廃墟の少女達
第2話です。どうぞ。
「撤退した味方の情報が欲しいなら、強盗みたいな真似しないで、素直にそう言えばいいのに。」
「悪かったよ。アタシの警戒が過ぎた。」
亜梨沙は慈緒理と日向に事情を説明し、今は廃墟の隅に置かれたベットに座っている。
「でも、軍隊でも敵わないなんて、一体どんな連中だったの?」
日向がもてなし代わりに角砂糖を渡しながら質問する。敵の砲撃を受けた亜梨沙は、建物に隠れてやり過ごした。しかし、砲撃が終わり、味方と合流しようにも、炎や瓦礫で阻まれ、迂回を余儀なくされた。その内に味方は撤退し、街を彷徨ってここにたどり着いたのだ。
「ドラグーン、敵の砲撃部隊さ。この辺まで攻めて来る事はないだろうが、射程に入れば全員灰になるよ。」
角砂糖を口に入れ、亜梨沙が答える。
「さっきの質問だけど、人は誰も見てないわ。」
「まあ、そうだろうな。じゃあ、現在地はわかるか?」
慈緒理が半壊した戸棚から地図を取り出す。
「うーん、これじゃあ合流は無理だな。よし、アンタらと共に行動するか。」
亜梨沙は潔く合流を諦めた。
「あ、亜梨沙さんが居れば心強いけど…軍の仲間とか、心配してるんじゃないの…?
「確かにそうだけど、一人で行動して死んじまったら元も子もないからな。それに、護衛なら任せてくれ!」
彼女は勢い良く立ち上がり、肩から下げた銃を自慢げに見せびらかせた。
亜梨沙が慈緒理達の下に訪れ、約1時間後、今は彼女達からここでの生活を教わっていた。昼間は街を探索し、同じように暮らす人々との情報や物の交換、夜になれば敵の偵察部隊を避けるため、住居代わりの廃墟に戻る。その繰り返しだ。
「西の方にはちょっとした集団がいるから、時々そこにも行くの。」
日向が地図を指差した。彼女は、これと交換するんだ、と言ってテーブルの上の拳銃を亜梨冴に見せた。亜梨冴はその拳銃を眺め、目を丸くした。
「これ、ハンターのやつじゃん!?どうしたんだ!?」
「あなたの言うハンターがあの機械の事なら、私達が手に入れた。正確には、壊して奪ったってとこね。」
亜梨沙は更に驚いた。目の前の少女二人が、武装した機械を壊し、更に武器を奪って交換に使っているのだ。
「…武器持ってんのか…」
日向が床に寝かしてあった短機関銃を手に取り、見せてきたので、亜梨沙はまだ驚いている。
「悪く言うつもりはないが、少しリフォームしたいとこだな。」
亜梨沙は壁やドア代わりのトタンを軽く叩きながら言った。こうして、3人の廃墟生活が始まった。
ありがとうございました。ペースは安定の不定期です。




