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【27話】ドラグス先輩

 僕は三時限目に、二年生の傭兵コースに出かけた。


「失礼しますっ。ランディ・ダーナス来ました!」


 すると、昨日より多くいる先輩達がみんな僕を見る……やめてぇ、僕は視姦プレイは苦手なのぉ。


 視姦プレイを受けている中、一人の先輩がやって来た。


「君がランディ君か……本当にあいつらを倒したんだよな? 十一歳で?」


「はい、倒したのは僕ですが、年齢は十歳です」

(実は九歳ですけどね)


 先輩が驚いていた。

「うわっ、特待生かよ……じゃもうヒーリングとか使えたりする?」


 しかし、この先輩は言葉使いが柔らかいな……ランディ君なんて呼ばれたの初めてだよ。



「そっか、なら直ぐに模擬戦をしないか? こう見えても私はこのクラスじゃ強い方なんだよ、……おっと、私の名前はドラグスだ、よろしくなっ」


 なんか、感じの良い先輩だな。



 ◆◇◆◇◆◇◆◇


 僕とドラグス先輩、野次馬数名が、訓練場に移動した。



「なあ、ランディ君。一応初っぱなは全力でいかないで徐々にペースを上げていこう」


「? ……ドラグス先輩、どうしてですか?」


「だってな、どっちかが強すぎたら……不味いだろ? 実力差の有る相手に大ケガなんてな……」


 この人、僕が強すぎるのも想定してるの? 年下の僕に?


 慢心の無い先輩……舐めてかからない方がいいかも……


 野次馬先輩が戦闘開始の合図を出してくれた。

「驚くなよ……はじめ!」


 えっ? 驚くな?

「ドリャァァァァァァ!!」

 はっ? いきなりバーサクモード!? はじめは手加減するんじゃ……


「オラ、オラッ、オラッ! オラッァ! オリャァッ!!」


 突如オラオラ系の人になりましたが。


 言ってくれた通り、徐々に攻撃の回転が上がってきている……早く力強い攻撃……でもそれだけだ。


 技術も駆け引きも、未熟だった。


 僕は、ドラグス先輩の腕が伸びきった瞬間に上腕をバシッと叩いた。


「ツッ! やるな……肉体強化LV1! ……ドリャ、ドリャ、ドリャドリャ、ドリャァァァ!」


 ドラグス先輩のギアも上がった、それでも毎日やりあっていたあの人 (ロイエン)には遠く及ばない……今度は、急所を外した脚部にバシッと叩いた。

 さらに隙があったので、もう一回叩く。


「アヅッ! これでも駄目か……それなら全力だぁ、肉体強化LV2!! ……ウリィィィィィィ!」


 ……まったく、どこの怪物ですか?

 今のドラグス先輩は強い……それでも肉体強化を使わないロイエン程度……まあ力だけだけどね。


 数回、ドラグス先輩の攻撃を弾き返すと、大きな隙になったから、腹を素手で強めにぶっ叩いた。


「ゴパァッ! ……カハッ……ゲホッ、ゲホッ……ま、参った……」


「ドラグス先輩、ありがとうございました」

 僕は、ペコリとお辞儀をする。


「ドラグスに、圧勝だよ…… 」

「噂以上だな……」

「なあ、教官がいないときは、ランディを呼んだ方が練習にならないか?」


 なんか、ドラグス先輩のグループはなんか良い雰囲気なんだよな……


「ドラグス先輩……ヒーリング……大丈夫ですか?」


「ランディ君、ありがとう。しかし、ランディ君はギフト持ちか?」


「ギフト無しって判定結果でした」


「なら、肉体強化のハイブリットか?」


「回復魔法だけですね」


「……それであの強さか?」


「はい、みっちり鍛えられましたから」


 ……

 …………


 僕は、このクラスの人気者になってしまった。

 そして、定期的に遊びに行く事になりました。



 ◆◇◆◇◆◇◆◇


 私は、回復魔法コース一年生担当教官、ジャイル。


 キッツネー学院長代理から、頭を下げてでも、回復魔法修得のコツを掴んでこいと厳命された。



 しかし、ガキに頭を下げる事なんてしなくていいだろう。

 何日か見ているだけで、その秘訣を盗んでやるわ。


 ……

 …………


 回復魔法コースのAクラスは、Bクラスに比べ比較的、頭の良い生徒が集まっている。

 その証拠に、既に二人もヒーリングを使えるようになっていた。



 あのガキの、授業は簡単だった。

 指を四本折って、目を閉じさせてヒーリングをしただけだった。

 そんな簡単な事か? 本当にそんな簡単なのか?


 なんと、こんな簡単な方法で、二十八人中四人の生徒がヒーリングを覚えてしまった。


 何故上層部は、こんな簡単な方法が思い付かなかったんだ?

 いや、それよりヒーリングを二十八回も使って、平然としているガキに驚いた。

 あのガキの魔力総量は相当高いな……


 翌日は、更に四人の生徒がヒーリングを覚えた。

 しかし、私が驚いたのはこの次の日だった。


 あのガキは、ヒーリングを一人あたり二回も使いやがった……合計四十回だぞ?


 この日は七人の生徒がヒーリングを覚えた。


 更に翌日……

 クラスの全ての生徒にヒーリングを覚えさせやがッた……覚えの悪い生徒には、五回も六回もヒーリングを使っていた……あのガキの魔力総量の底が知れん……

 いや、そんなことはもういい……

 来年度は、私があの方法を使って、名を上げてやろう……うまくいけば、私は学年主任に……いや、王室に雇われるのも夢じゃ無い!


 クックックッ……くわぁぁぁぁははははは!

 笑いが止まらないってこの事だわ。


 時代は今、このジャイル様に、向いている!

 ぎゃぁぁぁぁははははははっ!!



 ~~~~

 彼、ジャイル教官は、翌年無能教官として、学院内で有名になるのだが、その話はまた後日。

 ~~~~


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