表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

89/195

【80話】第5レベル呪文解放

「フッフッフ……くっくっく……ああっははははははっ! わぁはっはっはっ!!」


 僕は天幕の中で、大きな高笑いをしていた。


 たまたまやって来た、給仕の人が残念そうに僕を見ているけど、構うもんか。


 僕はさらに笑った。


 そう、僕は第5レベル呪文に目覚めた。

 順調に転生前の状態に回復している。


 今までのランディは、ただの雑魚だ。

 そう、これからがスーパークレリックランディの真骨頂だ。


 さあ、説明しよう!



 第5レベル呪文 ‐20回


 シリアスリジェネレイト≡重要欠損部位の再生。

 スペルレジスト≡魔法ダメージ50%OFF 効果時間は1時間。

 トゥルーサイト≡半径10m以内の全てを知る。効果時間1時間。

 プロテクションフロムノーマルミサイルLVⅡ≡飛び道具からの完全防御 24時間。

 ディテクトイービルLVⅡ≡100m以内の敵を探知 24時間

 クリエイトフードフリー≡以前の食べた物を再現する。 レベル×1人分。

 ホールドパーソンLVⅡ≡レベル6以下 麻痺。

 パーフェクトヒール≡完全回復。

 クリティカルヒールサークル≡周囲の致命傷を治す。

 ストライキングス≡6人までの武器又は拳等に追加ダメージを付加 効果時間は6時間。



 ※第5レベル呪文‐20回

 これは、クレリック呪文の第5レベルが、最大20回覚えられるんだ。

 ただし、呪文の再取得には6時間の睡眠が必要になる。

 そう、だから僕を含めクレリックに対して戦う場合、多勢で5時間置きに、連続で攻めてくれば、たかが1人なんぞイチコロだ。

 呪文じたいは凄いが、僕もか弱い人間って事だ。

 それじゃ呪文の説明をしよう。



 ※シリアスリジェネレイト

 これさえあれば、重要部位の再生すら可能になる。

 これで再生出来ないのは、脳くらいだ。

 心臓も再生できるが、死人の再生は出来ないから、そこら辺は時間の勝負になる。


 ※スペルレジスト

 無条件で、魔法ダメージを半分に減らすことが出来る。

 強いマジックユーザには必須な防御呪文だ。


 ※トゥルーサイト

 僕を中心に半径10メートルの生物の情報を見る事ができる。

 名前・体力・残体力・レベル・年齢・種族・種別(職業)を知ることが出来るんだ。

 だけど、情報量が多いと気持ち悪くなって吐いてしまう。

 今の僕は何人くらいまで、耐えられるんだろうか。


 ※プロテクションフロムノーマルミサイルLVⅡ

 これは文字通り、飛び道具からの完全防御。

 魔法で補正された攻撃のみ、術者にダメージを与える事ができる。

 転生前の僕は『exclamationバックル』が同じ効果を持っているので使わなかったが、今回はきっと役に立ってくれるだろう。


 ※ディテクトイービルLVⅡ


 これは、敵意あるものを、レーダーの様に検知してしまう優れものな呪文だ。

 しかし、僕の貞操を補食しようとした、レジーナには、全く反応しなかった。

 女性の強姦は敵意がないのか? 検証の必要があるかもしれないが、試したくない。


 ※クリエイトフードフリー

 スーパークレリックの真骨頂とも言える呪文。

 これは以前食べた事のある、食事を再現できるチート呪文だ。

 ただし、日本人の僕と融合した以前の『ランデイヤ』が食べた食材は再現できない。

 一応記憶はあるんだけどな。

 だが、以前の『ランデイヤ』よりも、呪文はパワーアップしている。

 食べた食材の過去まで遡れるからな。

 例えばカップ麺は、お湯を入れる前の状態で出すことができるし。

 野菜炒め定食なら、食材単体はもちろんのこと、野菜の苗にまで戻して出現させることが出来る。


 ※ホールドパーソンLVⅡ

 ホールドパーソンLVⅠの強化モノ。

 確証はないが、新米騎士程度なら、無条件で麻痺させることが出来るだろう。


 ※パーフェクトヒール

 文字通り完全回復。

 普通の人間相手なら、クリティカルヒールで済むから、使うことがないこの呪文。

 だが、アーサーや僕見たいにHPがバカ高い者には有効な呪文になる。


 ※クリティカルヒールサークル

 範囲回復系の最高位呪文。

 皆様の致命傷を瞬時に回復いたします。


 ※ストライキングス

 攻撃追加ダメージであるストライキングの複数系呪文だ。

 小集団戦闘で、大活躍するだろう。

 ただし、追加ダメージは一定なので、攻撃力が弱い者ほど効果は大きく感じる。


 これが、僕の第5レベル呪文の全容だ。




 実は、この遠征で6時間以上しっかりと、寝られたのは2回しかない。

 呪文の、再取得は容易じゃないな。

 元の自分に戻りつつあるせいで、心許せる人達以外の近くでは、熟睡が出来なくなってきている。


 これについては、対策が思い付かないから、遠征時は呪文は節約して戦いに挑もう。



 案内人と別れてから、2時間が過ぎて森が拓けている場所に到達した。


 木造平屋の小屋が3軒並んでいて、井戸まである。

 後ろには岩山があって、見張りができるスペースと、均等に結び目の付いたロープが、2本垂れ下がっていた。

 岩山には人影はないが、小屋の脇に馬が1頭繋がれていることから、無人じゃないと想像できる。


 そして、荷車が通れる道が小屋を起点に1本伸びていた。



 僕と黒尾騎士団の6人は、獣道から外れた所で、監視を始めた。


 小数といは言っても、敵の人数把握しないで突っ込むのは無謀だ。

 せめて、頼りになる仲間が1人でもいれば、問答無用で突っ込むんだけどな。


 呪文を使うにしても『ディテクトイービル』は、僕を敵だと認識しないと、反応しないし『トゥルーサイト』は半径10メートルだから、かなり接近しないと意味がない。



 だいたいこういった仕事は、ガル担当なんだけど。

 居ない仲間を思い出したら、胸がざわめく。


 仕方ない、平常運転で行きましょう。


「騎士団のみなさん」


「はい!」

「はい!」

「はいっ」

「はっ!」

「はいっ!」

「はいっ!!」


 みんな、元気のいいこと。

 盗賊さんに聞かれたらどうすんだよ?


「このまま、夜まで待つのも嫌なんで、索敵しながら殲滅します。騎士団のみなさんは、盗賊の残党狩りをお願いします。余裕があるなら1人か2人ほど生かして捕らえて下さい。僕は回復魔法持ちだから、やり過ぎても構わないから」


「えっ? ランディさんは、独りで突入するんですか? 危険です」


「うん、僕もそう思う。だから遠慮なく全開でやるから。1つ言っておくけど、この僕の真似は絶対に無理だから参考にしないでね。じゃよろしく」



 僕は、盗賊が潜伏していると思われる小屋に向かって進んだ。


 さて、いままでエセ闘士ランディの本気は何度か見せたけど、そろそろクレリックランディの本気を見せましょうか。

次回、舌の根が乾かない内に、ランディは呪文を連発します。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ