初パーティー戦
俺達は今リドル鉱山に向かっている。
リドル鉱山の場所は門を出て左の道をずーっと行くと途中で分かれ道があって、
右に曲がると鉱山があるらしい。
普通は馬車を使って鉱山まで行くらしいのだが、
今回は歩きで行くことにした。
別に特に深い意味はない。
道中でも魔物が出てくるので警戒しながら歩いていたのだが、
一向に現れる気配が無く、少し警戒を下げることにした。
その事によって少し喋る余裕が出来たので俺は今気になっている
ことを聞いてみた。
「ねぇ二人はどんなことが得意なの?
見た目からしてミアちゃんは片手剣が得意で
リーファちゃんは魔法が得意そうに見えるけど。」
「はい私は片手剣が得意です。
私は身軽なので相手を翻弄しながら
切りつけて倒します。」
へぇ身軽ねぇ。
その割りとデカイお胸様がブルンブルンと揺れる様が見える。
「ん私は魔法の中でも火魔法が得意。
ゴブリンには火魔法がとても効くからまかせて」
「へぇそっか。でもこのパーティーってどちらかと言うと
盾職が欲しいところだよね。」
「そうですね。
あっそうだリュージさんはどうやって戦うのですか?
見たところ何も持ってないように見えますが・・・」
「あぁ俺はこれを使うんだよ。」
そう言って俺は鞄から出すふりをしてアイテムボックスから槍を出した。
「フフフこれだよ!」
「「・・・・・・・」」
「・・・あれ?どうしたの?」
「どうしたのってそれ!どう見ても先の尖った木の棒
にしか見えないじゃないですか!」
「ん私も同感···」
「なっ!?こっこれはゲイボルグっていう伝説の武器だぞ!!」
「「・・・・・・・」」
「おっお前らはこの真の強さを見てないからそんなことは言えるんだ!
あっ丁度良いところにスライムがいた!
いいかよく見ておけよ!」
そう言って俺は全体重を乗せて強烈なゲイボルグを放った。
その槍は猛烈な速度で飛んでいってスライムの魔核を貫いて
後ろの木に突き刺さった。
明らかにオーバーキルである。
「···絶対に鉄の槍でやったらもっと威力がでると思う(ぼそっ)」
「ん?何か言ったか?」
「いっいえ何も言ってませんよ!」
「ふーんそっか」
「ん着いた」
そんな事を話しているとどうやら着いたようだ。
鉱山は思っていたよりもでかかった。
「ここを登った先にデカイ洞穴があるようで、
そこにゴブリンが住み着いているようです。」
早速そこに行くことにした。
意外なことに道はきちんと整備されていてとても
魔物が出てくるような場所には見えない。
問題の場所が見えてくると洞穴の前には見張りの
ゴブリンが二匹立っていた。
「よし今から作戦会議しよっか。
とは言っても今回は俺一人で片付ける予定だ。
俺が最初にゲイボルグを放って一匹殺して
もう一匹が突然のことで動揺している間に殺す。
ってこれじゃあ作戦もくそもないか
とりあえずこれで行くが異論はないか?」
「いえ私もそれがいいと重います。」
「私も賛成」
「よしじゃあこれでいこうか!
これより任務を遂行する!!」
「おー」
「・・・おーです」
俺の目の前には眠そうにしながら監視を続けているゴブリンが
二匹いる。
注意力は散漫としており、監視としてはどうなんだろうと思う。
まぁゴブリンだから仕方ないか。
そしてゴブリンが俺達がいるほうと反対側を向いた瞬間俺は
ゲイボルグを放った。
ゲイボルグは導かれるかのようにゴブリンに向かっていき、
背中から貫いた。
もう一匹のゴブリンが仲間を殺された事に気がついて動揺している。
しかしすぐはっとして戦闘モードになろうとしたがもう遅い。
俺は隠密を使ってゴブリンの背後を取ってゴブリンの首をへし折った。
・・・やっやべぇ!今のくそかっけー!
後ろから気づかれないように近づいて首をへし折るとか
何処かの暗殺者みたいじゃないか!!
・・・というか俺の場合持っているスキルや道具からして暗殺者じゃないか。
そんな事を考えながらニヤニヤしていると、
こちらにやって来た二人が気味の悪い生物を
見ているかのような目で見てくる。
やっやめてーそんな目で俺を見ないでー!
興奮しちゃうからげふんげふん。
・・・いや嘘だよ?俺はそんな性癖持ってないからね?
本当だからね!
中に入るとむわっとした空気を感じた。
中はとてもじめじめとしており、
生臭い匂いを感じる。
ぶっちゃけ早くここから離れたい。
暫く先に進むと何らかの気配を沢山感じた。
聞き耳を立てるとギャギャッという声が聞こえた。
どうやら奥に沢山のゴブリンがいるようだ。
「二人とも。この奥にどうやらゴブリン達がいるようだ。
今から作戦会議をする。
二人ともOKか?」
「OK!」
「おーけ?」
「今回は沢山の敵がいるから最初はリーファちゃんが魔法で殲滅してね。」
「ん分かった。私の火でゴブリンを焼き付くしてあげる。」
「いや今回は火魔法は禁止だ」
「・・・え?」
「いやそのなんだそんな悲しい目で見てくるな。
今回火魔法を使わないのはきちんとした理由がある。
洞窟内で火魔法が使うと空気中の酸素が大量に無くなって
最悪一酸化中毒になる危険性があるんだ。」
「さんそ?いっさんかちゅうどく?」
「ああー分かりやすく言うと、危険ということだ。」
「それはどう考えても訳しすぎですよ!?」
「ん分かった」
「おー理解してくれたか!」
「・・・どう考えても理解するのを放棄したように見えますが。」
「細かい事は気にしない」
「ミアちゃんってツッコミキャラだったっけ?」
「・・・もうやだぁ」
「ハハハ細かい事は気にするな
とりあえず今から作戦内容を発表するぞ
まずゴブリン達が見えてきたら
リーファちゃんは全力で風魔法を撃って。
そしたら俺とミアちゃんで奇襲をかけて殲滅する。
以上だ。質問はあるか?」
「いえ大丈夫です」
「大丈夫」
「OK♪それじゃあ任務開始!」
歩いているとゴブリン達が見えてきたので
リーファちゃんが全力で風魔法を放った。
おーまるでゴブリンがゴミのようだ。
そして俺達は残ったゴブリンの殲滅を開始した。
まずは一匹目
重症を負っていたので上から槍で突き刺して殺した。
すると隣から殺気を感じたので
さっと飛び退くと、俺がさっきいた場所に剣がふり下ろされていた。
あっあぶねー
直ぐに剣を地面から抜いて切りかかってきた。
所詮ゴブリン。
型とか関係なく力任せで剣を振り回しているので避けやすい。
俺は攻撃を全て紙一重で避けて、隙をついて
無防備な喉に思いっきり槍を突き刺した。
死んだのを確認して周りをみると
未だに呆然として状況がよく飲み込めてない奴がいた。
俺はそのゴブリンに向かってゲイボルグを思いっきり投げて殺した。
そして再度周りを確認すると、丁度ミアちゃんが
最後の一体を倒したところだった。
「お疲れー二人とも!」
「お疲れ様です。
しかし拍子抜けでしたね。
思っていたよりも楽に倒せました。」
「そうだね。でも今回はたまたま楽に倒せただけだからね。
ゴブリン達が密集していてなおかつ奇襲が成功したからだ。
特に最初の強烈な風魔法のお陰で
大半のゴブリンを倒せたからな。
リーファちゃんありがとね。」
「ふふん♪」
得意げにしながら帽子を取って俺の方に頭をずいっと向けてきた。
「え?いやこれは?」
「···なでなで
頑張ったご褒美に」
「おっおう」
俺はリーファちゃんの綺麗な金髪を見つめながら頭を優しく撫でた。
・・・俺女の子の頭なでなでするの初めてだ。
髪の毛がさらさらで女性特有の甘い香りが鼻腔を擽る。
心なしかリーファちゃんの顔が赤くなっている。
多分俺の顔は真っ赤になっていると思う。
いきなりDTが女の子の頭をなでなでしたらこうなるのは当たり前だろ。
ふと隣からの視線を感じて、そちらを見ると
ミアちゃんがリーファちゃんを見て羨ましそうな表情をしていた。
なので俺は一旦なでなでを止めて今度は
ミアの頭を撫でてあげた。
「ひゃっ!?」
可愛らしい悲鳴をあげた。
だがすぐ顔を真っ赤にして俯いてしまい、
されるがままになっている。
暫く二人をなでなでした後
奥に続く道を発見したので早速行ってみた。
奥にあったのはどうやら宝物庫のようだ。
だが特に目ぼしいものは無かった。
しかし俺が金貨を見つけた時に二人がすっ飛んできた。
「うわー金貨だー
今日はとても運がいいですね!」
「金貨。むふふ。」
二人は臨時収入が入って嬉しいようだ。
ちなみに貨幣の価値だが、
銅貨1枚=日本円で100円
銀貨1枚=銅貨100枚=10000円
金貨1枚=銀貨100枚=1000000円
白金貨1枚=金貨10枚=10000000円
聖金貨1枚=白金貨10枚=100000000円
である。
つまり臨時収入で100万円を手にしたのである。
そりゃあ舞い上がるわ。
えっ俺?
俺は別にレアドロップチートのお陰で金が沢山あるから?
別に金貨などいらんのだよふははははは。
いや嘘です。金貨欲しいです。
宝探しを終えた後俺達は直ぐに外に出た。
うーーん空気が良い!!
洞窟内めっちゃ臭い!!
帰り道リーファちゃんに魔法の事を話したら
明日教えてくれるらしい。
フフフ明日が楽しみだな!




