【閑話①】ランディの仲間たち
◇???◇
ここに、様々な表情をした若い男女が多数いた。
「お、お兄ちゃんが……死んじゃった!?」
「嘘、嘘……らんでぃ……」
「ま、またしても主を守れなかった……」
「うっ、うっ、うええええん!」
「…………い、いゃゃゃゃゃゃゃ!!」
五人の女性がランディの消滅に、悲愴な表情をしている。
言葉を発した順にマーニャ、リリス、カミーラ、ひなた、香織と言う。
この五人は、三神が放った『ひれ伏せ』の言葉で動けなくなっていた、ランディの仲間だった。
一方、ランディと共に三神と激闘を繰り広げていた三人の仲間は、悲愴感は無いが其々怒りと悔しさの入り交じった様子だった。
「やられた 駄神 に 一本 取られた」
剣を思いきり振り抜き、衝撃波を放つアーサー。
「おのれぇぇぇぇぇぇ! よくも兄さんをっ!!」
髪の毛を逆立てるカーズ
「とりあえず神の亡骸に、糞尿でも、振りかけようか? 」
塵屑となった、三神の亡骸に立ちションを始めるガル。
そして、この小集団最弱の男、キンジが話し出す。
「カーズさぁん……あの光って……アレに似てませんか?」
「ああ、あの馬鹿神共……兄さんを転生させやがった……」
「問題 赤子転生? 成人転生? 憑依転生?」
「二番目は、ないんじゃね? ランディに不都合無いもん……て、みんなぁ! 明日からランディを探しに行くぞ」
「「「「「えっ、ええっ!?」」」」」
ランディを慕う女性五人は、ガルの緊張感の無いセリフに驚愕した。
……
…………
「…………と言う訳で、ランディが赤ん坊に転生した確率が高い。俺達がやる事は、ランディを見つけて保護する事。それだけだ」
「ガルさん質問。 お兄ちゃんが赤ちゃんになってたら、私達いったいどうすれば…………」
マーニャの言葉に、残りの女性達も頷く。
「ランディさえ保護すれば、全く問題ないぞ。カーズの第9レベル呪文が有れば簡単に元に戻せる」
「マジっすか? カーズさんの第8レベル呪文のリンカーネーションでも、ゴッドクラスの人外呪文なのに……第9レベルって、何でもアリっすか? でも、カーズさんって第8レベル呪文までしか使えないんじゃ……」
キンジの質問に、あれっ? 言ってなかったか?
見たいな顔をして、カーズが答える。
「いや、私はすでに『ウィッシュ』以外の第9レベル呪文が解放されてるよ。しかし、兄さんが何処で生まれ変わったか、全く手がかりが無い。 したがって、明日は『シャイニングロード』を覚えて、運任せだな」
「香織、マーニャ、リリス、ひなた、カミーラ、カーズの『シャイニングロード』は本人に都合の良い、光の道が浮かび上がるんだ。 心配するこたぁねぇな…………ランディを見つけた時の事を考えて、赤ちゃんプレイの、イメージトレーニングてもしてな」
『赤ちゃんプレイ』の単語に、香織とひなたが照れている……どうやらこの二人は、そっちの線でも行けるようだった。
翌日……
「第8レベル呪文……シャイニングロード! よしっ、方角はあっちか……」
「ランディ 早く 見つける」
「そうだな……ランディがいないと、どうも食事が侘しいからな」
「人外四人衆唯一の常識人、ランディさんがいないと、おれはストレスで禿げると思う。 シクシク」
「待っていてね、ランディ……今度は私がランディを守ってあげるから……」
香織が拳を握りしめて、決意を新たにする。
「香織ってば、もう授乳プレイをやる気満々かぁ?」
ひなたが、突っ込みを入れる。
「ぅ…………」
顔を朱に染める香織。
こうして奇妙な九人組の、ランディを探す旅が、始まりました。
なんか、徐々に人気が出てきたようなので、学園編を死に物狂いで、2話がんばるかも。




