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【45話】毒の謎

今回は短いです

 僕は、近くにいる騎士から、出来る限りの事情を聞いた。


 そして、この人は王宮騎士だった。

 どうりで、ただならぬ気配をしてるのが納得できた。



 今回、王様は八武祭見学のため、『王宮騎士』約十名、『中央騎士団』約八十名、『従者』約二十名を引き連れて移動していた。


 ここは、八武祭は四年毎にローテーションしているから、四年前にも来ている休憩地帯らしい。


 だから四年前同様、に野営していた。

 だけど、出発直前になって騎士達が様々な異常を訴えたらしい。


 主な症状は、脚部又は全身の激しい痛みと下痢嘔吐だった。


 下痢嘔吐には『デトックスA』が効果があり、脚部には『デトックスC』が効果を発揮して、全身の痛みをには『デトックスB』と『デトックスC』の併用が効果的と判断したらしい。

 だが、どの解毒魔法も効果はあるが、数刻で再発すると言う。


 この集団にいる医療班は、ここまで突き止めて力尽きて倒れた。


 自分も毒に侵されたり、無理して魔力の枯渇まで解毒魔法を使い続けたからだ。



 さぁ、考えるんだランディ。

 この世界は毒は兎も角、病気に対してはほとんど無知だ。


 僕の知識が役に立つか……なんてかっこいい事言ったけど、気に入ったこの人達のためになら、回復呪文の方を使ってもかまわない。


 僕の能力の隠匿レベルは、その程度だ。



 ◇◆◇◆◇◆◇◆


 僕は情報収集のために、王宮騎士のオッチャンに解毒した後、話を聞かせてもらえるよう頼んだ。


 準備として、毒に侵された人達の分類をした。


 グループA……全身の痛み+下痢嘔吐。

 グループB……全身の痛み。

 グループC……脚部の痛み。

 グループD……下痢嘔吐のみ。

 グループE……脚部の痛み+下痢嘔吐


 グループDの症状の人は十人もいなかったから、マキナスジジィに任せることにした。


 そして、グループAからCとEの人達は適当に三十人くらい解毒させたら、えらいことになった。


「な、なんだその魔力総量は!?」

「ギフト持ちか……」

「ま、魔神の加護?」


「そんな事はどうでもいいんです、では聞き取り調査開始!」



 ◆◇◆◇◆◇◆◇


 聞き取り調査の結果不可解な事実が判明した。


 騎士達の中でも、粗野で荒々しい丈夫そうな人ほど、症状が重い。

 だから、王様の従者は無事な人が多い。

 そして、下痢嘔吐グループの、人数の少ない症例がここに集中している。


 僕は解毒魔法で治る病原菌を想像していたけど、肉体的に強い者ほど重症化しているから、僕の予想はハズレかもしれない。


 一部の調査した人が、従者の何者かが毒物を騎士中心に混入させたと疑っていたけど、証拠も根拠もなかった。


 そして、数頭しかいない馬には全く症状が無い。


 一体何が原因なんだ?


 それに、何でバラバラな症状が同時に襲って来たんだ?


 もっと詳しく事情を聞かないと……



 ◆◇◆◇◆◇◆◇


 王子様のロベルト君の症状が出始める直前に解毒魔法を掛けた。


「ありがとう! ランディ兄ちゃん。 ランディ兄ちゃんは凄いんでしょ? 聞いたよっ、半分近くもの騎士を解毒したんでしょ? 凄いなぁ、これが魔神ギフトかぁ」


 ロベルト王子は、すっかり僕になついてしまった。

 身分が違いすぎだから、誰かに引き剥がされるかと思ったが、王様と妃様は温かい眼差しで僕達を見ている。


 えっ、王様に敬称を付けるのが変ですって?

 失礼な、僕は好きな人達には敬称を欠かしませんよ? (嘘です)

 まあ、嫌いな王だったら、頭の中で『バイキング』

 とか、呼んでやるけど。


「ロベルト王子、実はですね……僕はギフトは持っていないんですよ」


「えっ? だってみんな言ってたよ? 魔神のギフト持ちが二人もいるって」


 そう言えば、マキナスジジィは魔神の加護ってギフトを持ってるんだっけ?

 それに加えて、回復魔法と肉体強化魔法まで持ってるから、大概反則だよね。


「ふっ、ロベルト王子……僕は努力の天才だから、ギフトを持ってないけど凄いんだよ。だからもう少し待ってて、ロベルト王子を必ず治して上げるから。 ところで何でロベルト王子だけ、謎の痛みがでたのかな? 」


 そう、王様と妃様や、側近の従者は誰も謎の毒に侵されていないんだ。



 僕の言葉に、突然王子様の表情が曇る。

 まるで悪い遊びをしていたのがバレたみたいに。


「ランディ兄ちゃん……絶対に誰にも言わない? 絶対に怒らない?」


「ああ、誰にも言わない……約束だ」


 と言ったら、王子様はそっと耳元で話してくれた。



「僕、お父様の言いつけを破って、騎士達と水辺で遊んでいたんだ。 僕が約束を破ったからこうなったんだよ……ねぇ、もう二度と約束は破らないから治してよ、ランディ兄ちゃん……」


 約束を破ったからって、あんなにはならない。


 でも、僕の直感が訴えてる。

 王子様のこの言葉がヒントだと。



 僕は、聞き込みを再開した。




 そして…………


「そ、そうか……これかも知れない。 憶測だけどこれしか考えられない!」



 謎の毒の答えは『アレ』だ!!




さて、毒の正体はなんでしょうか?、


今回は短いので。続きは木曜日に投下よていです。

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