新たな1日の前
第3話です。キャラ確立させるのって大変ですよね。
夕暮れの街、亜梨沙は近くの家からマットレスを引きずって来た。部屋には慈緒理と日向の2人分の寝具しか無かったからだ。途中、片面少し汚れたり破れたりしたが、裏返したので問題はない。もっとも亜梨沙が窓から落としたり、雑に運んだのが原因なのだが。「大切にあつかってよね」と慈帯理に軽く注意され、その後どこからか拾った大きめの釘を機械の一部を金槌代わりにして壁に打ち付け、ハンガーラックを完成させた。
「よし、まあまあの出来だな。」
亜梨沙は自前のハンガーラックを眺め、着ていた軍用の上着を脱いでそこにかけた。
「ちょっと付近の家から着替えでも漁って来るか。」
そう言って外に出ようとした。しかし、
「ダメよ。もう家の中に居ないと。」
慈緒理が彼女の手を掴んだ。既に日は落ち、辺りは夕闇に包まれ始めていた。
「ダメよ。」
慈緒理は亜梨沙の眼を見つめた。
「………わかったよ。まったく…」
亜梨沙は仕方なく諦め、自分のマットレスに腰を下ろした。
やがて完全に日が落ちた。この家は部屋の数カ所に手動発電やらソーラーパネルの小型ライトが電灯として置いてあり、読書や簡単な作業なら充分に可能だ。亜梨沙は銃の弧を描く様に曲がった弾倉に弾を入れたり、簡単な手入れをしたりしていた。一方日向と慈緒理は本を読んでいた。慈緒理が何かの小説に対し、日向はファッション誌か何かの様だ。
彼女らはそれぞれ夕食分の携帯食料は食べ終え、食後の微睡みが亜梨沙を襲い、彼女は大きな欠伸をした。
「じゃあ、そろそろ寝ましょう。」
慈緒理が照明を消し始めた。
「え〜まだそんな時間じゃないのに?」
「そーだよ。そんな長時間寝れないぜ?」
日向と亜梨沙は抗議したが、
「早く寝て早く起きる。昼間は一日中作業。これが基本よ?」
「軍の本隊から逸れたから、楽な生活出来ると思ったんだけどな…ま、しょうがねぇか。」
慈緒理の意見には同意せざるを得なく、二人は渋々布団に入った。念の為、亜梨沙は傍に銃を置いた。
あれからすぐに寝た慈緒理だが、日向と亜梨沙はまだ起きていて、小声で話しをしていた。
「なあ、アンタらはどれくらいここで暮らしてんだ?」
「えっとね…半年くらいかな?」
「半年もか…じゃあ、もうここでの生活はお手の物だな。」
「まあ、そうだね。そういえば亜梨沙はなんで軍隊なんかに?学校とかは?」
「学校か………前は行ってたけど、アタシの居た辺りはほとんどやられちまったからな………」
彼女は思い出す様にゆっくりと言った。亜梨沙の答えに日向はあまり良い質問でなかったと思い、「ごめんね。」と言って寝返りをうった。暗闇で亜梨沙の表情はわからない。
「謝る事なんてないさ。過ぎたモンはしょうがない。今出来る事を、今を全力で生きるのが、大切なんだろうよ。」
それを最後に亜梨沙は喋らなかった。日向も彼女が寝たのを察し、瞼を閉じる。
ありがとうございました。
後書きなんかも魅力的に書けるようになりたいです。




