表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

87/195

【78話】ランディ仲間を増やす

少しみじかいです。


「……はい、僕は条件次第では、ここを離れるでしょう 」


 3人の気配が、殺気に近いものに変化する。

 だけど、襲いかかる訳でもなく、さらに質問をしてきた。


「何故です?」


「簡単です。人はより良い上官やより良い待遇があれば、そちらに行きたいと思うのは当たり前です。……ただ」


「ただ、なんですか?」



 僕は深呼吸する。

 何故か、ここでは正直に答えた方がいいと、僕の本能が告げている。

 

「人には感情があります。恩など情などがあれば、多少の好条件では動かないでしょう。僕にとっての好条件とは人柄です。 知っていますか? この国の王様は、子どもの解毒のために、素性の知れないガキにも頭を下げる事が出来るんですよ。聞けば、王様が即位してから、奴隷の待遇が良くなってるそうですよ。『 王族が一般人に頭を下げられる』『奴隷や身分が低い者達の心配ができる』『僕や両親の恩人である』 これをあっさりとぶっちぎれるような素晴らしい人物がいたら、喜んでそっちにいきますよ。それでも王様に一言お伝えしてからにしますが」


 ふう、言ってやったぜ。



「……」

「……」

「…………」


 ソードさんはまたしても、ナイフさんをチラ見する。


 ナイフさんはゆっくりと頷く。


 気がつくと、ピリピリとした空気は既になく。

 何処かの山荘で、3時のお茶でも飲んでいるような空気に変化していた。


「ランディ君、今の発言は色々と危険ですが、正直に答えて頂いたので、採用になりました」



 やはり、何処かに嘘発見機でも仕掛けていたみたいです。


「それに、私個人はランディ君を大変気に入りました。 例え不採用でも私個人が仕事を斡旋していたでしょう。 私の名はアルテリオン、よろしくランディ君」


「はぁ? 気に入ったって、そりゃあ不味いだろ?」


「大丈夫です。二本(・・)が機能しなくても、残り四本(・・)が居れば問題ないでしょう」


「だがなぁ」


「……大丈夫……俺がいる……」


 なんの話をしてるんでしょうか?

 恐らくだけど、特務隊の幹部らしき人達はコードネームは、ダークなんたらで、本数呼びするみたいだ。

 厨二軍団か?


「まあ、オレの名前は分かるよな? サンジェルマン・フォン・アルカディアだが、ここでは『スピア』と呼べよ」


「……俺の名前……ガルサンダー……」


 ガル!?

 容姿は残念だけど、ガルが雷神剣で暴れている姿を思い出した。

 しかも、ガルの本名『ガル・ギル・ゲル』よりも「カッコいい」



「……え?……」

(今……カッコいい……いったか?)


「ねぇ、ガルさん……うっ、めっちゃ違和感でるな。武器を素早く振ってみて?」


「……こうか……」


 早い! この姿を見て、僕の頭に『名付けの神』が降りてきた。


「早い、煌めくような斬撃に名前負けしない名前。ガルさんと呼ぶのは、かなり言いづらいから『雷撃のガル』だ! 雷撃、カッコいい」


「……つっ!……」

(……俺が……カッコいいだと?……嘘じゃない……しかも……雷撃のガル……ジーン……)



 僕と雷撃が遊んでいたら、ソートさんに呼び止められた。


「ランディ君と『ナイフ』そろそろ解散しましょう。特務隊の仕事は、主に『情報収集』『非公式の身辺警護』『暗殺』『情報操作』になります。あと見習いには『毒味』役もいますが、2年前の八武祭では1人だけいました。が、ランディ君の事は『騎士を煮込んで笑っていた』としか聞いていませんでしたね。人選を失敗しました。それでは給金は別途計算しますので、ランディ君お疲れさまでした」


 こうして僕は、王族近衛特務隊に非常勤隊員として、入隊した。

 でも『近衛』って文字、要るのかなぁ。



 ◇◆◇◆◇◆



「さて、確証はありませんが『暗黒女神の愛』の力が見えましたね」


『ダークソード』の称号を持つアルテリオンが顎に、手をおいて話す。


「なんだって、もう解ったのか? どんなだ?」


「憶測ですが、筋力、速度、体力、魔力総量2倍と見ました」


「ばっ!? ばかな……そんなメチャクチャなギフトがあってたまるか。 だが、それなら辻褄があうな。いやそれでも魔力総量は……」


「まあ、いくつか腑に落ちない事もあるんですが、そう思っていれば、あの馬鹿げた戦闘能力も半分は納得できます」


「もう半分は、なんだ?」


 サンジェルマンは聞いてきた。

 ガルサンダーは、会話は聞いているものの、参加はしていない。


「どう考えても、熟練した技術と年齢が合いませんね。ですが、私の仕事は敵対勢力の諜報なので、これ以上気にしない事にします」


「『ソード』から振っておいてそれかよ。なあ『ナイフ』どう思う?」


「……」


「『ナイフ』どうした?」


「……俺の事は……雷撃……雷撃のガルと呼べ……」



「はぁ?」

「は!? まさか『ソード』あなたまで、ランディ君を気に入ったとか言うんですか?」


「……雷撃だ……一生仕える……主……見つけた……」


「ダメだぁ、オレや『ソード』より質が悪い。これで『ダガー』も気に入った何て言ったら、誰かあいつを警戒するんだ?」


「……主に……警戒……要らない……」


「こりゃぁダメだなぁ。おっ目が覚めたか『ダガー』」


『ダークダガー』のマテラ・ラーンは、キョロキョロと辺りを見回す。


「『ダガー』どうしましたか?」


「師匠は?」


 マテラ・ラーンが発した『師匠』の単語に、ビックリするアルテリオンとサンジェルマン。


「はっ?」

「はぁ?」


「えっと、ランディ・・・ランディ師匠はどこにいる」


「終わった……この状況、とてもオジ……ボスに見せられねぇな」


「万が一を考えて『ランス』と『ニードル』あと、ボスにも会わせないようにしましょうか、間違えると『ランディ親衛隊』になりそうですから」


「『ソード』よ、それは、まったく笑えねぇぞ?」


 こうして、ランディは追加の仕事とファンを作っていった。


 

スピア「『ナイフ』よあいつに惚れた決めては?」


ナイフ「……俺の事……カッコイイって言った」


ソード「『ナイフ』は嘘を見抜く特殊能力ごありますからね。ランディ君は嘘はいっていないのでしょう 」



ソード「ランディ君、いったい『ナイフ』のどこがカッコイイのですか? どう見ても、残念なんですが?」


ランディ「名前です、なまえ。『ガルサンダー』なんて『ガル・ギル・ゲル』より100倍カッコイイでしょ」


ソード「えっ? そこだったの?」

(ナイフには言わない方がいいですよね)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ