの様に廃墟を漁っている人は多い。住人がいなければ、あの場所も誰かに漁られてしまうだろう。
「だったら…」
結月が口を開いた。何か良い提案があるのだろうか。
「私がそっちに住むよ。」
その発言は、結月以外の3人にとって衝撃の発言だった。
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