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魔法が使えない

魔法···

それは科学では証明出来ない不思議な現象を起こすまたは現象そのものの事。

おとぎ話などでは「他愛のない不思議な力や方法」とされていて

とても面白おかしく表現されているが、西洋ではとても恐れられている。

その証拠にヨーロッパでは古代から魔女狩りが行われていた。

だが実際地球において魔法などは存在しない。

所詮空想の産物である。


だが、それはあくまで地球での話である。


この世界では魔法とは生活に無くてはならない存在である。


簡単な魔法ならほとんどの人が使う事が出来る夢のような世界。


俺はそんな魔法がある世界に来た、いや来てしまった。


なら魔法を使うしかないだろう!


今こそ長年夢見てた魔法使う時だ!!








「あのーリュージさん。

 突然叫びだして一体どうしたのですか?」


「・・・ん?あぁいや何でもない。

 少し興奮していただけだ。」


「···早く始めよ」


「そう焦るなよー」


俺達は今ギルドに来ている。


いや正確にはギルドの裏の訓練所に来ている。


訓練所とはなんぞ?と思う人もいるかもしれんが、

訓練所とは正しく訓練する場所である!


・・・ここで冒険者達が剣を振ったり、魔法ぶっぱなしたり、

   実践形式の訓練をしたりする場所だ。


今日朝リーファちゃんが魔法教えて上げるから着いてきてと

行ったので着いていくとここに来たのだ。


ギルドに訓練所ある何て知らなかったと言ったら

ミアちゃんが「あれ?冒険者登録する時に教えてもらっているはずですよ?」

といったから慌ててレイヤさんの所に聞きに行ったら

「教えてませんでしたっけ?」と無表情で舌を出して

うっかりしてたみたいな事言いやがった。


仕事しろよあの毒舌女!


今日も相変わらず暇そうにしていた。


ふん。そんなんだから行き遅れになるんだよw


ゾクッッッッッッッッッ


何か向こうから心臓を直接握り潰されているような

ヤバい殺気を感じた。


・・・もうこの話しは止めよう。


俺の命に関わる。


「おーい···」


「あっはい。何でもないです。

 どうぞ始めて下さい」


「ん、始める。

 魔法の原理は覚えてる?」


「えっと確かイメージによって魔力からエネルギーに

 変換して放つ事だろ?」


「うん大体あってる。

 なら自分の魔法の適正は知ってる?」


「いや知らん」


「だと思った。

 じゃあこれを使って」


「何これ?

 一見水晶みたいだけど」


「それは適正属性判別石

 それを握って魔力を流すと

 自分の適正である色が光となって見える」


「へぇーすげぇな

 ・・・というかこれすげー高そう何だけど大丈夫なの?」


「大丈夫。

 確かに高いけどちょっとやそっとでは壊れない。

 これは私の師匠に貰ったもの」


「そーなのか。

 それじゃあ俺にとっての師匠はリーファちゃんだな!

 師匠!魔法を教えて下さい!」


「しっ師匠!?

 ···フフフ師匠、師匠かぁ。」


俺が師匠師匠と言うとリーファちゃんが顔を真っ赤にして

「師匠師匠フフフ」とか言ってトリップしてしまった。


とりあえず魔力を流して見ようと思ったらあることに気がついた。


・・・魔力ってどうだすの?


「ねー魔力ってどー出すの?」


「師匠師匠私が師匠」


駄目だこりゃ


「おーい戻ってこーい」


そう言って目の前で両手をパチンとした。


「···ん。

 あれリュージ?

 ここはどこ?」


「ここどこって・・・

 ここは訓練所。

 魔法教えてくれるんでしょ?」


「ん、そうだった。

 でどうしたの?」


「あーそれがどうやって魔力流すのか分からん。」


「ん、魔力を流すにはまず魔力を感知出来なくちゃいけない。

 頑張って体内にある魔力を感じとってみて。」


「分かった。」


目を瞑って探して見る。


見つからない。


集中だ集中。


いつしか俺の耳には心臓の音しか聞こえなくなっていた。


まだだ。もっと深く。


集中。感じろ。魔力。魔力。


すると俺はあるものを見つけた。


心臓の丁度下にある仄かに光を発した塊が。


これが魔力なのか?


注意深く感じとっていると、その塊から

全身に何かが流れているようだった。


これが魔力の流れなのか?


よく見ると極僅かだが魔力らしきものが流れているのが分かる。


だが実際動かそうとしてもうんともすんとも言わない。


塊が固すぎて流れない。


俺は一層力を込めて動かそうとした。


今一瞬動いた。


動け!動け!


そう念じながら力を込めたら、やっと魔力が動いた。


するとさっきまでのは何だったんだと思うぐらい

すんなりと魔力が流れた。


いやそれは少し違うかも知れない。


・・・魔力が流れすぎている。


魔力が細胞の隅々まで、まるでダムが決壊したように

流れ込んでいる。


ヤバい。


急いで止めようとするが中々止まらない。


この魔力を何かに使わないと体が壊れる!


俺は急いでアイテムボックスから薬草を取り出した。


今回はこの魔力の流れを意識しながら調合した。


この暴走した魔力を消費しなくては!


本能がそう叫んでいる。


そして何とか魔力の流れが安定した。


作ったポーションは受け止める容器が無かったのでそのまま手から

こぼれ落ちてしまった。


いつもよりポーションの出来がいいような気がして少し損した気分になった。


ふと顔を上げるとミアちゃんとリーファちゃんが驚いた顔をしている。


「今物凄い魔力を感じた。」


「一体どこから薬草取り出したのですか!?

 というかポーションの調合が出来るのですか!?」


二人はそれぞれ別の事に驚いている。


あっヤバい。


普通にアイテムボックスから薬草取り出しちゃった。


「そうマジック!これはマジックだ!

 何も無いところ薬草を取り出してみせる

 物凄いマジックだ!

 フフフ凄いだろ!」


「ふわー凄いですー!

 どうやって薬草を出したか分からないです!

 凄いマジックです!」


あー良かった。単純でアホな子で。


というかあるんだこの世界にマジック。


すると俺の服を誰かにくいくいとされた。


そちらを見るとリーファちゃんが目を輝かせてこちらを見ていた。


「凄い。

 教えて。」


と言ってきた。


そうかーこの子もまだ子供だしなー


こう言うのに興味があるお年頃だもんな。


「ごめん。このマジックは残念ながら教える事が出来ないんだ。

 マジでゴメン」


教えられないんだもんなー


種も仕掛けもあるがアイテムボックスから出したなんて言えない。


「違う。そっちじゃない」


・・・え?


「えっとそれじゃあ何が凄いの?」


「魔力」


「ん?」


「さっきリュージの体から膨大な魔力を感じた。」


「あーそれはさっき魔力を見つけて、

 その魔力を流したからだと思う。」


「そうなの?

 驚いた。

 こんな短時間で魔力を感知して、さらに操作したなんて。

 しかもリュージは沢山の魔力を持っている。

 リュージは魔法の才能がかなりあると思う」


「まじか。俺天才か。

 俺もう少しやってみる。」


それから魔力を2時間くらい操作した。


大分スムーズに流すことが出来るようになった。


「凄い・・・

 リュージ天才」


「ハハハそうだろ!何たって俺はチートだからな!

 出来て当たり前なのだよ!」


おっと調子に乗ってしまった。


「んじゃ早速この石に魔力を流して見ようかね。」


魔力を石に注ぐイメージを持つ。


無事魔力が石に流れた瞬間。


石が光出した。


赤、青、緑、茶色、黄色と順に光り、合計で9色光った。


へー俺ってかなり適正があるんだな。


「おーい終わったぞー

 俺かなり適正あるんだな・・・っておーい」


何故か目の前の二人は口をあんぐりと開けて呆けていた。


たく・・・どうしたっていうんだよ。


暫く見守っていると、やっと無事に帰還したようだ。


現実という名の場所にな


「帰還ご苦労だった。

 と言うわけで診断終わったから早く魔法教えてー」


「リュージ!」


「あっはい」


どうした!?いつも一定以上に感情を上げないリーファちゃんが

今は鬼気迫る表情で俺の事を見てくる。


いやだからどうしたって言うんだよ。


「リュージ!今適正属性何個あった!?」


「あーえっと9個?」


「9個・・・・・・・・・・・・・」


「おーいどうした?確かに想像してたのより少し多いけど。」


「少し何てもんじゃない!多い!多すぎる!

 何で全属性適正あるの!?」


あのー何かキャラ変わってない?


「何でって言われても・・・」


「もう何で分からないのよ!

 どうしてなの・・・

 昔の大賢者ミトロンでさえ適正属性は5つだったはず・・・

 それを超えるリュージは一体何者?

 今まで全属性適正何て聞いた事ない。

 相反する属性同士は共存しにくいっていうし・・・

 いやそこが問題ではない

 要するにリュージは大賢者を超える魔法使い?

 魔力も膨大だし、魔力操作は天才の領域・・・

 でもでもブツブツブツ・・・・・・・・・・・」


どうやらリーファちゃんは自分の世界に行っちゃったらしい。


リーファちゃんってもしかして魔法の事になると性格変わっちゃうタイプなのかな?


というか何やら凄い事言ってるように感じる。


大賢者は5つ?全属性適正?


おいおいどうなってるんだ?


要するに俺って天才?


まじか


ヤバいな


「ひゃっほーーーーーーーーーーーーーーーー

 ふはははははやはり私は天才魔導師だったようだな!

 ふぅ私はのんびりと過ごしたいのだがな・・・

 どうやら世界が私を放っておいてくれないらしい。ふっ・・・」


いやーやっぱり俺って只者じゃないな!


・・・・もしかして最高神の加護のせいか?


まー言わぬが花だな。


「リュージさん凄いです!

 私は適正属性が2つしか無かったですし、

 魔力操作もへただったので剣の道に進んだのです!

 尊敬します!」


いやー褒めないでくれよー


いやぁ自分の才能が怖いねー


「ねーねー魔法教えてよー早くー」


「ん、分かった。」


目がマジになってる。


「前に説明したけど魔法は想像。

 詠唱は必要ないって言ったけど

 覚えはじめは適当に作って詠唱して魔法を使ったほうがいい。

 詠唱は言ってしまうと想像の補助。

 詠唱することによって現象を想像しやすくなる。

 後魔法を射つときは魔力を操作しないとだめ。

 そうしないと魔法が乱れて暴発しちゃうから。」


「OK」


うーん想像かぁ。


どの属性の魔法がいいかな?


やっぱ火属性だよな


イメージは火事がいいかもな。


燃え盛る炎


家を焼き付くし、生物を死に追いやる炎


ガスバーナー


ガスと大量の空気を送る事によって超高温の業火となる。


太陽


厳密には太陽は燃えいているわけではない。


水素同士が超高速ぶつかりあって、ヘリウムとなる。


その時に莫大なエネルギーが発生する。


これが水素核融合反応。


イメージだ。


燃え盛る炎、ガスと大量の空気を取り込んで青くなった炎、

そして核融合を起こして超高温になった太陽。


いくぜ!!


「我が盟約に従い、顕現せよ火の化身イフリート!

 集え、猛る灼熱の炎よ、

 全てを焼き尽くし、全てを滅せ!

 ヘルフレイム・オブ・イグニート!!」



シーーーーーーーーン・・・・・・・・


「「「・・・・・」」」


「・・・・あれ?」


「えーっと・・・」


「・・・・・ぶっ」


「何故だ!何故発動しない!!??

 くそ!空気と交わりて、全てを無に帰せ!

 エクスプロージョン!!」


しかし何も起きない。


「くそ!くそ!ファイヤーボール!ファイヤーアロー!

 メラ!メラミ!メラゾーマ!メラガイアー!ブラストバーン!」


しかし何も起きなかった。


「な・・・ぜ・・・だ・・・?」


分からない分からない分からない分からない分からない分からない分からない


どうして魔法が発動しない!?


イメージはしっかり出来ているはず。


魔力操作も完璧。


なのに何で発動しないのだ!?


「···まさか!」


「分かったのか?リーファちゃん!」


「もしかしたら・・・」


「もしかしたら?」


「魔法を放つ適正が無いのかもしれない」


「・・・・・・・・・・・・・・・HA?」


「極稀に魔力操作が出来て、イメージがしっかりできていて、

 適正属性なのに魔法が発動しない人がいる。

 その人は魔法という現象を引き起こすことに関して才能が皆無

 10万人に一人いるかいないかというほどの珍しさ

 私達はその人達の事を



 神々の悪戯 ミスクリエイトと言う」


ミス・・クリエイト・・・・


頭が真っ白になった。


俺は魔法が使えないのか?


あんなけ楽しみにしていた魔法が俺には使えないのか?


天才的な魔力操作


大賢者をも超える全属性適正


膨大な魔力


そんだけあってミスクリエイトだと?


何が神々の悪戯だ!!


ふざけやがって!!


何で!何で!


ふと二人を見るとミアちゃんは申し訳なさそうな目でこちらを見て、

リーファちゃんは哀れんだ目に少し失望の色を感じる。

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